◼️予告
◼️あらすじ
美容師の美咲に恋心を抱いた晴人は、勇気を出して彼女をデートに誘う。目標に向かって頑張る彼女にふさわしい人間になるべく、諦めかけていたカメラマンの夢をかなえることを決意する晴人。そんな晴人に美咲も惹かれ、2人は恋人同士になる。しかし美咲は、人の何十倍も早く老いていくという難病を発症してしまう。
◼️ネタバレあり感想
『桜のような僕の恋人』
宇山佳佑の同名ベストセラー小説を実写化した作品。Sexy Zoneの中島健人主演で中島健人演じるカメラマンの晴人が美容師の松本穂香演じる美咲と出会い付き合いますが、美咲は早く老いてしまう難病を抱えてしまう話しになります。3月からNetflixで独占配信されている作品です
様々なコンテンツが配信されているNetflixにドラマや映画、アニメも日本から配信されていますが、Netflixオリジナルの邦画という中で言えばたぶん俺が観てきた中だと駄作に入ると思います。
この映画の素晴らしいところは中島健人が綺麗なのと、主題歌のMr.Childrenくらいです
いわゆる「お涙頂戴難病映画」という邦画のお得意な作品群で、国内の映画館くらいならまだしも、Netflixを使って感動させたかったのかもしれませんが逆に恥を晒した作品になってました。とにかく古臭くて、感動の押し売りが酷くて、脚本も酷いです
恋人を死なせないと感動を産み出せない製作陣たちが「この難病ものならNetflixで上位狙える!」とか思ってそうで怖いし、折角早老症という実際ある病気を広げてその恐ろしさや患者の苦しみや治す難しさを深めさせる良い機会なのに、ただただエンタメの商売道具として利用しているだけにしか見えない時点で吐き気がします
映画の内容も内容で「昔の酷い邦画を観てる気分だな」と思う部分はかなりあって、まず演技に関しては序盤松本穂香の演技がかなりわざとらしくてアニメのようなオーバーリアクション演技してるのが鼻につくし、中島健人の演技はまあまあ観れますが根暗キャラなのに根暗に見えないです
美咲の通う美容室で出会った晴人。彼らの出会いやデートに行くまでの過程はまだ良かったけど、まだお互いが「お客と店員」という中で河川敷で美咲がキレだして「夢頑張って追えよ!」とかいきなり言い出すのもなんか可笑しかったし、そのあと晴人が「変わります。あなたに好きになってもらうように!」って叫んでるのも見てて恥ずかしくなってくるし、奥に沢山人が歩いてたりしてるのにその二人の周りにだけ綺麗に人がいないアンバランスな映像が見えたりともうものの10分でダメダメさが伝わります
そんで晴人はそのあと再就職したのが前に辞めたパワハラまがいな職場なのはなんでなん?
俺はカメラマンになる方法はわからないけど今の時代ブログやSNSで写真上げて有名になる人もいるから個人でもやれなくはないし、仮に現場で働くなら別の場所にいく方法もあるだろ
なんでパワハラ受けて自分に合わなかったから辞めた場所にもう一度戻るんだよ。この世界にそこひとつしかないなら話しは分かるけどそんなことないだろ?
「誰かの下で修行する」「ゴリゴリの上下関係」「パワハラや暴言は当たり前」というのが努力とか夢を追うとか美化に撮してて、今の時代から考えたらかなり古臭いんですよ
ある先輩キャラが晴人に毎回注意する際暴言吐いたりするんですが、それが「認めてるから言ってるんだよ。認めてなかったら最初から言わない人だから」と助言されます。
いやだからそれがストレスになって一度晴人はやめたんだろうが。なんじゃギャップ萌えしろってか?ふざけんな。そんなんで萌えたら二次元キャラなんて存在せんわ
そんで初給料で行くデートの食事がレストランしかもフランス料理というのも古臭い。『花束みたいな恋をした』とかの最近の恋愛映画でも居酒屋とかファミレスとか普通に言ってるぜ?一体いつの話だよ。昔の話ならまだ分かるけど、この映画の時代設定2019年なんだってさ。笑わすな
そのあと彼女を追いかけて自転車持ち上げて駅のホームへ走り出す中島健人も自転車置けば絶対電車に間に合ってただろうに。彼女よりも自転車を優先した男に美咲は意味不明な告白を電車の中で大声で言う。キャー!恥ずかしい!
