■予告
■あらすじ
終末期の患者ばかりが次々と不審な死を遂げる事件が相次ぎ、捜査に乗り出した刑事の犬養と高千穂は、依頼を受けて患者を安楽死させる「ドクター・デス」と呼ばれる医者の存在にたどり着く。しかし、そんな矢先、重度の腎臓病に苦しんでいる犬養の一人娘の沙耶香が、ドクター・デスに安楽死を依頼してしまい……。
■ネタバレあり感想
『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』
綾野剛と北川景子主演のミステリードラマ映画。とにかく予告で綾野剛と北川景子がこれでもかと野外で大騒ぎする大迷惑なYouTuberみたいに叫んで暴れるといったことで個人的に大注目された本作。コメディだと思ったらミステリーなんですね。いやコメディみたいなもんだけど
さらにYouTubeの予告で「犯人は複数いる」と軽くネタバレをするという映画公式のドジっ子属性も知れる本作だがそんなの欲してないんだからね!(突然のツン)
そんな様々な展開を予告の時点で織り成す本作一体どうだったかというとまぁ当然クソなわけで。クソとは言ったけど予想してたクソさではないというか、まぁなんていうか消化不足なクソ映画だからクソ映画をこよなく愛する我々からしたらあまりにも残念ではあるんだよね。だからこの作品は「クソな内容なんだけどクソになりきれなかった映画」と言っておこう
何故こんなことを言うかと作品を二時間観ても何も得られないんだよね。心は踊らないし、胸くそ悪くならないし、二人の主人公を好きにもならないし、犯人の動機も共感はしにくいし、だから何も得られないまま2時間を浪費する形になってるんだよ
良く言えば誰もが考えずに楽しめる作品ではあるんだけど、悪く言えば何も印象に残らないまま製作陣も何も挑戦をしないままで普通という逃げに入った特に作品の愛も感じられない作品に仕上がってるんだよね
とにかく最初の子役が電話で警察に通報するシーンから子役の演技の下手さに脱毛するし、別に時代が少し昔とかじゃないのに何故かこのご時世公衆電話から通報します。スマホとか家の電話でもいいのに逆に父が死んでる状態で絶滅危惧種の公衆電話を探す方が大変ですし、急いでるわりには雨のなか傘をさして雨対策する余裕を見せていてこの序盤1分でツッコミシーンが沢山あります。
そこからシーンが映り変わって綾野剛が子供と遊び、仕事だから連れ戻しに来た北川景子。そこからオープニングに入りますがこれがまたダサい。まるでドラマのオープニングの入りで始まるから勘のいい人は「あ。これダメだな」と気づきます。しかも二人のキャラに関しては初めましてなのになんか知りませんが「あのコンビの物語が映画で始まるよ」と『相棒』と勘違いしたかのようなノリで始まるんですよね。いや知らねーんだよ
さらに火葬する前の死体を無理矢理調べるからという理由で持っていったり、それが父の死に悲しんでる子供のためみたいな感じで綾野剛が謎の正当化で押し付けたりしたり、また人が入った棺を二人で持つのは『銀魂』の銀さんと土方くらいしか出来ないからもうそれだけでリアリティーはないしでどれだけ視聴者にツッコミさせたいんだと
そこからの捜査しますよって話し合いのシーンでも演技の下手な役者が二人と、女性警官で警察としてどうなんだっていう髪型をした人とか、あと無駄に扇子でパタパタ扇ぐ古くさいキャラ、映画のセットも平成初期の警察ドラマかよってくらいの安いセットだったりしてます。
とりあえずもうこれだけツッコミ所満載でかなり観てて疲れてしまうというか、もう呆れてきて逆に笑えるというか。俺はもう真顔で観てたんですが結構ヤバイし今話した部分だけでたぶん10分くらいまでしか経ってないんじゃない?
