◼️予告
◼️あらすじ
青年ブルース・ウェインがバットマンになろうとしていく姿と、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによってブルースの人間としての本性がむき出しにされていく様を描く。両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、悪と敵対する「バットマン」になろうとしている。ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察や優秀な探偵でもあるブルースを挑発する。やがて政府の陰謀やブルースの過去、彼の父親が犯した罪が暴かれていくが……。
◼️ネタバレあり感想
『THE BATMAN ザ・バットマン』(原題:The Batman)
久々の洋画レビュー
DCコミックの人気キャラクターであるバットマンの単独作品。若きブルース・ウェインでありバットマンになってまだ2年目の彼の姿を描いた作品になります。出演はロバート・パティンソン
一応試写会の字幕版の感想になりますのでご了承ください
バットマンの単独作品ではあるけれど、一応話すならクリストファー・ノーランが手掛けた『ダークナイト』などの所謂ダークナイトトリロジー、DCのキャラが共有の世界にいるユニバースDCEU、ホアキン・フェニックス出演の『ジョーカー』の続編や過去編ではありません。全く新しい世界の新しいバットマンなどでまずバットマンを知らない人は入りやすい作品です
ただし上映時間が3時間で、常に暗い映像ばかりで、さらにはバットマンの若き頃とは描かれていますがバットマンの誕生秘話やブルースに関する情報は全く語られないので初心者には難しい作品です。どっちだよとツッコミを入れたい気持ちも分かりますよ
けれどブルースの過去やバットマンの誕生秘話はあまり明かされません。ブルースの親が殺された話くらいはされますが、結構当たり前に序盤からバットマンが治安を防いだり、当たり前のように警察の捜査に参加したりしますからね。
まぁそれでもゴードン以外の警察からはイカれた野郎と思われたり、バットマンになってからまだ2年目だから治安を防ぐというよりも復讐を背負ったダークヒーローそのものなんですよね。
それこそ序盤のチンピラを殴りまくるシーンは若さと復讐で制御できてない危うさを感じられるキャラクターを描いたアクションになっていて、ここから彼がどうヒーローになるかという期待と、このまま行けばヒーローではなく本当に狂った野郎と言われ続けてしまうようなキャラクターになる不安が同時にやってくるシーンでした。
これを初め様々な部分でキャラクターの心情を説明的な台詞や回想無しで絵的表現しているのはかなり個人的には好みで楽しめました。それと同時にそれを生かす為には俳優の演技の力量も必要なんですが、すべての俳優が素晴らしい演技をしていましたね。その演技を楽しむのも良いのかもしれません
個人的にアルフレッドが爆破に巻き込まれて病院に送られたときのロバート・パティンソンの表情がかなり素晴らしくて大好きで、悲しさと力に及ばなかった自分の無力さと復讐と色んな負の感情をあの表情を数秒で伝えられてそれを表現できたのはあまりにも素晴らしいんですよ。あれはなかなかやろうとしてもできるもんじゃないですからね
それをふまえると映画全体キャラクターを絵的に表現して魅力を伝える演出方法がかなり上手いなと感じたし、3時間あるなかで「今彼は何を感じているんだろう」と映画の謎解きとそれも考えて頭をフル回転させて観なきゃいけないから3時間は長くは感じませんでしたね。逆に頭を使わなかったり、考えない娯楽作品が好きな人には合わないかもしれません
ただこの深堀をあえてさせないという点ではメリットもあって、その大きな部分は「ストーリー進行の邪魔にならない」ということです。
確かに深堀する方がキャラクターの魅力は十分に伝わります。ただバットマンの場合影そのもののヒーローだから多少怪しさがあった方が魅力的だし、マスクを着けた時は強そうだけどブルースの時はどこか悲しみを背負い疲れきったような姿をロバート・パティンソンが演じてるからもうそれだけで説明台詞や回想シーンをいれなくても魅力的に感じます。リドラーに関しても同様です
あとはやはり回想とかいれたりすると、本来のストーリーの本筋がズレてしまったり合わなかったりはするというのもありますよね。だから常にバットマンがリドラーの謎解きやリドラーを追ったりと
共に追体験してるような感じにはなれるし、本筋の話に集中は出来ます。
『鋼の錬金術師』の作者もマスタングとホークアイの過去を描かなかったのも「本筋とは関係ないから」とは言ってます。(そのあと「考えてなかったって言ったら怒られるんだろうな」と言ってはいましたがw)
