KOUTAの映画DASH!!

映画、劇、色んな作品を簡単に、出きるだけ短時間で気ままにレビューするブログ。

まとめて映画レビュー『犬王』『映画 五等分の花嫁』『ハケンアニメ!』

『犬王』


公開日/2022年5月28日

上映時間/97分(1時間37分)

監督/湯浅政明

製作国/日本


湯浅監督らしい独特なアニメーションと、琵琶の音色が響き渡りながらのジャパニーズロックを日本の歴史に響き渡らせるアニメ作品

源平の戦いの後に時代は遡り、たぶん鎌倉時代終わりと南北朝時代の始まり辺りが舞台であり、主人公達がその時代に平家の魂を歌い上げる姿は死んでいった人達や忘れ去られてしまう人達の魂と人生の叫びのように感じたし、また時代に縛られない音楽の自由を歌い上げたレクイエムに感じた

女王蜂のアヴちゃんの声優演技に関しては初めてとは思えないレベルの演技力をかましていたのは驚いたし、歌声も素晴らしい

映画の中でライブシーンも勿論印象的ではあるが、物音や自然の音つまりSEのこだわりも素晴らしいかった。舞台上が木なのだがその木の板の上で摺り足しながら舞をするシーンのSEはかなり見事でアニメも彩り豊かなら音も豊かではあった

だからこそ終盤桜吹雪がふくなか、無音の中である男が仮面をつけたかのような顔で踊るシーンは物語を見届けた身としても色々刺さるものがある

ただ序盤の話の流れとかストーリー進行は素晴らしいが、肝心のライブシーンには不満点があった。
歌に関しては申し分ないんだが、ほとんどがアヴちゃんのMVと化している感じは否めない

また昔の大衆芸能にいちゃもんつけてる感じになってしまうが、ライブシーンのメロディが常に一定だから聞いてて飽きがくる。
その流れでアニメーションも盛り上がるかと言われたら別に盛り上がるのは終盤くらいで、アニメーションの使い回しも目立っていたなとは感じた
それに最初は死んでいったもの達の魂の訴えを自分達が変わりに歌い上げると言うものが終盤辺りからその路線がずれていたなとも感じた

前半は良かったけど後半はあまり気持ちが乗れなかった作品でした。あと結構何を言ってたかわからないシーンがあるから、是非とも日本語字幕版も上映してほしい

😀😀😀😀😀|😀●●●●

10点中6点







『映画 五等分の花嫁』

公開日/2022年5月20日

上映時間/136分(2時間16分)

監督/神保昌登

製作国/日本


大したファンではないけど一応原作は観ていました。1期のアニメはちらほらで、2期のアニメは1話2話しか観てない感じ。けど原作は観てたかは話の終わりや流れは知ってはいたし、なにより5姉妹が可愛いのと声優が好きだから見に行った感じです


ちなみに俺は一花と二乃推し。異論はあると思うが今回は流してくれ


映画としては正直ダイジェスト感は否めなかった。逆にあのストーリー両をよく詰め込めたなとは関心はしたが、悪く言えば何度も言うがダイジェストを見ている感じ
もっと言うなら漫画をパラパラと一気に見せられている感覚になっていた


5人それぞれの恋の葛藤や試練、それを乗り越えるための物語と成長がかなりあるのに余韻もクソもないからドンドンと進んで淡々な気持ちになってしまう。なんか共感や感動したいのにその時間を与えてくれない

それに次のシーン次のシーンとまるで見ている視聴者が瞬間移動してるような感じで次の場面に移るから恋愛映画の中ではある意味見ていて忙しい。そんでその間の時間が早いし全部同じだし、ストーリーに波があっても映像や演出に波がない。ストーリーは面白いはずだろうに長くて退屈に感じてしまう


ちなみにアニメ作画が素晴らしいと言う意見も効いたが確かに5姉妹の眼の作画や、5姉妹の可愛さはしっかり現れていたと思う。ただ全体的なアニメーションとして作画が素晴らしかったかと言われたら微妙ではあったし、クオリティとしては高いんだろうけど映画の大画面で見るにはいまいち物足りない


