◼️予告
◼️あらすじ
時代に取り残され過疎化に苦しむ孤島・猪狩島。島の青年・泉圭太が生産を始めた黒イチジクが高く評価されたことで、島には地方創生推進特別交付金5億円の支給がほぼ決まり、島民たちに希望の兆しが見えていた。しかし、小御坂睦雄という男の登場によって、島の平和な日常が一変する。小御坂の不審な言動に違和感を覚えた圭太と幼なじみの猟師・田辺純、新米警察官の守屋真一郎の3人は小御坂を追い詰めていくが、圭太の娘の失踪を機に誤って小御坂を殺してしまう。3人はこの殺人を隠すことを決意するが、実は小御坂は元受刑者のサイコキラーであり、小御坂の足取りを追って警察がやってきたことで、静かな島は騒然とする。
◼️ネタバレあり感想
『ノイズ』
筒井哲也原作の同名コミックを映画化した作品。公開される前から、藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介が出演すると話題になった作品です。
監督は『ママレード・ボーイ』『PとJK』などの廣木隆一監督です。彼の作品は恋愛映画を昔かなり撮ってましたが、結構キラキラ向きの映画じゃなくリアリティーある恋愛作品を作った先駆けでもあるから、かなり好きです
だから結構楽しみにしてましたが、正直に映画の感想を話すなら確かに面白い作品なんだけど、その面白さを最初から最後まで潰してた作品だったなと感じました。
島復興のために頑張る若者達が、ある日人を殺してしまい島のために復興を止めないために死体を隠すというコンセプト事態はかなり面白いと感じました。ただ死体を隠すだけじゃなく、ひとつの島という狭い空間の中の緊張感と時代に追い付けなかった島だからこそのテーマも盛り込まれてて素晴らしいと感じました。
大きな期待をされているし、島の復興のために色んな事を頑張ってはいるけれど、それが人を崩壊させる縛りになっていたり、気持ち悪い仲間意識があり外部を拒絶するから島が時代に追い付けなかったりと、島だけじゃなくて今の日本ならどこかでありそうな出来事だったから下手なホラーよりかは恐ろしいテーマだったし、面白いテーマだったと思います
ただそのテーマは確かに強いんだけど、それがあまりに生かされていなかったのはかなり残念でした。せっかく良い素材を手に入れたのに強い武器や防具にしないのと同じで、生かせたり面白くしようと思えたら面白くできたものをあまりしなかったのは勿体ないです
それを100歩譲ったとしても、映画全体がミステリーではあるものの、その肝心のミステリーがあまりにも簡単すぎるし予想通り過ぎて大体のバカでも分かります。なぜバカでも分かるかというと最初から臭わせてる感じがしたからです。
例えば松山ケンイチ演じるキャラクターが藤原竜也と黒木華のキャラクターは夫婦同士だけど三人は幼馴染みで、実は松山ケンイチが黒木華に昔から惚れていたというような臭わせを毎回してくるから終盤に松山ケンイチが黒木華をストーカーしていたり、藤原竜也をハメようとしていたのも特に驚きはしませんでした。
逆に臭わせておいて特に何も起こらなかった部分もありましたね。
藤原竜也と松山ケンイチと神木隆之介がDNA鑑定されます。詳しく言うと県警が神木隆之介に二人のDNAを持ってこいと言われます。その前に幼馴染み組がある出来事があったりする回想シーンあったり、県警が「ふたりは幼馴染みか?」と意味深な事を言いますが、特に神木隆之介がDNA採取したりするわけでもないし、そのあとのDNAの話しもどこかへ消えます。たぶんこの話しは早めの春休みでUSJに行ったんだと思います。マスクしろよ
神木隆之介が口滑らしたり嘘をつくのが耐えられなくなったり、松山ケンイチも色々とこんがらがって頭抱えたりはしますが、藤原竜也は警察の前だと普通に臨機応変に対応したり、普通の生活してたりしてました。これがかなりおかしかったです
例えば藤原竜也が実は殺した殺人犯と何かしらのグルでそうやって平気で嘘をついたり、平然と普通を装ったりするのはまだ分かります。ただ最後まで見ると特にそんな事も全くなく終わり、じゃあ藤原竜也が警察の前で平気で嘘をついちゃったり普通を装いすぎてるのが逆に可笑しいし、巧みな技を披露した割には死体前やバレそうになるとオドオドしてて、それが余計おかしくなってます。一旦記憶を家に置き忘れたのかなって感じで