変にダラダラ関係のない話を進めるより、しっかりと本筋にそってそこからどうキャラクターを魅力的に撮したりするかというのも大事だと思います。この映画ではそれがしっかり出来ていたと感じました。
言ったそばから話の本筋は反れますが、『鋼の錬金術師』の実写版の続編公開されますね。しかも2部作で。クソッタレ
個人的に色々褒める点はあるけれど、一番はスーツとか衣装かな。あまり俺のレビューで衣装の話しはしないけど、映画観てて一番褒めたいなと思えたのがこれだった
本作のバットマンスーツは個人的に1、2位を争うくらい好きなんですよ。ちなみにそれと争ってんのが以外かもしれないけど『バットマンvsスーパーマン』のスーパーマンと戦った時のごつい衣装
色々公開前から賛否はあったけど、俺はまだ2年目とまだ若いヒーローだからスーツやバイクとか不揃いな部分もあって揃えられる範囲内で組み合わせた感じがするから好きなんですよ。バイクもあえてノーラン監督のようなゴツイ感じじゃなくスマートなのもまた良いというか
リドラーの衣装もまた良いんですよ。変にマンガから遠ざけたというか、あのワークマン辺りで買えそうな手軽さが良いし、その手軽な衣装だからこそリドラーが特別な力を持ったキャラではなく、頭が良い上流階級の人間に不満を持つひとりの庶民なんだなというのも伝わる衣装なんですよ。
ただバットマンの衣装がアレで、録画機能があるコンタクトレンズを作れたり、それが作れるのに遠くの物を観る際は双眼鏡使ったりと、結構力の入れ方のバランスがおかしいなとは感じました。
一応流れで不満点は言うけど、それも含めてちょっとツッコミ部分があるというか。
本作はテレビは勿論スマホもある現代の設定なんですが、皆スマホ使ったりしているのにブルースの家は黒電話だったりしたり、あと観た感じバットマンの設備や機械とか見てたりしても不揃いな部分はあるから何かバットマン正体を暴こうと思えば暴けそうだし、
バットマンの存在がゴッサムシティ以外でも知れ渡る感じがラストのニュース番組なんだけど、その前にどれだけ知れ渡っているのか分からないけどスマホがあるなら2年もあるからもうネットに知れ渡ってそうなんだよね
ていうのもDCEU版のバットマンの設備がハイテクでパソコンも異常なほどあるから、どんだけ情報が流出しようが簡単に解決できそうな感じはするんですよ。
ただ本作はまだ2年目ではあるから不揃いでハイテクではあるけどまだ十分ではない感じはしたから、暴かれる心配はないっていう説得力があまり感じられなくて、余計なんだけど気になっちゃいましたね
キャットウーマンのデザインやキャラクター、演じてる女優の演技やアクションは良かったんだけど、このキャットウーマンの過去の話が少し説明的になってたのが勿体なかったです
それにキャットウーマンとバットマンのロマンスシーンがあるんだけど正直映画の雰囲気には合わなかったし蛇足してる感じはありましたね。
俺は映画とかでしか彼らの関係を知らないからコミックスではどうなってたか分からないけど、彼ら二人は付かず離れず、学園ドラマ風に言えば友達以上恋人未満のような関係性がちょうど良いのかなとは感じます。
だから二人で協力して戦ったり、たまにキャットウーマンが別行動に走ったりしてバットマンを無視する感じは観てて面白かったんだけど、ロマンス要素が加わると世界観に合わなくてせっかく集中してたのに現実に戻されてしまう感じは勿体なかったです
ちょっと不満点が個人的過ぎるのであまり気にしなくていいレベルの不満なので気にしなくてもいいけど、俺はそこの不満点が何点かあったから満足度としては低い感じです。
それでもバットマンの衣装は好きだし、俳優人の演技は最高だし、映像面でも素晴らしいなと思える部分は何点かあるから今までバットマンを知らなかった人でもこの映画でバットマン好きになるのは間違いないのかなと思います。
あとバットモービルね!!
バットモービルの登場シーンとエンジン音バリかっこよくなかった?!!
そのあとのカーチェイスも最高なんだけど、バットモービルがカッコいい!アイツだけでご飯3杯いけるけど栄養片寄るからちゃんとタンパク質もとる!!
◼️評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀😀|😀😀😀●●
10点中8点です
予告で「あの『ジョーカー』を越える」と聞いて期待はしたけど個人的には越えられなかったかな。けど『ジョーカー』のアンサー的な映画にはなってるからいいか。
そういえばジョーカーらしき人物も出てきたね。リドラーと最後喋ってたやつなんだけど、あれがジョーカーかはまだ分からないにしろ続けるなら俳優は誰なんだろう
はい、そんな感じで!
それでは!