■予告
■あらすじ
いまから1800年前、中国大陸では中華統一をめぐって「魏」「蜀」「呉」の三国が群雄割拠していた。そんな世に、民の平穏を願う武将・劉備が立ち上がる。劉備ら各国の武将たちは激動の時代を駆け抜け、やがて魏軍80万と蜀・呉連合軍3万という、圧倒的兵力差が激突する「赤壁の戦い」が巻き起こる。人々を憂い、人望も厚い人物として知られる劉備だが、実は……。
■ネタバレあり感想
『新解釈・三國志』
いまやコメディ映画の巨匠になりつつある福田雄一監督の最新作。本作は中国の長い戦国時代を描いた三國志を新解釈として映画化した作品
映画館というのは本編が始まる前に次公開される予告が流れるわけで、この作品の予告で流れるムロツヨシの「ネバギバ★」がイラつかせたわけではないけど多くの映画ファンをイラつかせたのは有名な話で。とりあえずその地獄が終わってよかったねと俺から言っておきます。
世間的には福田雄一作品は評価は高いけど映画ファンからは評価低めというイメージ。そんな福田雄一作品の『新解釈・三國志』は楽しみにはしてたし、『真・三國無双』などのコーエーテクモゲームスはプレイしていてそれくらいの知識しかないです。あと俺の三國志好きなおじさんから話を聞いた程度かな?ちなみに好きなシリーズは『真・三國無双6』
ハッキリとした感想を述べるなら。一度はクスッと笑いました。ただそのクスッと笑える部分を除くと他は全く笑えないし、とにかく「つまらない」という時間が2時間続きます。続いて続いてやっと終わった福山雅治の主題歌『革命』が流れた瞬間この主題歌の素晴らしさを改めて感じる作品。つまり福山雅治の主題歌をより盛り上がらせる為の作品と俺は感じました。
三國志に関しては無双シリーズくらいしか知らないから声を大にして映画の忠実度云々の話しはできませんが、「三國志は色々と解釈があるけど、私たちはこう思いますがいかがでしょうか?」という歴史という謎に関して個人の考えを追求しこうだったんじゃないかというそのコンセプトは良かったと思います。
しかしそのコンセプトが生かされたのは赤壁の戦いの諸葛亮が考えたある知恵は実は諸葛亮の妻だったのではないかというだけで、他は三國志のダイジェストを見させられてる感じです。なんかNHKでやってた三國志のドラマたちをまとめてダイジェストにして、赤壁の戦いは映画の為に使用したノリに見えるというか
なぜそこだけ映画の良いコンセプトを生かされてないのかが疑問なんだですよ。他の歴史的戦いも勢揃いのはずなのに、「世間的にはこういうことで知られてるが実はこうだったんじゃないか」ってのは出来たはずでしょ。
とりあえずコンセプトは考えてアイデアはひとつは出たけど他考えるのがめんどくさかったか、もう出ないからこのまま行こうってしっかり考えて作られたような感じはしないというか。劉備みたいに酒の勢いに任せて作った感じがしてしまって、もうこういう部分で映画のコンセプトが丸つぶれだし、確かに勢いとかも大切だけどちゃんとそこから考えて作ってほしい気はしました。
演技について話すと演技は別に悪くないです。悪くはないんだけど、大泉洋は劉備というより大泉洋だし、城田優は城田優だし、渡辺直美は渡辺直美だし、キャラクターというより俳優の個性が強すぎてそれが隠しきれてないんですよね。つまり十何人も「藤原竜也の演技が藤原竜也」現象になってるんですよ
そういう意味で一番キャラクターとマッチしてたのは魯粛役のは半海一晃でしたね。他のキャラクターはキャラというより「あ。小栗旬だ!」とか「山田孝之がまたふざけてる!」くらいの感覚しかなくて、新解釈な三國志を楽しむよりも三國志の衣装を着た俳優たちがふざけてるのを観て楽しむような感覚になっていたんですよ。だって沢山のキャラが表面的なキャラばかりで中身がない奴らばかりだからそりゃあ俳優の個性が勝るわけよ
