■予告
■あらすじ
平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育ち、13歳の時に出会った2人は初めての恋をするが、葵は母親に連れられて北海道を去ってしまう。8年後、21歳になった漣は、友人の結婚式のため訪れた東京で葵との再会を果たす。しかし、漣は北海道でチーズ職人、葵は東京、沖縄へと自分の世界を広げ、2人は別の人生を歩み始めていた。さらに10年の時が流れた平成最後の年、2人は運命の糸によってふたたびめぐり会うこととなる。
■ネタバレあり感想
『糸』
先行上映で鑑賞したレビューになります。ネタバレを含みますので鑑賞してからの閲覧をオススメします。
中島みゆきの名曲を題材にした映画。中島みゆきの『糸』と言えば数々のアーティストがカバーしてることでも有名な曲で我らが福山雅治はもちろん、Mr.Children、平井堅、スキマスイッチ、三浦大知、藍井エイル、いきものがかり、JUJUなどがカバーしています。そしてこの映画の出演者である菅田将暉もカバーしています。
まぁそんな『糸』を映画化した本作。正直に言うならここ最近の大ヒットしている邦楽の映画化の流れはありますが、まだ良い作品に出会ったことはありませんね。GReeeeNの『キセキ』『愛唄』や、それこそ最近の『雪の華』とかもあまり当たりはないので期待してない状況でレビューさせていただきます
個人的に話すなら改めて中島みゆきの『糸』がどれだけ名曲か知れた英がでしたね。劇中でも中島みゆきの『ファイト!』の素晴らしさも感じられた映画でした。
『糸』に関しては映画を観てる際に改めて感じたのは自分と言う名の歴史の中で出会う人々というのは別に無意味では無いというのは実感できるのかなと思います。何かしらの障害にはなるし、何かしらの助けになる人ではあるけれど、それでも巡り会えた事は何も無意味ではないし、より自分という成長に繋がるのかなと思いました。
糸を聞いていて俺は今の彼女と付き合ってはいるけれど、もしかするとふと別れるかもしれない。結婚はするかもしれないが何かしら離ればなれになるかもしれない。そんな苦しい状況でも巡り会えたことには何も無意味なことはなかったと言いたいし、今も無意味では無いと言いたいなと思えましたね
そして『ファイト!』も映画を観てからかなり曲の見方が変わりましたね。若いからあまり分からなかったというのもありますが、『ファイト!』も純粋な応援ソングなんですよ。
福山雅治の『ファイト!』をカバーした動画が上がってた際コメントに「これは女性の為の応援ソングだ」というコメントを目にしましたが、俺はそうは思わなかったし現に映画でもある男性俳優が歌ってましたからね。俺は『ファイト!』は女性の為だけとは思わずにすべての人の応援ソングだとは思うんですよ。福山雅治の女性ソングの『桜坂』『最愛』とかとかも俺は共感できるんですよ。
だからこの映画は改めて中島みゆきの曲の素晴らしさを再確認する為だけの作品だなと思いました。
だからこの映画は改めて中島みゆきの曲の素晴らしさを再確認する為だけの作品だなと思いました。
おいおい待て待て拳をしまえ。銃を降ろせ。ナイフもしまえ。銀の竜の背には乗るなよ。とりあえずおちつけ
俺も映画観てる際には涙を貰いそうになったよ。
たださ、劇場を出て落ち着いて考えた時にさ、涙を貰いそうになったのは劇中「糸」や「ファイト!」が流れた時くらいなんだよ。「ファイト!」は俳優がカラオケで歌ってはいたけれど俺は泣きそうになったんだよ
だけどさだけどさ、俺は別に「映画の登場人物たちに共感したからこの曲に感動した」訳ではなくて、「曲を改めて聞いたら自分の人生と照らし合わせたら泣きそうになった」から涙を流しそうになったんだよ
つまり映画そのものに関しては改めて冷静に考えると別に対したことではないというのは言い過ぎかもだけどさ、なんだかどうでも良いんですよ。
好きにも嫌いにもなれないキャラクターの人生を観てたらいつの間にか自分の人生を振り返ってて、途中流れる曲に泣きそうになる。
自分達の生きた平成の幸せや苦悩を振り返るタイムスリップ映画としては素晴らしいけど、この映画そのもののキャラクターたちのストーリーに泣けるかとか共感できるかと言われたら全く泣けないし共感はできません。
キャラクターってかなり観客の共感が必要な部分でありまして、正直劇中に出てくる警察にまで追われて好きな子と逃げて今はチーズ工場で働いてる菅田将暉と、家庭内暴力に合ってキャバクラで働いて気づいたら社長になる小松菜奈。しかも中学から恋をしていたとか観客の何パーセントが共感するのか分かりません
劇中のキャラクターに共感は出来ないから、とりあえず進むキャラクターのストーリーとか幸福や絶望のシナリオが流れても特にあまり感動は覚えませんでしたね
