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映画『シン・ウルトラマン』評価&ネタバレあり感想 彼が神じゃなくても作品は神映画


◼️作品紹介


公開日/2022年5月13日

上映時間/112分(1時間52分)

監督/樋口真嗣

製作国/日本

◼️予告


◼️あらすじ

「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる謎の巨大生物が次々と現れ、その存在が日常になった日本。通常兵器が通じない禍威獣に対応するため、政府はスペシャリストを集めて「禍威獣特設対策室専従班」=通称「禍特対(カトクタイ)」を設立。班長の田村君男、作戦立案担当官の神永新二ら禍特対のメンバーが日々任務にあたっていた。そんなある時、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため禍特対には新たに分析官の浅見弘子が配属され、神永とバディを組むことになる。

引用元:シン・ウルトラマン : 作品情報 - 映画.com

◼️ネタバレあり感想

『シン・ウルトラマン


映画本編のネタバレが含まれたレビューになります。まだ観てない方は本編観賞後の閲覧をオススメします!


光の国からぼくらの為にやってくることでお馴染みの日本を代表するヒーロー『ウルトラマン』の新作映画。
たまにウルトラマンシリーズの映画を目にはしますが、それとはまた違う世界線なのかな?とにもかくにも樋口真嗣監督が手掛ける1966年に放送された『ウルトラマン』のリメイク作品なのは確か


なんでこんなフワフワした言い方をしてるかと言うとウルトラマンの存在や怪獣を倒す巨人くらいの知識しかなくて、実際にはウルトラマンを見たことないしどんな世界観なのかというのを知らない状態で鑑賞しました


正確には『ウルトラマンコスモス』は見たことはあるんですが幼稚園や小学校低学年くらいに観たから話の内容は理解してなかったし、とりあえず怪獣を倒す姿を観て楽しんでたくらいなんですよね。


だからこれからの感想はウルトラマン初心者の自分がとりあえず思ったことをそのまま話しますので、たぶん的外れなことも言うかもしれませんが、ファンの方はまぁ暖かい目で見ていただけたらなと思います


とりあえず初見で観た感想を正直に言うと
「メチャクチャ楽しかった!!」


とりあえずこの一言で映画の良さを前面に伝えたいくらい、ここまで楽しい作品は久々かもしれない。ウルトラマンを観て育った幼少期を迎えていたわけではないけど、終始興奮して童心に帰ったような作品でした。なんか記憶を消してもう一回観に行きたいくらいです


一番意外な感覚は不思議な作品で切ない作品と感じたこと。切ない部分はウルトラマンが地球を守り故郷に帰るという部分や、ウルトラマンが地球のことを知っていき表には出さないけど人間のことを好きになっていく静かな友情の描かれ方とかは怪獣と戦う作品だと思っていたら、かなりドラマ部分も強かったです


不思議な感覚の部分は大怪獣だけじゃなくて、人形サイズの外星人がいたりとか、外星人と人間がコンタクトをとる部分や、ある女性が巨大化したりとか結構不思議な世界観ではありました。多少ついていくのに慣れは必要だけど、それよりも興味深さが強かったのでこれも楽しく観れます


ウルトラマンがラストに別次元へ行くシーンはキューブリック作品ぽいなとも感じたんですけど、それとはまた違うなにか個性的な部分も見えたりしましたね。そういう意味では独創性があり、個性的な作品なのは驚きはありました。


なんか『世にも奇妙な物語』とか、もっと言うならアメリカのドラマ作品の『アウター・リミッツ』や『トワイライト・ゾーン』のような雰囲気はありましたね。だから不思議な感覚があったのかもしれない。なんかそれに近い感じがするもん


俺はまだ一回しか観てないしウルトラマンってこういうものなのかなと触りの部分でしか分からないけど、俺が観た感覚としては『シン・ゴジラ』が「もしも現代にゴジラが現れたら政府や軍はどう対応するのか」というテーマであるなら、『シン・ウルトラマン』は「外星人が地球を貪る背景とそれでも諦めない人の心」をテーマにしてるように感じた


だからゴジラや大怪獣が地球で暴れまわる姿も怖いんだけど、ザラブやメフィラスの方が観ていて怖かった。なんだろう。ライオンのようにそのまま補食するというより、人間のように調理してから食べるみたいな感覚で、とにかく時間をかけながらゆっくり地球の侵略を味わう感じがしたし、気づかないうちに部屋の隙間から入られたような感じがして異様な気味の悪さはありましたね


その侵略に人間はお手上げ状態になったり、メンタルが崩れてお菓子を大量に食べたり、ストロング缶を飲んだりしたり、地球上で人間が上で地球以外の星なんてないし、自分達が凄いと感じていたらその上がそんじょそこらの星にわんさかいたりして、まるで食物連鎖のピラミッドが崩れたような感じは映画から伝わってさ