あとあれたぶん冷静に考えたら聞こえないだろ
そのあとも早朝の新宿を二人で走ったり、もう付き合って数ヶ月の二人に頑固でこれも古臭いキャラした美咲の兄貴が「部屋に入るな」「キスするな」って言ったり、ちなみにその兄貴が妹の治療費を騙し取られて警察か誰かに言えばなんとか出来るはずなのに「あーあ騙されちまった」っでそのまま終わっちゃうし、美咲がすっぴんだからとマスクしてるけど眉毛や目はメイクされてるのも気になるし、キスもしてないのに急に晴人が交際3ヶ月でプロポーズしたりなんでそんな急ぐ必要ある?って思うし色々ツッコミたい部分は多々ありでした
それに季節変わり目で出てくるCGの桜もCGが安っぽいし、映像にもセンスがないから正直必要性は感じられないです。別にあの映像使わなくても季節の変わり目くらい他の方法で使えるから、だったらそんなものを作るなら兄貴や兄貴の嫁さんのキャラをもっと深めたり心情を語らせてやれよとも感じました。
あとこれは俺だけかな。なんでこの手の映画って主人公たちの周りに子供たちが集ってきてキャッキャッ騒ぐんだろ。もう今の子供も確かに楽しく騒いでるけど、知らない大人の所にすぐに集まりはしないよ。その時点でリアリティーがないし、もう少し子供も観察してから製作してくれ頼むから
一番気になるのは後半からでその後の晴人がカメラマンとしての成長やその周りの人もあまり描かれてないのは残念です。別に周りの先輩に興味はないんだけど、あんだけ「実はちゃんと晴人を観てる」って言うならそれらしい部分は描くべきだし、描かないからただただ命令口調で叫ぶパワハラ先輩のままなんですよ。
そして松本穂香演じる美咲が早老症になりどんどん老人になる姿も髪がボロボロで白髪が増えてしまうのはまだいいけど、たぶん特殊メイクの顔が小じわが増えたりとかどんどん段階踏むんじゃなくていきなり老人顔になってたのは流石に早すぎたように感じました。段階踏んで老人になった方がより早老症の恐ろしさが目に見えてわかるのに
なにより一番気になるのは美咲が老人になってもしっかり顔が映らないんですよ
性格には老人の美咲はかなりの頻度で登場します。それがメインなんですから
ただ美咲の顔がカメラを前にしっかり写し出されたのはたぶん3回4回くらいで、他のシーンはサングラスとマスクしてたり、またわざとらしくピントを合わせなかったり、カーテンで顔だけ見せないような演出をしてました
たぶん晴人のカメラだったりを意識した演出だったり、美咲がサングラスとマスクをするのも「こんな顔を人前に見せるのは嫌だから」という気持ちもあるかもしれません。ただあまりにもこの隠し方がわざとらしくて、たまに顔が出てきてもガラスの反射やスマホの自撮り機能で見えたりCGでなんとか出来るから、まず特殊メイクして老人の演技をしている松本穂香に対して演技を潰してるように見えてしまうから松本穂香に失礼に感じました
ていうのもカメラがしっかりと老人の美咲を撮してる時の松本穂香の演技は良かったと思えたのに対し、その後の若い頃の松本穂香の演技はわざとらしくて映像も松本穂香のプロモーションビデオかってくらい無駄に綺麗に撮影されてます。なんかこの一連の流れを観るにスタッフや事務所が松本穂香のメンツを守ってる感が強いし、逆にそれが松本穂香の女優としての道を潰してるようにも感じがして映画を観てるのに大人の事情が絡んでるのが見えたのが嫌でした
