◼️作品紹介
公開日/2022年8月11日
上映時間/115分(1時間55分)
監督/三木孝浩
製作国/日本
◼️予告
◼️あらすじ
ある理由から、自分の夢も妻との未来も諦めてしまった春日井健。そんな彼の家の庭に、記憶を失ったロボットのタングが迷い込んでくる。時代遅れな旧式のタングを捨てようとする健だったが、タングが失った記憶には、世界を変えるほどの秘密が隠されていた。
◼️ネタバレあり感想
『TANG タング』
デボラ・インストール原作の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を日本が実写化した作品。去年の冬辺りから二宮和也とタングのやり取りの告知が公開されてたので、結構力をいれてたのかなと感じました。
けど力いれてた割にはあまりにも幼稚だったし、チープだったし、かなり退屈な仕上がりだったなとは感じました。一応原作は未読ではありますが、何がそこまでダメだったのか語っていけたらなと思います
映画の始まりはベットにくるまってた二宮和也が突然起き上がり、可愛らしい笑顔でVRゲームをしているところから始まります。この時点でかなりツッコミ部分があります。ベットに入り込んでからのVRなんてAVのVRくらいしか見たことないし、しかもそれが射撃ゲームならなんでそんな場所から始まるのかがよく分からないです
それにこのシーンで満面の笑みを浮かべてる二宮和也を見ると、様々なジャニーズ映画を見てきた自分から見るとまたもやジャニーズのタレントを事務所が押し売りするために可愛らしく良い形で登場させたようにしか見えなくて一瞬二宮和也主演のキラキラムービーかなと勘違いしました
そこから満島ひかりとの会話になりますが、正直二宮和也と満島ひかりのこの会話の間がおかしすぎて会話してるようには聞こえないし、途中の二宮和也がテレビを見だすシーンも不自然でただ劇中出てくる会社を紹介してるだけにしか見えないし、そこからの会話もやっぱりつまらないというか夫婦や仲が良かった男女の会話には聞こえなくて全てが不自然すぎました
会話の内容も内容で日本向けに作られてるとはいえ海外の作品だからなのか、ジョークとか話の流れも海外よりな感じがして日本の会話という感じには聞こえませんでした
そもそもの話医者からのニートになったとはいえ、まず二宮和也がニートに見えないです。『浅田家』のような二宮和也だったら説得力はありますが、今回の二宮和也はただの二宮和也がニート夫の「ような」人間を演じてるだけだったし、満島ひかりと二宮和也のカップルも離婚寸前とはいえど長く続いたカップルにも見えなかったです。色々と偽物感を見せられてる感じがしました。
そこから色々とあってポンコツロボットの「TANG タング」に出会います。ちなみにニノ演じる主人公の庭で見つかりますが、その庭のとなりに競走馬の牧場があって別にニノ達が世話してるわけでもなく、しかも普通の家がめちゃくちゃある住宅街でなんで牧場があるのかも謎ですがそこはもうこれ以上ツッコまないでいます
タングに関してはかなり可愛らしかったなとは感じました。性格が無垢な子供見たいで歩き方や怯え方は可愛かったし、タングはロボットだけれど二宮和也演じる主人公がこれから父親としての役割を担う為、成長の為のキャラクターにも見えてタングと二宮和也が親子のように感じました。
ただ見ていて感じたのは予告がムカつくほどに上手いと言うか、CGの良い部分だけを切り抜いたなって感じがしてあとはかなり雑と言うか、タングを含めてCGがかなり微妙には感じましたね。
二宮和也と手を繋ぐときも違和感はあるし、タングがティッシュを抜き取ったり、体に入れたガムとかをこぼしたりするシーンも別にCGじゃなくて良いのにCGにしててCGにした割には微妙なんですよ。予告に映ってた中国の色鮮やかなシーンも特に迫力があるわけではなく、普通にR2-D2みたいにパペットにして、一部はCGにすればまだ良かったのかなとは感じました
そこからタングと旅をしますが空港で様々な人達がタングを見て珍しい目で見てたり「何あれ?」とか口にしてたりしますが、ロボがいる世界でボロいロボがいても可笑しくはないだろうし何をそんなに珍しがってんのかなと見てて業とらしすぎる演出過ぎて気持ち悪くなりました。
今で言うなら2022年でiPhone4Sを使ってる人が駅や空港内で「なんであんなもの使ってるの?」って言われてるようなものです。けど別に赤の他人が使っても気にはしないし、使ってるの見かけても口には出さずに「まだ古い機種使ってんだなー」くらいにしか思わないし、口に出して「なんでそんな古いの使ってんだよw」って笑うのって友人や家族くらいですよ
なんで気持ち悪いかって全員が全員新品同様の新しいロボットを持ってるかと言われたらそうでもないし、日本の人口で考えたらタングのような古いロボを愛してたりする人がいても可笑しくないんですよ。それをさも「新しいもので合わせないと皆に笑われる」「皆に合わせないと笑われる」みたいな光景を作りやがってよ。ロボコップに頼んで○間に弾ぶちこんでやろうか?!