けれどウルトラマンは諦めない。好きになった人間を守りつつ人が出きることをサポートして、そして人間も諦めないし不屈の精神でまた立ち上がる。そしてウルトラマンも立ち上がる。
「諦めない心」と「力強く生きて立ち上がる」というシンプルなテーマなんだけど、なんだけどウルトラマンだからこそこのテーマが強く生きているし、小難しい話しをかなりしているけど結局最終的にはそこにたどり着くんですよ


だってヒーロー映画だぜ?子供に夢を持たせたヒーローだぜ?そのテーマじゃなかったら他に何があるんだよって話だよ。もしかすると的外れかもしれないけどさ、ウルトラマンも人間と同じで何度も立ち上がって負けそうになるし、地球を守れる希望は彼しかいないから彼が負ければ地球が滅ぶかもしれないメンタルで戦ってるんだぜ?それでも立ち上がるし、けど1人だけど1人では戦ってない。その負けないとか屈しないっていう気持ちが大事というのをたぶん昔から変わりなく伝えてんだよ


けど映画がそれを押し付けがましくしてないからまた凄いんだよな。ウルトラマンは確かに希望でそのテーマそのものの存在なんだけど、ウルトラマンが前面に出てるんじゃなくてウルトラマンは仲間達が挫けそうになったら背中を押してくれたり、そっと頬えんだりしてくれるような存在なんですよね


なんかこれだけしかまだ観てないけど、ウルトラマンを好きになる人の気持ち分かってくるわ。科学の浪漫はあるし、ヒーロー映画としても良いし、外星人も特徴やインパクトもあるしで、これは好きになるよ。







ただこんなネチネチなこと言ってたけど、映画としてもメチャクチャ娯楽作品として最高に楽しいし面白かったんですよ!


まずオープニングね。
最初怪しい雰囲気からの『シン・ゴジラ』というタイトルが現れて「あれ?作品間違えたのか?」と思ったら、デーン!と『シン・ウルトラマン』!!!


なにそのタイトルの出し方!かっけぇええーーー!!!


そこから序盤の大怪獣が日本を襲い、様々な方法で倒していく姿をダイジェストと『シン・ゴジラ』さながらの文字多めの演出を怒涛にやります。この怪獣達のビジュアルもまた良いんですよ。
あ、あと俺怪獣怪獣ばかり言ってるけど映画の中では「禍威獣」ね。文字打つときいちいちめんどくさいから怪獣にしているだけです


そして時系列は現在になりネロンガ戦!
ここでウルトラマンの地球での初戦になりますが、まだ斎藤工が入ってない状態のウルトラマンの姿でなんかまだ地球にもなれていない感じがするから動きはかなり少なめ。だからこの初登場時のウルトラマンが正義のヒーローがやってきたというより、なんか不気味な巨人が現れたという異様さがあったし、『未知との遭遇』や『地球が静止した日』のようなSF映画に似た何かを感じました


そんで予告でも観たネロンガスペシウム光線を当てるシーン!
これは予告でも見たけど、まさか山も普通に粉砕するレベルの破壊力だとは思わないじゃないですかw
けどそれ異常に衝撃なのは最後スペシウム光線を当てられたネロンガが爆発したことwww


これは流石に「ええええーー?!爆発したーーwwww」と大笑いしましたよwww


もうここから「いいぞ!いいぞ!もっと好きにやれ!」とまんまと心捕まれてしまった俺はもう夢中になって見てたw
爆発したから楽しかったのかどうかは分からないけど、どちらにせよアレでもうこの作品を好きになったことは間違いないしここからも大好きなんですよ


そこからのガボラ戦よ。ウルトラマンがグルグル回りながらガボラの前に登場したと思ったらそのまま回転ダイレクトアタックでまんまと笑ったw
なんやねんその技w いつからムシキングのダイシャリン覚えてきたんだと言わんばかりの技には驚いたw


ガボラ最初ドリルだったのに、ドリルの中から顔が現れた時の威嚇してるような顔がなんか愛くるしいし、開いたドリルが首周りで回転するのは良いんだけどなんか痛そうだなか変に気を遣いましたが、そこツッコんだら折角のテーマである空想と浪漫が消えるのでこれ以上はやめます


ザラブとメフィラス戦でのこの二人が先も言った大型怪獣とはまた違う感じの調理して補食してる感じがまた良い感じに気持ち悪い。やり方は違うけど、この二人の侵略のやり方がビジネスのようにやってるのもまたかなり良いんですよ


またこのザラブとウルトラマンの戦いもまた良かった。町を遠慮なく壊してるのも良いし、映像の見せ方も観ていて楽しかったんですよね。それに今の東京の街をウルトラマンが飛び回るってだけで浪漫溢れてたし、これも観てて楽しかった


ラスト天体制圧用最終兵器がゼットンなんですが、これもまた外星人とかと違うかっこよさがあったし、空にうっすらとゼットンが映ってるシーンは『エターナルズ』のような絶望感もあったからもう「いいよ!いいよ!盛り上がってきたね!」と興奮気味に観てた