終盤ある場所で美咲が思い出に浸るシーンも老人ではなく若い頃の美咲のわざとらしい泣き演技を見せてたのは勿体なかったです。あれは老人の姿にしていれば、まだこちらも色々心捕まれているシーンだったのに勿体ないです
なんか病気の知識を映画で広めるという感じはしなくて、ただただエンタメの材料として消化されてるようにも感じました。カメラも老いた彼女をしっかりと映さない部分を見るに現実を真っ正面から受け止めてないようにも感じました。
老人姿になってマスクやサングラスするのも「この姿を誰にも見られたくない」気持ちの現れなのも分かるけど、家にいて食事をする際もその姿なのは違和感はあったし、
俺は早老症になったことはないからその人たちの気持ちはそれぞれだから実際わからないけど、もしも自分が早老症になったら姿や顔を気にするよりも周りの人に謝罪したくなりますよ
だって20代早老症になってだんだん老人になっていくから恋人は勿論親よりも体は年を取るし体が弱っていくんですよ。そんな周りの人に迷惑かけて、介護もされるなんて体は80でも実際の年齢は20代な訳ですから、病気だと分かってても介護されるのは恥ずかしいし悔しいし本当に迷惑かけてるから申し訳ない気持ちになりますよ
その自分の気持ちと映画の中の美咲の心情を合わせるとどうにも美咲の気持ちに共感できないんですよ。確かに家族に迷惑かけてる気持ちはあるのかもしれないけど、なぜ変に突き放すような言動使うのかが分からないです
毎回こういう系の映画に思うのがなんで病気を恋人に隠したがるんでしょうね。
恋人にも弱った顔を見せられないし見せたくない気持ちも分かります。特に早老症なら尚更です。
ただ素直に「こういう病気だから。出掛けられないし顔見せるのも難しいし心配するかもしれないけど治療頑張るよ」って言えばいいじゃん。
なんで「顔見せたくないな→じゃあ別れよう」って話しになるんですか。男性も男性で相手が病気になったからじゃあ別れようかななんてそうすぐにはならないぜ?むしろ好きな人だからこそ、できる限りの迷惑かけないで看病や付き添いとかするはずだから。そう簡単にサイコパスじゃない限りコロコロ変わんねーよ。舐めんじゃねぇ
だからこの映画の美咲に対してはただただ素直に言えばめんどくさくならずに済んだし、変に突き放したりして自分で自分の首を絞めてるのに「私ってかわいそう」とか自分のことしか考えてない思ってる悲劇のヒロインぶってるから、例え病人でも彼女を応援したいって気持ちにはなりませんでした。
なんか色々語っていくうちに見終わった後はそうでもなかったんですが、今は結構色々酷い部分が見えてしまって勝手なんですが怒りが湧いてくる作品です
制作者がただただ感動ポルノとして消化してる感じが全体に映し出されるし、何もかもが真っ正面からしっかり製作しようという気持ちも感じられないです。逆に「難病物なら誰でも泣くだろ」って甘い考えが滲み出てます
しかもこれがNetflixで配信されてるのもムカつく。折角『ドライブ・マイ・カー』を中心に邦画がまた注目され始める良い機会なのに、これで邦画の面目丸潰れですよ。海外の反応がどうだかまだ知らないですが、どちらにせよ恥さらしのクソ映画なのは間違いないです
◼️評価
最終評価は・・・
●●●●●|●●●●●
0/10です。
Netflixで手軽に観れますが俺からは見ないことをオススメします。久々にお涙頂戴難病映画を見たいなという人は見ても良いと思いますが面白さは保証しません
はい、そんな感じで!
それでは!