■予告
■あらすじ
戦時中に兵士として育てられ、愛を知らずにいた少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業を通じて、さまざまな愛のかたちを知っていく姿を描く。人々に深い傷を残した戦争が終結して数年、世界は少しずつ平穏を取り戻していた。新しい技術の開発によって生活も変わり、人々は前を向いて歩み始めた。ヴァイオレットも大切な人への思いを抱え、その人がいない世界を生きていこうとしいてた。しかし、そんなある日、一通の手紙が届く。
■ネタバレあり感想
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
京都アニメーションによるテレビシリーズ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の劇場版になります。外伝をいれると映画版はこれが二作目になります。一応テレビシリーズはNetflixで配信開始から観ていました。外伝は未鑑賞になります。
あの京都アニメーションの火災事件で当初の公開日から延期してそこから公開日は決まったものの、コロナの影響でまた延期になりやっと9月に公開できました。とにかく無事に公開できて良かったです。大変な日々だったとは思いますがお疲れ様です。そして公開していただきありがとうございます
今回もあまり考察らしいことはしません。俺が観て率直に感じたことをまとめて話していこうかなと思います。
たぶんそれっぽい話しにもなるかもしれませんが大したことは話せないし、かなり解釈違いな部分もあるとは思いますがとりあえず聞いてくれたら何よりです。
ちなみにネタバレありで話しますので未見の方は観賞後の閲覧をオススメします
◇声優の演技
テレビ放送版に続いて相変わらず声優の演技が素晴らしいです。とにかくメインキャラ含めてほとんどのキャラクターが声優の演技に合っていたし、もう一度キャラクターの人生を経験してるんじゃないかってくらいの演技力でした。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン役の石川由依の演技は本当素晴らしいです。ひとつひとつが繊細だったし、感情的なシーンに関してはかなりリアリティはあるしでもうこれに至っては石川由依の力量と演技指導がしっかりしていたんでしょう。終盤の海のシーンに関しての演技に文句いう人はたぶんこの世で誰ひとりいないと思います。
個人的に子安武人の演技は圧巻でしたね。毎回ネットでネタにされていますが改めて彼の底力を見せられたというか。ある島でギルベルトに「大馬鹿やろう」と叫ぶんですが、あの叫びはもうただの叫びじゃなくてかなり複雑な心境での叫びというか
ヴァイオレットを娘のように可愛がってた彼がやっと彼女が会いたがってたギルベルトに会えなくて悲しむ姿を観てしまい何故会おうとしないんだという気持ちもある中、ギルベルトがなぜ会おうとしないのかという気持ちも分かりながらの複雑な叫び。これをひとつの台詞で全てぶつけるのはもう凄いとしか言いようがないです。
だからこの時点でも映画を観る価値は十分にあるし、改めて声優って素晴らしいなとか素晴らしいけどやはり演技力が問われる難しい職業だなと再確認しました。
ただ一点だけ。これは映画の中の唯一の不満点で。ある子供のキャラクターがいるんですが、アニメーションは素晴らしいし動きも素晴らしいんだけど声優の演技がなんかわざとらしい演技をしていて。
かなり自然的な演技をする人たちが集まる中でひとりだけわざとらしくアニメアニメしていた演技をしていたからかなり浮いているんですよね。
泣き方とかも喋り方も経験が浅いんだなと気づきたくなくても気づいてしまうし、わざとらしくなくてもテンプレ的な最近の声優の演技をしていたからもうこのキャラクターが出る度にビクビクしてたし、喋ったらイラッとしてしまいました。これはかなり残念で唯一の不満点です
◇言葉と気持ちの繋がりは様々ってこと
本作は手紙が鍵になる作品であるのはファンはご存知なはずで、映画はテレビシリーズから何年か経ち、電話も普及し電波塔が完成すればその電話も当たり前になるような時代になってくる時代
本作は「人は相手とだとなかなか気持ちが伝えられないが、手紙であれば気持ちは伝わりやすい」というひとつのメッセージ性が映画だと「人との繋がりや言葉の伝え方は様々」というメッセージも込められてるんじゃないかなと感じました。
例えば電話の普及に少し不満を持ってたアイリスが死にそうな子どもの友達の友人の為に手紙の代筆をする(本来はヴァイオレットがやる予定ではあったけど、ここの説明は割愛)。だけどもう手紙でも無理そうと判断した際電話で友人に直接伝えるという判断をします。