てかもうゼットン使徒の中にいても可笑しくない形状なのよw


色々とウルトラマンと怪獣と外星人の話ばかりにはなりましたが、禍特対のシーンもかなり好きです。キャラクターは全員好きになれたし、思ってたよりもこの禍特対の会話シーンで笑える部分があるとは思わなくてしかもその笑える部分が普通に面白かったりしたのは以外でしたね


もう少し緊張感あるのかなとは思いましたが、緊張感はあるけど和気あいあいしていてこのメンバーに入りたい気持ちはあったり、メンバーがメンバーでエキスパートな人たちが多いけど落ち込んだり下を向いたりしてしまうこともあるから、完璧超人グループではなく1人の普通の人間なんだなと感じました


特に有岡大貴演じた滝のキャラクターはかなり良くてオタクな部分があって自分の知恵に自信がある彼が中盤から外星人の知能や力を目の当たりにして自分がちっぽけに感じたり、悔しい思いをしたりして、そんで仕事場に酒を持ち込んで飲んじゃうとかかなり人間味溢れてて素晴らしいキャラだったし、一番共感したキャラクターでした


もしあの場に早見あかりがいなかったらどうなってたんでしょうね。酒の勢いで自分のグッズを壊したりデータを消してそうな雰囲気はあったから、あの場に早見あかりがいて良かったし、ウルトラマンがUSBという名の希望を置いといてくれてたのはなんか胸熱


長澤まさみ演じた浅見も結構すきです。しっかりはしてるけど、なんか思ったよりも行動が大胆だったりとか、なんかエヴァンゲリオンミサトさんみたいなキャラクターだったなという印象はありました


一番は山本耕史演じたメフィラスで外星人なのに人間臭いし、山本耕史の演技力で魅力的だけど怪しい雰囲気があるキャラクターになってて一番印象深いです。これもエヴァンゲリオンだと渚カヲルみたいな印象はあります。


けどメフィラスの「私の好きな言葉です」が「何個あるんだよw」と良い意味でツッコみたくなるし、さっきも言った人間臭さも外星人なのに名刺渡したりブランコに揺られたりしてて、挙げ句の果てにウルトラマンとお酒を飲んで対談して(雑談言っても「地球もらいまっせ!」と大規模な話。てか大規模な話なのに居酒屋www)、
自分から誘ってウルトラマンより注文してるくせに「割り勘で良いか?」と賢いはずなのにセコい感じがまた良い味だしてて好きでしたw







一応不満点もいくつかあります。ただ不満とは言いつつもそんなに個人的にはそこまで気にするようなレベルではなかったですが書いておきます


まずメフィラス戦に関してだけど、結構ウルトラマンのバトルシーンはかなり見ごたえあったし文句はないんだけど、このメフィラス戦の時だけ結構CG感が強かったなという印象はありました。なんかPS3くらいのグラフィックを観てる気分になります。
他のCGもCG感はあったけど、このシーンが一番強くて一瞬気持ちが離れてしまいました


映画が全体的に台詞や演技が酷いレベルではないけど、なんかわざとらしさは感じました。「こんな会話するのか?」って台詞や一部の俳優の演技が微妙だったりした部分もありましたね。ただこれに関しては昔の『ウルトラマン』の台詞や演技にリスペクトを込めてこういう形にしたのかなとも感じられます


ただ西島秀俊の演技は相変わらず大根だなという印象はあったし、反対の気持ちで言うなら西島秀俊だからこそ班長としてのリーダー感や引っ張っている落ち着いた大人な雰囲気はありましたね。良い部分もあれば悪い部分もありました


あとは大怪獣やらが沢山出てるのに皆普通に暮らしていってるという部分も多少気になりはしたけど、映画のスポットはそこじゃないだろうし、それにどんな大きな災害や出来事が起きてもなんだかんだ変わらず生活している感じはなんか納得はしちゃうから、だからたぶん気になる人は気になるポイントかもしれない


ただ不満点は並べたけど、その不満点を吹き飛ばすくらい不満を忘れて楽しめた作品なのは確か!
それくらい楽しかったし、面白かったし、シリーズを知らなかったからこそ「ウルトラマンってこんなに素晴らしい作品なのか」「こんなに科学的で浪漫溢れて、人間味が溢れ出てる作品なのか」と胸踊りました。正直『シン・ゴジラ』よりも好きかもしれない


ウルトラマンに関しては無知だから今回話した内容はなにも参考にはならないかもだけど、沢山の意見があってもとりあえずまだ観てない人は見てほしい作品です!


◼️評価

最終評価は・・・





😀😀😀😀😀|😀😀😀😀😀

10点中10点です



ウルトラマン好きになったし、怪獣や外星人も好きになったし、不満も込みで好きです。たぶんここ最近のSF映画としてとらえるならダントツで好きになれた作品です。とりあえず見たい他の作品もあるけど、それを差し置いてもう一回見に行きます





はい、そんな感じで!

それでは!