まぁとりあえずファンが楽しめればそれでいいのかな?って感じの作品ではありました
あ、けど黒田崇矢さんのイケボをまた劇場で聞けたのは最高だったからそれだけでも見た価値はあった


😀😀😀😀😀|●●●●●

10点中5点






ハケンアニメ!』

公開日/2022年5月20日

上映時間/128分(2時間08分)

監督/吉野耕平

製作国/日本

絶賛評価が多い中で自分は好きな部分もあったが全体的にはハマらなかった。
てか序盤から1時間くらい見ていて「たぶんこれは自分はハマらないな」と思ってからの終盤のメッセージ性や盛り上がりは素晴らしかったのでなんとか持ちこたえたという感じ


アニメ好きとしてはアニメ製作をフィクションではあるがその裏側を見られるというのと、アニメを売り出すためにただアニメを描けば良いという問題でもないし、だけど監督自信が本当に描きたいアニメを描けないでそれが本当に人に刺さるのかという部分などアニメを作る上での大変さや本当に作りたいものをなかなか作れない苦労などを描いていたのは素晴らしかった


脚本に関してもあまり好きじゃなかったキャラが終盤どんどん好きになっていったり、映画の本筋のメッセージがどんどん明るみになる楽しさもあったりして、分かりやすいながらも上手い脚本だったなとも感じた


特に中村倫也のキャラクターは好き。5日間で4話から11話のプロットを完成させる天才かと思いきや、2作目の視聴者の期待が重すぎてラストや自分の製作に悩み苦しむ姿はかなり人間味があって好きです


けれど一人のアニメ好きとしては褒める点はあるが、一人の映画好きとしては不満点はかなりある。
いわゆる邦画あるあるが結構ちりばめられていて、それが全体的にはバランスは保ってたし、そういう方向性にしたかったのも見ていて分かるのだがやはり気持ち的には引っ掛かるので言わせてもらうと

まず吉岡里帆中村倫也の対談シーンに関しては色々わざとらしい。司会進行のアナウンサーの演技もわざとらしかったし、吉岡里帆が出てきた時に拍手が薄いのに対し中村倫也が出てきた時には拍手喝采。その後の作品紹介の部分でもそういう流れになり、たぶん対照的な部分を表したかったのかもしれないが、逆にやりすぎだったかもしれない。未熟と天才の差が出ているのは彼らのキャラクターや台詞でよく現れているから、そんな拍手や観客の態度でいちいち表さなくても十分に現れている。それではただ吉岡里帆中村倫也のキャラクターと演技を潰しているだけだった

世界観に関してもまるで日本で放送されているアニメが劇中のアニメ2本だけみたいな感じも気になる。
朴ロ美さんのナレーションで年間何百本製作されていると言われていたのに、その2本だけで日本が回ってるような感じがリアリティー感じなかった。
確かに最近だと『鬼滅の刃』が中心にはなってはいたが、それでも話題になってた作品は何度かあったからその設定にも疑問を感じた

また勝負するのは良いし、勝負の行方が視聴率やDVDブルーレイの売上というのも確かにそうしないと分かりにくいけれど、今時視聴率が行方を眩ますかと言われたら微妙だし、制作側は数字は気にするだろうけど視聴率や売上で面白さの結果になるのかと言われたらそれも微妙。
劇中でも言ってたと思うが、ここでは映画で例えるなら興業収入が良かったから面白いとは限らないし逆も然りなんだよ。そこら辺は引っ掛かった


あとは今のアフレコ現場がどうなってるか分からないけど、そのアフレコ現場も微妙な点が多くて、アフレコ中にヘッドフォンつけてない人が多かったり、あと一番は休憩の退出の時にプロな声優があんなにいるのに誰も「ありがとうございます」「お疲れさまです」とも言わずに黙って退出するのが気になった


あと細かい点を言うならスマホで今の放送してるテレビアニメを見るのかなとか、夕方5時放送で12話だけなのかとか、演技の下手な人やキャラクターがアニメっぽいやつもいたなとか、別にスタンプラリーシーンはそんなに必要性感じられなかったなとか
全体的には良いとは思うけれど個人的には不満点がかなり多かったです。けどかなり刺さってる人はいるので、本当に面白いって興業収入や観客動員数だけじゃないんだなと実感できる映画ではありましたね



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10点中6点