■予告
■あらすじ
完璧な容姿と知性、圧倒的な戦闘能力を持つ暗殺者エヴァ。彼女は完璧に任務をこなしながらも常に「なぜ標的たちは殺されるのだろうか」と自問自答を繰り返していた。ある日、エヴァは極秘の潜入任務に臨むが、組織から事前に与えられていた情報の誤りから、エヴァの正体に気づいた敵との銃撃戦へと突入してしまう。なんとか生き延びたエヴァは、自分を陥れようとしている存在を疑い、次第に組織に対して激しい不信感を抱くようになる。組織にとって危険因子となった彼女を始末しようとする殺し屋サイモンの魔の手がエヴァに迫っていた。
■ネタバレあり感想
『AVA/エヴァ』(原題:Ava)
皆さんはジョギングしたことありますか?ダイエット、健康作りや維持、体力作りは勿論学生の頃体育の時間でスポーツ前に走らされたり、持久走という科目で走らされたりした謂わば運動する上での基本的な体力作りをしてくれる運動です。
俺はジョギングの思い出と言えば高校は陸上部に入ってたから嫌というくらい走ったことと、ライトノベル『灼眼のシャナ』の持久走の時に鬼教師がバテてしまった吉田一美に説教するとシャナが割り込んで止めて「こんなことやって意味ありますか?」と渇を入れるシーンですね。さてこの話は一体誰が分かるんでしょうか
ちなみにジョギングが苦手な人はウォーキングから入って体力を作りフォームを学びそこから始めるのもいいですが、もしジョギングはおろかもう走り方さえもろくに出来てない運動が出来ない人が「可憐でどんな仕事もこなせる女性スパイ」を演じアクションをやりますよって聞いたらどうですか?いや、別に無理しなくていいですよと言いたくなりますよね。別に運動が苦手ならそんな無理にアクションしなくていいのにと思いますよね。それがこの作品なんですよ
結構この作品は主人公エヴァが夜ジョギングをするシーンがあるんですが、これがかなり固いんです。もう見てらんないくらい。時に背後から近づいてくるジョギングのフリをする暗殺者と比べるとエヴァのジョギングの仕方がどれだけなってないか素人でも分かります。
いやもう軽やかじゃないんですよ。肩の力は抜いてないし、腕はしっかり触れてないし、脚の動きも悪いし。そんで走ってるときは辛そうな顔しながら馬鹿みたいにスピードのリズムを保ててないし。だから「可憐な女性スパイ」というより「健康作りを最近始めた女性」にしか見えなくてホテル内で格闘の自主トレ見ても「リングフィットネスで体力作りしてるのかな」くらいにしか見えないんです
なんでここまでジョギングの話をダラダラしてるかって、説得力がないんですよ。劇中で40何人くらい殺したとは言ってはいるけどそのジョギングの仕方でよく40人弱も人を騙して殺せたなと思うし、彼女のキャラクターは元自衛隊という経歴の持ち主だけど元自衛隊の走り方かと疑問にも感じるし、本当に彼女は強いのかという疑問が出てきてあまりにも彼女の魅力に説得力がありません。
ジョギングの動きも重くて固いからアクションもかなり観ていて固いし重いです。正直観れたものじゃないです。ちょいちょい反応が遅いのも気になったし、とりあえず観ていて苦しいです。
さらにそれをダメにしたのがアクションの撮り方。かなり見にくいです。てか久々にこんな見にくいアクション映画久々な気がする。とりあえずカットは多いし、キャラクターに対してカメラの距離は近いし、かなりブレブレに撮ってて素人でも雇ったんじゃないかってレベル。せめて手振れ補正付けろよ
一番面白いのは序盤で確か拳銃を発砲した時に発砲と同時にズームしてズームしてズームしたんですよね。何を言ってるのか分からないとは思いますが何故かリズミカルにズームして余計観にくくなるという『キングスマン』が最悪な撮り方したらこうなってたんだろうなってやつを見せられます。羽鳥慎一でもそんなズームイン連呼しねーよ
とりあえずアクション目当てで観るとかなりガッカリはします。アクションは出来てないし、アクションの撮り方も最悪です。常にブレブレで何をやっているのか分からない状況ばかりだったし、そもそもアクションが形だけでやってる感があるんですよね
アクションも演技と同じで何故戦わないといけないのか、なんの為にアクションをしているのかというのも大事でそこに気持ちがあるからこそよりアクションに緊張感や応援したい気持ちが湧くんです。(良い例:『スターウォーズ』シリーズ『ジョン・ウィック』シリーズ)
ただそこに感情もないし、とりあえず教わって練習したアクションをそのままやってる感があって、キャラクターそのものがアクションをしているというより俳優が昨日徹夜して覚えたアクションを昼間やってる感じがこの映画にはありました。
ストーリーもストーリーでかなり残念でした。エヴァが暗殺するターゲットに対して殺す前に「なんで殺されるの?」とか「何か悪いことをしたの?」と問いただす部分があります。最初はそういう少し不思議系の暗殺者なのかなとは思ったんですがストーリー観ていくと割りと普通というか本当に暗殺者とかスパイかというくらい普通な女性だったのがまず驚き
たぶん「なぜ殺さないといけないのか」という人道的な部分で疑問を感じたのかも知れませんがそうした描写は一切ないし、なぜそんなことを聞き出すのかその理由や描写もないからとりあえずなんか馬鹿だなとくらいしか思えないです。
まだキャラが不思議ちゃんとか、自分が行ってる仕事に違和感を覚えて組織の裏を探るミステリー映画だったら許せるけど特に理由もなくその描写もなくてこんなこと言い出すなら新手のサイコパスです。新手のサイコパスなの?