ここで俺はあまりここでも多様性とは言いたくないけど、人に伝える方法も多くあるし何も間違ってはいないんだなと。
あるTwitterの文で「昔は黒電話や手紙で好きな人にどう話すか迷ったし緊張もした。今はLINEやTwitterではあるが、昔も今も好きな人に何を送ろうとかドキドキしたりするのは変わらない」というのをなんとなく思い出しました。
他にも電報だったりとか、あとハンドサインですかね。親指を立ててターミネーターするのも自分の気持ちを伝えるし、指切りもお互いの気持ちを認識したり約束したりする大切なものなわけですよ。
そういう意味で感じたのは手紙も、電話も、ハンドサインも一番何が大切なのかというと「相手の気持ちに寄り添うこと」と「人と人との繋がり」が大事になるんじゃないのかなと思ったりします。
「相手の気持ちに寄り添う」つまり相手の気持ちを共感することに関してより撮していたように感じました。相手のことを考えないと自分の気持ちなんて言葉には出来ないし、自分で壁や扉を作っても相手の気持ちを聞き取ることは出来ないんですよ。
それでもやはり対面で伝えた方が気持ちは伝わるしだけどその気持ちを伝えてたくてもなかなか言葉には出来なくて感情的になったのがヴァイオレットで、それでも最初は壁を作ってたギルベルトが終盤でヴァイオレットの気持ちに寄り添い共感しようとする優しさが現れててさ。
◇水の描写
本作はかなり水の描写が多くて、かなり様々な撮し方で水の演出を使ってます。一番印象的なのは海だったり、それから噴水や港、雨であったりとかなり美しく描かれています
そういえば水というのはかなり不思議な物だと聞かされましたね。水は人を潤すし、癒すし、熱くもなるし、冷たくもなる。水は人を救うときもあれば、水は人を殺すこともある。変幻自在で液体にも個体にもなれる。というのを聞いたことがあります。
また映画でも「海は古来より母なるもの、命の源である」という台詞もあって、さらにいうと海というのは世界と世界が繋がっているものでもあると思うんです。昔は船がなければ遠くの人に会えないというくらい海も人の繋がりを持ったものになります。これは少し無理矢理かな
用はヴァイオレットって海であり水である人物なのかなと。同時に水というのは人間の心理に良く似ているなと思うんです。
昔の戦争時はヴァイオレットも人を殺しましたが、今では人を繋ぎ人を救う存在になっていて、冷たく固い心だったのが愛を知り今では感情豊かな柔らかい心を持つようになっていて
俺はただ綺麗な水の描写を撮したかった訳ではなくて、水と人は運命共同体であるし似た者同士で、人の気持ちの変化を映像で教えていたんじゃないかなと思います。
俺はこの映画を観て映画のテーマである『愛とは何か』という以外でのメッセージを考えた時にやはり「人との繋がりの大切さ」と「相手の気持ちを思いやる大切さ」を伝えたかったと思うし、これが実は「愛とは何か」の答えなんじゃないかなと思ったりします。違ったらごめんなさい
恋人に対してに使うイメージのある「愛してる」は別に恋人以外にも家族や友人、他にも大切な人に使う機会もあります。じゃあそこからの共通点としてはやはり「相手を思いやる」「繋がりを大切にする」というのが大切になるんじゃないかなと思ったりします。
俺はこの映画観てるときにふと『ドラえもん』のこのシーンを思い出しました
俺はやはり何故ヴァイオレットがアニメの中でも我々ファンにも人気があるのか考えたらやはり悲しみや嬉しさを一番に共感できるからなんじゃないかなと。
この映画はヴァイオレット・エヴァーガーデンの彼女の成長物語の集大成であり、彼女から学ぶ人が忘れてしまっている大切なことを教えてくれる映画だと思います。
繋がり繋がりと五月蝿く言ってますがやはり今振り返ってもかなり繋がりを大切にしている作品なんですよね。友と友、大切な人と大切な人、海をまたにかけた国と国、過去と未来、そして手紙。これくらい多くあっても説教臭くしないで自然に教えてくれるというのは流石としか言いようがないです。
ちなみに俺と彼女は毎年お互いの誕生日に手紙を書いて渡しているんですよ。これがやはり渡されて読む自分からしたらかなり嬉しいものだし、何故か暖かさもあるんですよね。はい惚気です
まとめるとシリーズを知れば楽しめるし、シリーズを知らなくても感動できる作品にはなっています。人の大切なもの、人の大切な繋がりを優しく教えてくれる神作です。
あ。あと映画にも登場したブドウですが花言葉が『忘却』『人間愛』『親切』『思いやり』らしいですよ。
ただただ飾ってるように見えてたブドウ畑も実は意味が込められてるし、また見返したくなりますね。
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀😀|😀😀😀😀😀
10/10です。
はい、そんな感じで!
それでは!