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映画『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』結局皆自分勝手 評価&感想【No.722】

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■作品紹介


公開日/2021年6月18日

上映時間/114分

監督/飯塚健

製作国/日本

■予告


■あらすじ

スキージャンパーの西方仁也は1994年リレハンメル五輪の団体戦で日本代表を牽引するが惜しくも金メダルを逃し、長野五輪での雪辱を誓うも腰の故障により代表を落選してしまう。悔しさに打ちひしがれる中、競技前にジャンプ台に危険がないかを確認するテストジャンパーとして長野五輪への参加を依頼された彼は、裏方に甘んじる屈辱を感じながらも、それぞれの思いを抱えて集まったテストジャンパーたちと準備に取り掛かる。そして五輪本番、1本目のジャンプを失敗した日本が逆転を狙う中、猛吹雪によって競技が中断。審判員たちは「テストジャンパー25人が全員無事に飛べたら競技を再開する」という判断を下し、日本の金メダルへの道は西方をはじめとしたテストジャンパーたちに託されることになる。

引用元:ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち : 作品情報 - 映画.com

■ネタバレあり感想

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『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』


1998年長野冬季オリンピックで金メダルに輝いたスキージャンプ団体戦を描いた作品ではなく、そのスキージャンプ団体戦を支えたテストジャンパー達を映した物語になります。


テストジャンパーというのは選手がスキージャンプで飛ぶ前に安全かどうかを確かめ、かつ積もった雪を削り選手が通りやすいように道を作る作業をする人たちです。つまり工場のアルバイトを人なら分かるとは思いますが同じような作業をやらなければいけない人によっては過酷な作業です。


そんな裏方の作業をする人たちがどのように選手たちを支え、日本選手に金メダルを与えたのかという伝記映画にはなりますが、予告の時点でかなり色々言われていましたね。まぁ今年が東京オリンピックやるのかやらないのかあやふやな状態ですし、この状況だからピリピリするのも仕方ないです


とりあえず良い部分をいうと裏方の作業をする人ならかなり共感できる部分が多い映画ではあったかなと思います。自分も声優を目指していたけれど、今では全く違う職種の裏方作業をやっていますがかなり共感する部分はあります。


「なんでこんなことやってんだろう」とか「俺はこんな所にいるはずないのに」とか思いながら作業していて、特に終盤とかなんて観客の歓声がない所か「いつまでテストジャンプしてるんだよ」とか言われる始末だったりと特に誰にも感謝はされないし、挙げ句の果てには「あれ今なにをやってるの?」と赤の他人に自分達がやっていることを否定されるような事も言われたりしていましたね。


そうした誰にも感謝されない淡々と同じような作業を繰り返す裏方の作業をしている人たちにはかなり共感できる作品だと思うし、その表舞台の人たちがなにも言わなくても家族や友人は応援してるよと背中を押してくれる作品になっているんじゃないかなと感じました。


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ただ正直個人的には良い部分はそこしか見つけられなかったです。ただ単純に嫌いと言うわけではありませんが、普通に合わなかった作品という感じではあったし、確かに良い部分はあるけど個人的には悪い部分が目立っていたなと思います。


まず最初に予告で嫌な予感がしたテストジャンパーを特攻隊のような扱いをして金メダルを取らせる部分。あれは各国の代表者が話し合った結果テストジャンパー25人が飛んで成功するという話にはなりましたが、一応テストジャンパーの代表者である古田新太演じるキャラがそれを止めたり「選手各々の命が優先」と語っていて、別にそこまで特攻隊的な流れにはならないような感じにはなりました。


ただあるキャラが「このままじゃ終われない!」とか「かならず成功させてみせます!やらせてください!」というから、そのまま日本の悪い癖である同調圧力によって結局皆やることになります。結局特攻隊がやりたくないけどある1人の発言によって泣く泣くやっちゃう的な流れになってません?


そもそも歴史を観ていくとまずこのオリンピックのスキージャンプをやるかやらないかっていう会議で他の国は「中断した方がいい」って言ってるのに日本は「やらせてくれ」と言っている始末なんですよ。それで映画の話に戻るとやめとけと言ってるのに「やりたい」「やらせてくれ」と言っている人たちも「日の丸の為や金メダルを得る為じゃない」と言っている。言っているけどその後「私たちのオリンピックをこのまま終わらせていいの?」と結局自分達の事しか考えていない。そのあとの2ラウンド目の日本の選手は愚か海外の選手を自分達がテストジャンプで成功したとしても、そのあとの人たちの人の事を考えたりしてないんですよ。