特に色々と大事な場面ではしょりすぎなんですよ。例えば菅田将暉演じるキャラの奥さんは体に腫瘍があると分かりながら子供を生みたいと決意します。決意するのは良いのですが、その奥さんが腫瘍があるものの子供を生む場面とかを流さず出産すると決意したシーンの後すぐに子供が誕生しているからなにも感動はありません。
そうした大切なイベントがカットされたり、ダイジェスト方式に流れたりするから「よし彼らを応援しよう」という気持ちが出来上がった時にはその大切なイベントがカットされて終わってしまうので見ているこちらは不完全燃焼なんですよね
それに映画ではあまり誰がどうなったかとか、あんなことがあったとかというのも口で説明するだけか観客に委ねてしまうからかなり時系列や関係性を頭の中で整理しないといけないから疲れます。別に観客に委ねる映画は嫌いじゃないですが、この映画に関しては無駄にそういうのが多いので観客の想像に任せるというよりかは製作陣の手抜きに見えてしまいます
平成元年から令和元年までを撮している作品でもありましたが、正直観ていてノスタルジックにはなれません。
懐かしいなと思ったのはオバマ大統領のニュースだったり、9.11や3.11の事くらいでしたね。それと携帯と何かしらの小物とか。それだけでは観てる人に懐かしいとは思えないですよ
それなりに流行した髪型やファッション、ゲームやらテレビやら色々とあったでしょ。主人公がサッカー選手になる夢を語る際も当時盛り上がってたサッカー選手の名前を言ったりとかできなかったのかな?
平成初期が舞台だったときも平成初期頃ではなくて今の令和で流行っているカバンを持っている人を見つけた時は笑いましたね。
細かい部分を言うなら序盤主人公が『時をかける少女』並みに自転車事故起こしたのに周りにいた花火大会に来た客全員スルーだったのは笑えたり、菅田将暉演じる主人公の奥さんが腫瘍があると言っているけど毎度の事ながら病気と戦っている人には見えなかったり、あるキャラが子供たちとご飯を食べている最中に泣いてしまっても周りの子達は「大丈夫?」とも聞かずに完全スルーで淡々と飯を食べる鬼畜っぷりには本当笑わせていただきました
一番の残念なポイントは「糸」を劇中で流しても途中で変なところで切れてしまうから曲の余韻には浸れないし、何よりあんだけ「糸」を途中で中断したのにエンドクレジットで「糸」を歌うのは中島みゆきではなくて菅田将暉と石崎ひゅーいと言うね。そこはエンドクレジットも中島みゆきにしてあげろよ
それに「糸」というより映画の中では「ファイト!」の方が一番印象深いんですよ。「糸」は劇中流れる程度です。たまに外国の方が歌ってるバージョンも流れてて、あれが流れた時はなんか韓国ドラマ観てる気分でしたね。
言い忘れてましたが「糸」の存在を忘れてたのを思い出したかのように「糸」の歌詞を引用したかのようなクサイ台詞をキャラクターが放つのは寒かったです。
「ファイト!」はどちらかというとキャラクターたちがカラオケで歌っていたりしていたからよりこの曲が突き刺さったりしたし、よりキャラクターの気持ちが溢れてたりしたから印象強かったのかなと。別にタイトル「ファイト!」でも良かったかもしれませんね
色々と言ってきましたが、先も言いましたが映画事態の感動は保証はしませんが、自分の人生の再確認やら振り返りにはぴったりなのかなと思いました。ただこれを「映画の感動」と呼んで良いかは分かりませんが、誰もが観やすい作品なのは確かです。
それでも名曲を題材にした映画としては勿体無かったし別に「糸」じゃなくてもよかったのは確かです。無理やり「糸」の歌詞に物語を付け加えたのが見え見えだったし、途中「糸」を題材にした映画というのを忘れてましたからね。
そう思うと3分から5分でひとつの世界が完成されている音楽を映像化するのはかなり難しいのかなと思いました。だってもう完成された世界をまたどうやって作り直すんだって話でそれが名曲なら尚更難しいし、5分の世界を2時間に無理やり伸ばすからどうでもいいストーリーで繋ぎ止めなきゃいけなくなるんですよ
けどそろそろ『桜坂』とか『IT'S ONLY LOVE』も映画化されるかもなぁ。もしなったらファンとしては嬉しいか悲しいかまだ分からないですがモヤッとはします。
あーけど星野源の『ドラえもん』も映像化しても良いんじゃない?いいよツッコミはしなくても。俺もバカだなとは思ってるから
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀●|●●●●●
4/10です。
かなり勿体無いなと感じた作品ではありましたが、誰もが観やすい作品なのは確かです。『糸』の曲が好きとか、中島みゆきが好きにという方も観れる作品ではありますが少し期待値を下げて観た方が良いかもです
はい、そんな感じで!
それでは!