それでそれを修正するかのように製造会社に見学に来たわざとらしく記者のように写真を撮りまくるこども達がこぞって「わーかわいい!」とか笑ってたり、てんとう虫見て「可愛い」とか言ってたりとか、なんか「お前ら全員同じ意見じゃないと生きていけないのかな」という気持ちになって、やっぱりここでも「なんかボロいね」っていうやついても良いし、てんとう虫だけど虫嫌いな子がいても良いんだよ。同調圧力なのかな?怖
子供と言えば飛行機に乗ってた子供も良くわからんよな。何故かポップコーンを二宮和也に当てて楽しんでたし、そのポップコーン最初二宮和也から見て左側に当たってたのに、子供がいるのは右側で最初タングがやってたのかなと思ったわ
キャラクターに関して話すとここら辺が一番欠点があった部分かなと感じました。
二宮和也演じる主人公とタングの関係が親子みたいとは言いましたが、まだタングがロボットだけど子供のように無垢で、その無邪気さに大人である二宮和也が引っ張られたりする姿を見る親子に見えたってだけで彼らの絆からそうは見えなかったし、はっきり言えばこの大人の立場が二宮和也じゃなくても良かったです
飲めなかったコーヒーをお祭りで買ってきてくれたタングが二宮和也に渡すシーンでタングと二宮和也の絆が深まったように感じて、その前までは「早く修理して終わらせたい」気分だったんですよ。ただそのコーヒーのシーンからでも、会話や態度とかは前と変わらずで絆が深まったようには感じられませんでした
他のキャラクターに関しても形だけというか、全く中身がないです。
ナルシストのキャラならナルシストキャラまんまだったり、占い好きの研究員ならそのまんまだったりと、本当に形だけはこうですよって奴らしかいなくて中身が薄いです。
それでその薄いキャラクター達はジャンクフードのようにそのまま軽い形で消費されて、これ以上の出番もないです。まるでボス戦までに向かうまでのクエストを与えるだけのRPGキャラって感じで、二宮和也とタングを旅立たせる為だけの役割だったから、特に重要性もないです
奈緒の中国で働いてる占い好きの学者に関してはどの立場からニノと満島ひかりの関係を心配してるのか良く分からないし、
京本大我に関してはナルシストという演技をしてるなって感じがして、キャラクターも形だけなら演技も形だけという映画の中では一番下手くそな演技をしてました。なんか撮影前に信玄餅を食べて、鼻の中にきな粉が入っちゃった状態のような演技をしてましたね。なんであんな鼻につくような下手くそな演技出来るんだろう
かまいたち2人に関してもただかまいたちの漫才を見てるだけで、ロケット団のような失敗しちゃうおっちょこちょいなキャラクターかなとは感じましたが、普通に最後まで見ると味方側で味方側の割になんでタングを保護するとき、あんな回りくどいことをしたんだろうなとは感じました。
お菓子やおもちゃで釣ってタングを拉致してたり、普通にかまいたちもそうだが小手伸也もちゃっちゃと口で説明すれば良かったんですよね。
武田鉄矢のキャラクターはまぁまだマシだったけど演技は微妙でしたね。てか真面目に武田鉄矢の演技を見たのは地味に初で、モノマネなんかを見るとクセの強い武田鉄矢が出るから「そんなことはないだろう」とは思ってたら、思ったよりもクセの強い演技をしますね武田鉄矢。ただのキャラだと思ったら、やっぱり首とか振るんですね
そんで二宮和也の演技は彼自身の演技は嫌いじゃないですが、木村拓也が木村拓也の演技をしてるのと同じように、二宮和也も二宮和也の演技をしていただけで、主人公のキャラクターを演じてるとか入り込んでるとかは全くないです
下手な訳じゃないんですよ。下手じゃないけど、もう教科書通りの演技というか二宮和也自信が作り上げた喜怒哀楽の演技パターンが完成されてしまって、逆にナチュラルで自然じゃないし、なにより俳優としての欠点としてキャラそのものには見えないんです。ただただ二宮和也が主人公の台詞を覚えて完成された演技プランで淡々と進行する演技の予定調和が出来上がるから、彼の行うすべての演技に見ているこちらは感動や緊張が全く生まれないです
タングを治してから記憶を失ったタングに思い出させるよう涙を流しながら話すシーンはたぶん二宮和也の演技の中で、一番クサイ演技をしてましたね。業とらしすぎるんですよ
映画全体として話すとやはり脚本は子供向けに作られているし大人も楽しめるような脚本にしたかったのかも知れないけど、全体がチープで幼稚すぎるし、大人は大人で見るとキャラクターが弱かったり脚本が弱かったりして退屈だろうし、なにより映画全体にこれといって山場や見所がなく、淡々と映画が進むから眠くなるかもしれないです
タングの可愛さ目当てで見に行くのが一番いいかも知れませんが、それの為だけに見に行きたいかと聞かれたら微妙です。とりあえず何もかもが微妙すぎた今年ワースト候補作品です。
◼️評価
最終評価は・・・
😀●●●●|●●●●●
10点中1点です
宣伝を強めるよりかはもっと脚本とかを強くしてほしかったし、期待してた作品ではあったからかなり残念ではありました。
はい、そんな感じで!
それでは!