その映画の中で論争する部分も1分くらいだから、結局日本というのは自分達のことで精一杯という聞こえがいい言葉の反面、自分達の事しか考えることしか出来ないし人たちなんだなというようにしか見えなかったんですよね。


ちょっと自分に合わない社会的な話にはなっちゃったけど、どちらにせよ特攻隊的な形にはならなかったものの、審議した日本代表もテストジャンパーにせよ、選手に金メダルを取らせるというよりも、結局自分の中のワガママと自分勝手な行動で動いていて、他人に敬う気持ちが0%に等しいなという感じがしました。あくまでこの映画を見ている時の話です


それに選手なら兎も角、他の一般人が劇中あんなに金メダルを欲しがる態度はなんなんですかね。メディアも金メダル、家族も金メダル、他の人も金メダル金メダルとあの年だけで金メダルが流行語大賞になったんじゃないかと連発してましたよ。


何故にあの映画のキャラ達はあんなに金メダルを欲しがるのか。確かに日本人代表選手が金メダルとるのは嬉しいし、「この競技で優勝したのか!」という記憶には残ります。ただテレビで見ている俺らは何を得られるのか?なんか金とか名誉とか貰えるのか?それは選手くらいで一般人ら獲られるものは記憶くらいしかないから、劇中であんなに「金メダル!金メダル!」と言われると逆に気持ち悪いし、制作者はそんな目で俺らを観てたのかなと感じます


あ。そういえば話戻すけど日本の代表者が「これを獲らないとダメなんだ」ばかりに長野オリンピックがまるで日本の進出最後みたいな発言も気にくわないな。それこそ自分達のことしか考えてないやん。


映画のあれこれを言うととりあえずCGが酷いです。終盤の吹雪のCGはまだ良かったけれど、その吹雪のCGと選手が滑走する顔面アップのシーンは実写版『鋼の錬金術師』よりも酷いとは感じたし、吹雪なのにあまり雪が積もってなかったり皆の顔が濡れてないのも違和感あったり、下に付いたり観客席部分だけは何故か吹雪いているのに太陽光があったりとクソな実写化でもやらないような事がおきます


たまに実話に基づいてる割には脚色随分しているなという所もありました。特に小坂菜緒演じる女子高生がバス停で自分が何故テストジャンパーになったのか話をしますが女子のスキージャンプがオリンピックにないけどそれをオリンピックの競技にするのは分かります。ただそこから何故テストジャンパーになったのかという動悸はあまり見付かりません


それに実際に言ったのか分からないけど「ソウルとパッション」とか「ヒノマルソウルで行きますよ!」とかかなりリアリティーがない。それはモデルになった人に聞かないと分からないが、これが劇中だけの脚色でオリジナルの台詞ならTikTokの闇歴史になるダンスより恥ずかしい


それにこの小坂菜緒演じるキャラの父親がいきなり寮に現れて帰らせようとしたり、帰らせたのにその後なにもなかったようになにもなかったかと思ったらいきなり観客席に洗われてテストジャンプしている小坂菜緒を応援したりする部分もかなり脚色館があるなと。この父親はアニメ版の『こち亀』のたまにやってた1時間スペシャル版の観すぎじゃないか?


演技面で言えば小坂菜緒はまだ観れるタイプの演技をしてた。ただまだ観れるタイプの演技をしているだけって感じ。たまに「これ誰かの演技を参考にして真似したんだな」って感じの演技をする。つまり演技の教科書があれならその通りにした感じ。


田中圭に至っては他の人が言うほど酷くはないとは感じたが、 ただたぶん細かい喜怒哀楽の演技が出来ていないんだろうなとは思った。
逆に言えば古田新太や心配だった山田裕貴はかなり良くて特に山田裕貴のキャラはかなり愛着湧いた。実際ああいう奴いるなって感じしたもん。てかいたんだよなぁ。


とりあえずこの作品は個人的には周りや大切な人がいるし、それを思えば頑張れるはずだよと教えてくれているのにも関わらず結局全体的には自分の事しか考えてない人たちが頑張っているというような作品でした。


確かにもうこの時代自分の事しか考えられないような世の中だけし、特攻隊レベルで他人を思えとも言わないよ。ただ少しくらいはあやふやにしないで、少し他人を思う希望は残して欲しいなとは思いますよ。


とりあえず俺は「家族を思えば頑張れるはずさ」と歌ってるワークマンのCMを観ますね。

この曲聞くと元気になれるんですよー(社畜脳)

■評価

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最終評価は・・・





😀😀●●●|●●●●●

2/10です。



世間的な評価は高いからとりあえず見に行くのはいいかも知れません。ただ予告であまり気が乗らないようなら観る必要もありませんがね





はい、そんな感じで!


それでは!