捜査も捜査でただただ聞き込みしたり話を聞いたりするだけで、それがかなりスローな進行で進むから眠くなります。眠くなる時に綾野剛が叫んできて起きるので綾野剛ファンにとっては嬉しい目覚まし時計になってますね。
特に犯人の似顔絵の捜査は笑いましたね。話を聴きながら似顔絵が5枚それぞれ違う顔だけど北川景子が「最初の発言は必ず嘘をついて、後半から気が緩み本当の情報を言う」的な発言をします。それで書いた警官に話を聞きパズルのように組み合わせて本当の犯人の似顔絵を完成させるというシーンがあります。
なんだろう。とりあえず似顔絵を書く人とは別に書記係りとかいなかったのかな。その人から聞いた方が早くないか?そんで完成した似顔絵を確認させたら「間違いない。この人です」とそんな奇跡みたいなことが起きたりして。これ流石に「は?」って言っちゃいました
ツッコミところも満載な映画ですが、映画の細かい中身も正直呆れる部分は多くあります。
まず綾野剛と北川景子。バディものになるはずがいまいちバディ物になってないというかフリきれてませんでしたね。かなり絆が強いように見せてるようで、二人に絆があるという感じはあまり見えませんでした。
別に凸凹コンビではないし、あまり二人の会話シーンを聞いてもそれぞれがお互いを信頼してる感じもなかったり、なぜ二人がコンビを組んだのかとか二人がお互いを知るきっかけとかも話さないから、とりあえず仕事だから一緒にいる軽い感じにしか見えませんでした
一応予告でも頭脳派No.1とかそれぞれのキャラを宣伝してましたが劇中そういう説明もされないし、特に彼らがNo.1と言われるスゴさっていうのも伝わらないんですよ。なんか普通の刑事って言う感じにしか見えない
あと個人的に綾野剛の演技って好きじゃなくて本作もそれが現れたっていうか。娘を持つシングルファザーには全然見えなかったし、あまり彼の刑事としてとかNo.1と言われるスゴさがあまりにも見えなかったし、特に怒るシーンなんかは最悪です。演技が下手な人がやりがちなんですが怒る時常に声を絞るんですよ。怒りって吐き出すタイプと何かしらの理由で抑えなきゃいけないタイプとかあるんですよ。ただ彼のやってた怒りの演技は吐き出すというよりただ叫んでるだけだし、抑えるというより藤原竜也を意識した絞りこんだ声になってたりして。
北川景子も叫ぶ時は叫ぶだけでその叫ぶにしても理由とかあまり感じられず、とりあえずその熱さに惑わされて叫んだのかなくらいの演技をしているんですよ。だから綾野剛と北川景子の演技を熱演かと言われたら別に熱演じゃなくて誰でも出来る叫びをやっただけくらいのレベルなんですよ
ちなみに北川景子が綾野剛に腹を殴られるシーンがありますがあれ予告観たときから下手だなと思って。
あの腹を殴られた人なら分かりますが腹を殴られたら目なんて瞑らないんですよ。目は見開くんですよ。その後うなされながら喋ってるんですがまず吐きそうになるくらい嗚咽するし喋る気力なんて一時的ですがありません。これに関しては中学の時腹を何回も殴られたから観てて違うのが丸っきり分かりました
映画のテーマである「安楽死」もただの犯人の動機の一部で終わるのも最悪でしたね。
犯人は何人も殺してきてはいるけど痛みは与えてないし、犯行も殺された人の同意があって殺してはいます。そこからじゃあ犯人のやり方は良いのか悪いのか、正義云々の話にも盛り上がるはずなのにそれをしませんでしたね。
遺族が犯人をかばったりしたり、生きるのも死ぬのも平等だとか話したり、結構上手くやればかなり考えさせられる内容にもなったんじゃないのかな。「安楽死」もさ、あの実際の事件もそうだけど人間以外の問題で動物を安楽死させて死なせるのもたまに問題になったりするじゃん。かなりテーマ的には良いんだよ。それを深堀せずにただ「安楽死」を殺人の動機にしてるし、結局犯人も快楽の為って言うね
じゃあ犯人がそこまでやる理由だとか過去に何があったのかとか少しは共感するエピソードあるのかなとは思いましたが、それさえも話さないでただの殺人者で終わると言うね。もったいないよ。
うん。もったいないよ
それにこのブログでは話しませんが犯人も誰がやるとかシークレットの俳優がいたりしてて、結局犯人もすぐに誰だか分かるしシークレットのキャストで消去法で考えたらすぐに分かるんですよ。あまりミステリー映画でシークレットキャストとかやらない方がいいかもね
個人的にじゃあその人が犯人でシークレットにするレベルの衝撃かと言われたら別にそのレベルではないというか。確かに演技は良かったけど殺人鬼としての役柄ではあまり衝撃がなかったというか。これでもしあまり殺人鬼とかやらなさそうな橋本環奈とかだったり、ベテランで佐藤健とか福山雅治とかだったらかなりインパクトはありますけどね。
とりあえず話したこと以外にもツッコミ満載な部分がありそれをツッコミながら観るには最適かなと。だから俺は逆に家でビール飲みながらツッコンで楽しむ方が合ってた作品なのかもしれませんね。
それでも演技の下手さ、カットしても良いような無駄なシーンの多さ、スローでテンポな悪さ、音楽などの様々なダサさなど正直真顔になってしまう部分も多くありました。それにテーマは良いのにそれを生かしきれてないのも勿体ない分かってはいたけど残念な作品でした
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀●●|●●●●●
3/10です。
あけどこの映画にもひとつ勉強になったことひとつありましたね。ホッピーのマドラーを瓶の中に入れて飲んで良いんですね。あれ置場所悩んでたんでその方法知れたのはありがたいです。
はい、そんな感じで!
それでは!