そんでターゲットにいちいち問いただすなとか話しかけるなとか組織は言いますが矛盾してますよね。話しかけないとターゲットには近づけないし、色々問いたださないと得られない情報もありますからね。ターゲットに感情を向けるなとかってことかな。だとしたら俺はそんな風には見えなかったし、そもそも演技も上手いとは言えないから安心して良いよって言うね
会話もボロボロでしたね。特に会話が成立してないなっていうシーンはエヴァと黒人の元恋人(なのかな?)と対話するとき、その元恋人から
「君の事は今でも恋人だと思っている」
と喋ってから数秒話してエヴァがそっと彼の肩を触ると
「やめろ。今俺たちは恋人じゃないんだ」と言います。台詞は多少違いますがこんな感じで話してました。とりあえず言えるのは日本のクサイ恋愛ドラマ並みな駆け引きするなってこと
そんでエヴァはエヴァでその元恋人と妹と付き合うことに応援したいのかしたくないのか分からないし、そもそも妹役の女優がジェシカ・チャスティンの妹に見えるかと言われたら見えないし、元恋人が博打で借金した場所へ金を返すついでに敵をボコボコにするのも借金返すだけなら別に殺さなくていいからただ降られたエヴァの八つ当たりにしか見えないし、敵側に追われててしかも師匠も殺されて復讐心バリバリだったのに元恋人にいきなりキスして服脱いで「逃げよう」とか言ったりしててなんかキャラクターの気持ちが右往左往してるように見えるんです
そもそも暗殺者が仕事終わりに家族の元へ何度も脚を運んでそれで被害が出てもなんも同情はしませんよ。ジョン・ウィックみたいに殺し屋から手を洗って普通の暮らしをするために家族と暮らしたら殺されてまた殺し屋として動くみたいなら話は分かりますが、バリバリ現役の方が家族の元へ行くって敵とかに人質にとられたらどうすんだよ
んで生憎危機的状況になるから家族を遠い国に逃げてと妹に伝えて、「家族のことを考える殺し屋」という仮面を被ったただの迷惑な女性なんですよ。いや家族が狙われるかもしれない状況にしてるのは現役なのに普通に家族の元へ行くお前が悪いからな。それ現役人気アイドルが密かに付き合ってる彼氏を連れて実家へ挨拶しにいったら自分や実家にマスコミが押し寄せてきた状況みたいなもんよ。それ誰のせいってなるよな?そんな状況一度も観たことないけど
最後の最後も「あなたはなぜ殺されるの?」と不思議ちゃんキャラが復活して、カウント5秒で殺すと言って1秒で射殺するもう銀魂並みのギャグを展開してきたりしてラストでここまで来ると自由やなと感じたり
もう観てるとき近藤の気持ち分かったわ
そんでエンドクレジット入る前の終わり方も敵側の女性に付かれててなんかナレーションで湿ったく終わりましたね。とりあえず続編はいいや。
てかこの映画の殺し屋どんだけターゲットの背後に近づくの好きなんだってくらいこのシーン多くない?!お前ら『ドラゴンクエストモンスターズ』かよ!