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映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』スパムの宣伝と感動狙いならわざわざこの作品使うな!評価&感想【No.715】

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■作品紹介


公開日/2021年1月8日

上映時間/101分(1時間41分)

監督/光野道夫

製作国/日本

■予告


■あらすじ

ある出来事をきっかけに結びつき、年に1度集まっている3組の夫婦と1人の独身男性。今年も楽しい時間を過ごすはずだったが、1人の参加者の発言をきっかけに、それぞれのスマホに届く全てのメールと電話を全員に公開するゲームをすることに。後ろめたいことは何もないと言いながらも、実は全員が絶対に知られたくない秘密を抱えており、自分のスマホが鳴らないことを祈っていた。スマホに着信があるたびにパーティは修羅場と化し、事態は予測不能な方向へと転がっていく。

引用元:おとなの事情 スマホをのぞいたら : 作品情報 - 映画.com

■ネタバレあり感想

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『おとなの事情 スマホをのぞいたら』


オリジナル版のイタリア産映画から始まり数々の国がリメイクをして今では最も多くリメイクされた映画としてギネス記録に輝いてる映画。そんな作品を余所見はせずに自分達もリメイクしようとした邦画。この判断が良かったか間違いだったかは製作陣にしか分からないが、見ている自分からしたら明らかに間違いだったのは確か。


ストーリーは6人の夫婦と1人の独身男性合計7人の仲間たちが集まりパーティーをする。そんなパーティーの中「これから来る電話やメールを見せ合おう」というゲームが始まるがそこから関係性が崩れたり、キャラクターたちの隠された真実が浮き彫りされるというストーリー。
一応オリジナル版は鑑賞済み


まずとりあえず登場人物紹介で「あ、これはダメなやつだな」と感じてしまう。とにかく序盤のキャラクター紹介がダサい。福田雄一監督でも絡んでるんじゃないのかという名前と仕事とどんな人かをテロップで納めるキャラクター紹介。まだやってたんだ。こういうの


そんで夫婦が登場する旅に婚約指輪がキラーンと光る。なんなんその演出?ダサ。
そして出てくるのがあまりにもデカイ月。都会であんなデカイ月見たことねーよってくらい月がデカイ。あまりにもデカイ。もうセーラームーンもバックにするには「いやでかくね?」と引くくらいデカイ。


もうこれだけでダメな部分が沢山出てくるからクソな邦画を見たい方は1900円は安いものだと思う。それ以外の人はかなり損したと思う。もうそれは金はあげられないが同情するしかない
てかなんで日本の映画って月をあんなにでかく見せたがるんだろうね。もうそれは本当にセーラームーンに憧れてるか、『ムジュラの仮面』のやりすぎ


そして一番気になるのはこの紹介の中である家族の子供たちがゲームをやるシーン。まずあんなつまんなそうなゲームはなんなのかってツッコミはさておき、ゲームをプレイする際の子供の台詞が「いけー!いけー!」しかいわない。何が行くのか


これゲームをやってる際ずっとなんですよね。他の台詞を言わずに「いけー!いけー!」ばかり言っていてあまりにもリアリティーがない。普通なら無言でやるか、雑談しながらやるか、「おまえなんでそこ攻めないんだよ」とか文句言うかなんですよ。しかも母親が前を何回テレビの前通っても「みえないー」とか「じゃまー」とも言わない。ただひたすら「いけー!いけー!」という。もうロボットやん


これに関しては子役の引き出しのなさというよりかは監督の演技指導が全くなってないというのが正直な感想ですし、「とりあえずこれだけ言わせればいいか」という適当さも見えてしまう。子供に対しての適当さがよく見えてしまう部分でもあるし、これだけで製作陣がどれだけの真剣度で映画を製作してるのかも分かってしまう。


とにかく子役の演技の予定調和もそうですが、この映画は本当に俳優の予定調和がひどい。結構いい俳優を揃えてはいるんだけども正直良い演技をした人は誰もいない。あの東山紀之も。


全員が全員アニメのような演技をしていて、しかも登場する役者はもう良い歳した人たちだから余計アニメのような演技をされると見ているこちらが恥ずかしくなる。
ある女性キャラクタースカートの中を見せるシーンも半分以上がわざとらしく目を瞑るシーンがあったり、隠し事の話もわざとらしく隠したりする。皆で同じ台詞でタイミングよくツッコんだりするのもかなり予定調和過ぎる


もうコナン君ところか毛利小五郎ところか元太ところかなにも関係ない猿でもわかっちまうわざとらしい説明という名の演出をしてしまう。だからつまらない。なにを見てもつまらない。


たぶんこうなるんだろうな、あれはああだろうなということがわざとらしく演技や演出で説明され、最後までストーリーを知る俳優たちもそれを匂わせる未来を予測する演技つまり予定調和な演技をするから本来の映画の看板である「スマホというブラックボックスで壊れる人間関係とその怖さ」というのが破綻している。もう次に何が起きるか分かるんだよ


