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映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』2021年ベストの戦争コメディ映画だった!!評価&感想【No.709】

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■作品紹介


公開日/2021年3月26日

上映時間/105分(1時間45分)

監督/池田暁

製作国/日本

■予告


■あらすじ

いつの時代でもない、架空の町。この町は川の向こう岸にある町と、目的も分からない戦争を何十年も続けている。毎日、朝9時から夕方5時までが戦争の時間だ。町で兵隊として暮らす露木は、向こう岸から聴こえてきた音楽に心ひかれるように。そんな中、町に新しい兵器と部隊が来るという噂が広まり、彼らの生活は変化していく。

引用元:きまじめ楽隊のぼんやり戦争 : 作品情報 - 映画.com

■ネタバレあり感想

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『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』


時代が分からないある架空の町で川の向こう岸にあるもうひとつの町と戦争中の話。その架空の町に住み兵隊として働くひとりの男がある日楽隊に入る。そして自分の町に新しい兵器が入ってくるという流れを1日の流れを通してシュールに進んでいく映画


正直この作品は最初見るときはあまり好きじゃありませんでした。俳優は全員が棒読み演技だし、1日の流れを描いてはいるけど特に大きな展開もなくて、ただただ淡々と流れる感じがあまり好みではなかったです


ただこの映画の意図やメッセージ性が分かってくるとこの棒演技やシュールで淡々とした作風にもちゃんと意味があると分かってきて、最終的にはかなり素晴らしい作品であることが分かりました。今はかなり好きな作品だしかなりの掘り出し物を見つけたなと思っています


ただやはり好き嫌いは別れる映画です。先も言った棒演技をただただ「下手くそな俳優を揃えたな」と思うか「この演技にはちゃんと意味があったのか」と捕らえるかで映画の良し悪しが変わります。一応主演している俳優人は色んな作品に出ていてその人達の演技を知っているのであれば今回の作品の演技にもちゃんと意図があると分かるとは思います。


棒演技にしてるというよりロボットのような演技をしてるのも真面目に生活をして真面目に仕事をする何でも「はい」と言っている今も昔も変わらない日本人の性質を皮肉っているのかなと感じました
そしてそんな皮肉が散りばめられた世界観に個性的なキャラのシュールな笑いを繰り広げていてこれもまた味がありましたね


ただホラーとコメディは紙一重とはよく言ったものでそうしたシュールな笑いの中にはたまに見ていて怖いなと思う部分もあったりしたんですよ。現代だとあまり考えられないような昔の日本の皮肉ネタではあるとは思いますが怖さはあります。


例えばある男性が仕事帰りに奥さんが待っていて荷物を持たせて一緒に帰宅するシーンがあります。数日後その奥さんともうひとり女性がいてそのもうひとりの女性に荷物を渡します。理由はそのもうひとりの女性が新しい妻になったらしく、前の妻は「妊娠できないから新しい妻にした」と離婚の理由を話します


今ではあり得ないような理由な離婚の仕方でそれをシュールな笑いにして送るのがこの作品。ただ当時戦争中であればそうしたのが当たり前であり、その淡々とした普段の日常の中の当たり前に潜む昔の怖さを描いていたんだと感じます。


他にも楽隊の指揮者がひとりの女性をいじめててその女性が結婚が決まると手のひらを返したようにいいこいいこするようになったり、警察官が権力でただ食いしたり、自分で判断が出来ないから決められた資料で判断したりとかこうした怖さと笑いのバランスが絶妙に素晴らしいと思いました


なにより怖いのは向こう岸との戦争をしているのにも関わらず「なぜ戦うのか?」「何があったのか?」「そもそも向こう岸の町はどんな場所なのか」というのを全く分からずに戦争をしているという怖さです。


何も分からずに戦い何があって戦うのかも分からずに「あっちの町は怖いから」というふわふわした理由で9時から5時まで銃を撃つ。とりあえず言われたから撃っている。とりあえず書いてあるからそう判断する。そうした「とりあえず◯◯だから。上がそう言っているから」というしっかりしてそうでぼんやりした理由で動いているのは現代の社会にも繋がる部分だとは思います。


「あれが悪いから」「あの人がそう言ってたから」と言う理由で自分の目で確かめずに自分で体験せずにぼんやりした理由で人は動いてしまってる。とりあえず「今日も頑張りましょう」で真面目に生きている。だから何も考えない生真面目という名のなんでも命令に従うロボットになってしまう。それを表したのがその棒演技の表現だったんじゃないのかなと思います。


そうしたぼんやりした中で戦争をする中で向こう岸の人達は悪くないし怖くもないというのを知り終盤ロボットからの脱出をしたのが主人公と向こう岸へ渡ったキャラクターでしょう。主人公は向こう岸にいる女性と毎日トランペットでセッションしていく中でそうした気持ちが生まれたんでしょう


だからこそ様々なメッセージが含まれてからのラストの主人公のトランペット演奏シーンは名シーンだと思うし、この棒演技演出を何故やらなければならなかったのか最大のもうひとつの理由が分かります。何故なら映画で唯一感情的になるシーンでもあるからです


ラストについては是非観てほしいからあえて言いませんが、なんでもぼんやりに判断してしまう人の怖さと滑稽さ、それが戦争にも繋がる人々の歴史などが降り混ざってかなり説得力のあるシーンだとは思うし、他の戦争映画では絶対に出来ないまた違った形の戦争映画だなと感じました。


もう終わりですけど最後に映像もかなり面白味があったのも伝えときたいです。常に同じようなシーンではあるんだけど、どこか芸術的で計算された撮り方だったなと感じました。なんかウェス・アンダーソン監督作品を観てる気分にもなれましたね。


■評価

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最終評価は・・・





😀😀😀😀😀|😀😀😀😀😀

10/10です。


とりあえず個人的には今年ベストは間違いない戦争映画です。ただやはり好き嫌いはかなり別れる作品ではあるけれど、ひと味違った作品ではあるので一度観ることはオススメします





はい、そんな感じで!

それでは!