あーけど褒める部分をもひとつ言うなら橋本環奈が本作も可愛かったのは確かだけど、それよりも椅子に座って足プラプラさせたり笑いながらからくり人形みたいな動きをする佐藤二朗が可愛かったりや、なんか知らないけど終始可愛いが続く動作や喋り方をするムロツヨシが可愛かったり、おじ様俳優が可愛いが撮されてたのは褒めポイント
肝心のコメディシーンに関しては正直序盤はニヤニヤしながら笑ってましたし山田孝之のシーンはクスッと笑ってました。ただそこからもう笑えなくなるんですよ。確かに人によっては笑えるポイントはあるかも知れないけど、なんかもう福田節が炸裂したり他の福田監督作品でも見たギャグだから見飽きたというか
お笑いコンビが漫才やコントをやってて、そのギャグが滑ってしまい見ているこちらも恥ずかしくなるときありますよね?あれが2時間続きますからね。もっというとあまりにも笑えないから逆に見ているこっちが笑わせる人にがんばれと応援したくなる気持ちありますよね?あれがもう後半あたりでその気持ちになります。
まぁいつも同じネタばかり使いますからね。変顔、叫び、グダグダした喋り方。別にそれも悪くはないんですがやはりもう「福田雄一」という監督名が出されたら何をやるか分かってしまうし、なにもギャグが進化しないから何も目新しさがない
公式のコメントとか観ても「福田雄一が笑ったら…」とか観客の目線で笑わす為というより福田雄一をとりあえず笑わせようって考えになるから福田監督の好きなギャグや好きな面白いしか集まらなくなってどんどん万人受けするギャグが減るんですよ。確かに監督を笑わすとか、監督が面白いものを公開する気持ちも間違いではないけど、それよりも作品を提供する上で大切なのはどの商売でも同じでお客さんを楽しませるということなんじゃないんですか?
それが出来てないから観てて冷めるし、また監督の自慰作品じゃないかって感じるんですよ
けどね渡辺直美のギャグで笑う人もいれば、賀来賢人の勢いで笑う人もいましたから全員がここで笑うポイントはね、あまりないと思う。
だから俺的には自分の笑ってしまうポイントや笑いのツボを探す為の映画として見に行けばまだ時間の無駄と思わずに済むのかなとは思います
そんな流れでエンディングは福山雅治の『革命』ですよ!2時間耐えきった我々に甘いボイスと胸に響くサウンドを4分だけではあるものの癒しを与えてくれる最高なエンディング!
……と思いたかったんですが。うん。あのーたぶんこれが個人的な一番の不満点
エンディング曲の音響が悪すぎる!
これ俺が入った映画館悪かったのかな?座った席が悪かったのかな?いや、『ゼロの執行人』を見た劇場と同じだしシアターは違えど席は同じ場所ではあるし。何故こんなにサウンドが悪い?何があった?
これ自分が好きなアーティストだとよりサウンドの違いって分かるもんなんですね。銅鑼の音は薄いこんにゃくを叩いてる感じ、ベースは響かん、なんか全体的に薄い感じがする。あれ?俺がスマホで聞いた時はそれとは逆でもう中国大陸が頭の中で広がる感じがするのに…。なんでなん?
劇場で同じ感覚を持った皆さまはご安心ください!この楽曲が含まれているアルバム『AKIRA』は最高なサウンドで、最高な曲たちが勢揃いしています!是非劇場で聞いて気に入ったのであればお手にとってみてください!
■評価
最終評価は・・・
😀😀●●●|●●●●●
2/10です。
ここで大正コソコソ噂話!福山雅治が『革命』製作時に映画制作者サイドから「曲の始まりをコナンの主題歌『零 ZERO』みたいなカッコいい始まり方でお願いできますか?」と言われたららしいですよ。
一応お正月映画とは言われてますが確かに笑い納めや初笑いには最適な作品かもしれませんね。年末年始の時間を無駄にするのがいいのであればね
はい、そんな感じで!
それでは!