それに話の内容も内容でツッコミところ満載なんですよね。オリジナル版は話の内容忘れたけど面白半分でスマホゲームを始めますが、本作はある夫婦のひとりの女性が「夫婦とは信頼しあえるし隠し事もないですよね?」「私はそれがあるか不安だから皆さんでやって証明してください」という。クッッッソめんどくさい女性の個人的な事情で話が進みます。てかそれが不安で夫と結婚したなら最初から結婚すんなよ


そんである夫婦の娘が「妊娠してなかった」という報告を父しか相談していなくて母親には話づらいと言います。
そもそも疑問なんだけど妊娠したら男性よりも女性とか母親とかに嫌でも相談しない?理解度的には男性よりも理解度はあるだろ。そんで「妊娠してなかったよ」という報告よりも「妊娠してるかも」の報告を母親には言わなくて良いだろうって決断が客観的に観ておかしい


いやすまんがここまでの段階で本当に製作陣人間が作った?って疑問に感じてきたよ


それに東山紀之とあるキャラが携帯を交換することになって東山紀之のキャラは同性愛者なんだが、その一方のキャラが同性愛者と勘違いされる。そのメッセージがいちいち動画なのも俳優を売り込むためにわざわざそういう動画でメッセージを送るというリアリティのなさに胸くそ悪くなるが、結局勘違いされた方は浮気してるから東山紀之を庇ったところで浮気を認めてるもんだから笑えないんだよな


つまり色々追加してる割にはそれ以上のことが起きないから見ていてつまらないし、起きることが予想の範囲内で収まる。例えば先の娘の妊娠も「妊娠していました」ならさぁここからどうなるんだと話にワクワクする。それがないし、トラブルが夫婦間や仲間内で収まってしまいそのトラブルの内容も浮気くらい。おい俺は昼ドラ見てるんじゃないぞ


せめて「実は人殺してました」とかくらいの展開も用意されてもおかしくないのにほぼ9割が色恋沙汰か浮気かなんだよなぁ。ここまで来ると観客に配慮して分かりやすくしたのか、それとも製作陣の発想力がまったくなく頭の中がお花畑と昼ドラの中で何とか思い付いたのがそれかのどちらかです。


そんで仲間内で関係がボロボロになり話はこのパーティーで集まった敬意についての話題になります。彼らは数年前に台風の中3日間ビルの屋上に逃げ込んで耐え凌ぎ知り合ったのが彼らで、それを忘れないようにパーティーを開いていました。


……………あれ?月食がメインだったのでは?



この生還の中でのパーティーに関しては一応ちょくちょく新聞記事でちょくちょく現れていたんですが、正直唐突だったし、なにより地震津波や猛吹雪なら話は分かりますが台風となるとそれに比べるとあまり緊張感がないです。いや確かに台風も危ないし土砂崩れもあったりはするけど、そんな3日間もかかるかなとは感じるんですよ。


そんでその思い出話を東山紀之がアイス食いながらまとめるんだが、「色々やらかしてるけど乗り越えなきゃいけない」「間違えたりするけどそれは生きてることなんじゃないかな」「俺今日来て分かったよ。みんな生きてるんだな」と。


だからそういうのは自分でオリジナルの作品をつくれって何回も言っとるがな!


なんで何も関係ないような作品をリメイクとかの形で自分の欲を吐き出そうとするんだよ!それは今この「おとなの事情」という作品を使わなきゃ伝えられないメッセージなのか?!急に話のテーマ変えやがってと思ったらテーマを壮大にしやがって!!


そもそものオリジナルが「スマホの中身を知って崩壊していく人間模様」をコメディって形で作り上げてるのに、ひとつの笑いも産み出せてないマシなドラマも作れない、リスペクトの気持ちも伝わらない何一つ出来てないこの作品が一気に壮大なテーマを持ち出すなよ。場違いにもほどがあるだろ


「あ、ちょっと有名だからこれ使って自分の伝えたいこと伝えよ」って作品を道具扱いしてるの丸見えなんだよ!!無駄に感動狙いにするのもある意味日本映画らしいなって思ったよ!いや褒めてないよ。
俺らは分かってないようで分かってるんだよ?客をバカにするんじゃねーよ


てかまた災害ネタでお涙頂戴じゃねーか!!


それに個人的になんだけどさ、なんでこの映画は男ばかりが悪者扱いなん?女性キャラクターも普通に浮気はしているし、オリジナル版もかなり容赦なく修羅場化していたぜ。それで「私何も悪いことしてませんが?」って顔で話続くし。この現代の配慮なのか?よく分からないけど


とりあえず演技も演出も脚本も全てダメダメな作品でリメイクという名の製作陣が有名な作品を使い自慰をする作品になり下がったものになってました。とりあえず残念なリメイク作品の一角だし、クソな邦画とはこういうことだよとお手本になる作品でした


■評価

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最終評価は・・・





😀●●●●|●●●●●

1/10です。



俺はDVDがリリースされたから見たんだけど本当に劇場で観なくて大正解な作品でした。DVDでも観なくても良いと思いますが唯一の救いは上映時間が短いのと主演が東山紀之だったことくらいの駄作でした





はい、そんな感じで!


それでは!