あとなんで序盤の捜査で藤原竜也が「こんなやつ雇ったらヤバかった」みたいなこと言ったんでしょうね。働いてくれる人を募集はしてるにせよ顔や名前をまだ観たことないから知らないはずよな?貴方その前に嘘付いて殺人犯の顔写真みたら「知らない」って言ってたやん。ガバガバやん
たぶん色々と漫画から引っ張ってきた部分もあるとは思いますが特に説明されずに勝手に制作側が消化されても見ているこちらは消化されないから、何が起きてるのか理解不能になっても可笑しくはないんですよ。引っ張るのはいいけど、それを上手く使ってくれないと
だから序盤の台詞「ひまわり見たから、皆で遊園地に行きました」って言うのも終盤で何回か使われてて、なんか深いことやこのストーリーを締めくくる何かしら付いてくる台詞かなと思いましたが、特にそれもなくてただただそれっぽく言いたかっただけにしか聞こえませんでした。あれなんなんでしょうね
あと大抵は向日葵見たから遊園地に行く気分にはならないと思います
キャラクターも結構酷かったように感じました。藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介、黒木華はいつも通りの可もなく不可もない演技でしたが、別に見ていて気分悪いなとかにはならなかったし、アニメっぽい演技はしてなかったように感じました。あと殺人犯役の人も結構良かったです
ただ他のキャラクターに関しては漫画原作だからというのもありますが、アニメっぽい演技が満載でしたね。町長の中盤のシーンなんてスタンガン持ちながら「私サイコ演技してますよ~」感だしてるし、町の発展を見に来た役所の人もなんかアニメのウルサイモブキャラみたいだったり、県警の男性も「こんな警察いたらかっこいいよね」って感じのなにか食べながら捜査してる警察だったり、リアリティーある映画にしたいのか、フィクション感ある映画にしたいのか、ふり幅があまりにも微妙なんですよ
それにストーリー事態も結構ツッコミ部分満載でしたね。最初殺人犯を島に送った人が殺された際も、その殺された人が「優しかった」とは言いますが正直言って「バカな人」にしか見えません。仮にも刑を終えても元殺人犯だから後部座席に座らせずに隣に座らせるか、手錠とかはさせときますよ
中盤あたりからも3人が死体を隠すんじゃなくて、島全体の人も巻き込むかたちになったのはまだいいけど、良い感じに良いタイミングで殺人現場を見ちゃった人達に土下座で頼んだり、役所の人にも藤原竜也がスライディング土下座して協力願ったりと笑わせに来てるのかと思いました
あ、けどあるおじいさんと町長の殺し合いは何故か笑えましたね。タランティーノ作品みたいで笑えました
ラストの藤原竜也と黒木華が面会するシーンも松山ケンイチが黒木華に対しての好意を理解してれば、こんなことにならなかったのにねと言いますがそれは違うで工藤!
普通に押し返して事故で殺しちゃったなら相手が殺人犯なんだから「正当防衛」って言っておけばまだこのキャラクターの罪は軽くなったし、可笑しなことにはならなかったちゅう話や!
だからあのふたりしてウェンウェン泣いてるのも「それなんの涙?」って思いましたからね
あと一番ヤバかったのは子役の演技。藤原竜也と黒木華のキャラクターの娘ちゃんは可愛らしくて良かったけど、問題は回想シーンよ。
台風のシーンかな?あの幼馴染み組の3人の子供時代の回想シーンで、藤原竜也の役をやった子役の演技があまりにも藤原竜也に寄せすぎてて笑うを越して引きましたよ。演技というより藤原竜也の真似を少しした感じでしたからね。あと全体的にあの回想シーンが全部演技が臭すぎてて「なに見せられてんだ?」状態でしたよ
とりあえず『ノイズ』を全体的に評価するとかなり勿体ない作品です。良い作品になりそうなのに良い作品になれなかった可愛そうな作品だと感じました。監督のせいなのか脚本のせいなのかは分かりませんが、不満は多くとも廣木隆一監督の撮影スタイルや音楽の使い方など監督の良さが出ていました。
ただそれをふまえても大絶賛するほどではないかなと感じました。
◼️評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀●|●●●●●
10点中4点です
はい、そんな感じで!
それでは!