■予告
■あらすじ
中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする。
■ネタバレあり感想
1993年に放送され、1995年に劇場公開した岩井俊二監督の同名作品をリメイクして長編アニメ映画にした作品です。
総監督は「物語シリーズ」や「絶望先生」などでお馴染みの新房昭之、
脚本は「モテキ」「バクマン。」の大根仁が担当しました。
とりあえず最初に話すと声優についてから。今回の主役の2人の男女を広瀬すずと菅田将暉がアフレコしています。菅田将暉に関してはこの作品で声優初挑戦らしいですね。別に福田雄一にやれと言われてやったわけではないです。
ただ今回に関しては菅田将暉の演技があまりにも酷かった。時々彼の「この演技はいいな」というのはあったんですが、それでもキャラと声が合ってなかったり、声の距離感が全部一緒だから棒演技に聞こえます。遠い場所でも近い場所でも全部声の距離が一緒で聞いてるだけでは距離感はないし、アニメだとそれが余計目立ちますね。『シャザム!』の吹替を経験した方なら分かりますが、そこら辺は一切変わらないです。そもそもなぜ自分の声質をチェックして自分に合うキャラクターを演じないのか分からないです。そういう目立ちたいYouTuberみたいな謎の挑戦力と行動力はいらないです。
広瀬すずは上手いという訳ではないけど、そのキャラと合っていたなという印象でした。終わりです
宮野真守や花澤香菜など有名声優が脇を固めてはいますが、なんか聞いていると大半が業とらしい演技をしているように聞こえました。
あとこれは本人達がどう思ってるか分かりませんが「なんだこの脚本くだらねぇな」って思ってるような演技をしてたんですよ。
それが一番聞いてて思ったのは宮野真守と梶裕貴。
脚本も突っ込み部分があったし、結構おかしい部分が個人的には見受けられました。
実写版の方は一度見てますが、観た方なら分かるかも知れませんがもってきた台詞なんかほぼ一緒で、後は少し改編されていたり、オリジナル要素が付け加えられてたりしました。それはいいです。
良いんですが殆ど同じ台詞を聞くことはできても、台詞や行動が中学生らしくないんですよ。だって実写は小学生ですからね。小学生と中学生の精神とか考え方って年齢は近くてもかなり違うじゃないですか。
先生にセクハラするとか、授業中に勝手に机の上に立ち上がって移動したり、宮野真守が演じたキャラが「うんこ漏れそう」とか何回もそれをネタにしたり。なんか中学生なのに、小学生のような言動してたからかなり可笑しかった。
そういう下ネタも多く使うし使うのは構わないけど聞いててただ恥ずかしいし不快なんですよ。
『君の名は。』だと男女が入れ替わってしまったら女性の胸を揉んでしまうというのも不快だという意見も耳にはしました。ただ個人的には別に不快には思わなかったし「きっと私もやるだろうな」と共感できるから笑えたりできました。女性も女性で男と入れ替わったら絶対下の方触るでしょ。わからないけど
ただこれに関しては見てるとただ馬鹿な事をやっているだけだし、女性の胸をエロい目でふざけてカップ数を口に出していたり
また笑わせようとしていても、そもそもがつまらないからまったく笑えないし、その笑わせようとするのも業とらしい。
全体的に面白いのを見ているのに見ているこっちが恥ずかしくなるあんな感じを体験できます。
設定を中学生にしても、結局考え方や気持ちが小学生だからかなり不気味でした。共感も出来ないですしね。「あー中学はこんな気分だったな」という気持ちになるのはなかなか難しいですよ。
キャラも誰一人共感できなかった。
典道の終始ご都合主義だなと思いました。
リピートした時に前の記憶がないような素振りを見せてはいたんだけど、途中から実は前の記憶はあったというのが急に出てきたりしました。
だったら何度もリピートする奇妙な出来事にたいしての怖さや葛藤もあってもいいと思う。あと怒りに任せて不思議な玉を全力で前に投げることも不自然。彼が野球やってるならいいけど、普通下に思いっきり落とさない?俺だけ?
ヒロインのなずな。魅力ない
確かに外見は魅力はあるとは思いますが、中身としての魅力は感じられません。何を考えるのか分からないというのが原因だと思う。いやたぶん何考えてるか分からないのも魅力なんだけど、考えながら観てもやはり中身がないようにしか見えない。
なんか意図してやってるという感じがしなくて、ただ何も考えずにやっている感じで小悪魔とかそういうわけではないただの悪い女になってましたね。
だから観てても彼女のどこにひかれてるのかあまり分からなかったんです。
2人の主人公がどっちかキャラクターとして好きになればまだ映画はよくなっていたと思うんですが、
それでも2人の魅力はないし、他のキャラも「こいつら頭おかしんじゃねーの?」って思う描写はたくさんありました。全体的に観ても主役の2人や他のキャラがどんなに頑張っても応援は出来ないし、そもそも作品事態が馬鹿馬鹿しくなっちゃうからどうでも良かった。
よくよく考えたら実写だとあんな小悪魔なヒロインを生み出せたからアニメだとより小悪魔なヒロインを生み出せるんじゃないかと思ったのですが、案外難しいんですね。さっき悪い女と言いましたが、アニメだとやはりそうで男子二人を水泳で競争させて勝った方を花火大会に誘って家出の手伝いをさせる。そんで駆け落ちするから責任とってねってかなり恐ろしいよね。中学生ならまだ純粋だからすぐ行動は起こせるけどさ、大人から観たらなかなかヤバイよ。小悪魔じゃない悪魔だよ。
それは置いといてなずなが浴衣姿から白いワンピースに変わってもギャップはなかったし、そもそも外見がかなり中学生に見えないからワンピースに着替えてから「16歳に見える?」という質問は可笑しかった
いや、16歳以上だよ
水商売の話とかもするけど、正直言ってしまえば普通に行けそう。
普通に行けそうだし、どうでも良かったから「どうぞ、ご勝手に」としか思えません。
他の部分でもおかしい所はありました。
まず、時代背景。
90年代が舞台にしても現代風な学校があったり水泳勝負で掛けるものが漫画ワンピース(ワンピースは97年連載ですが、実写が初めて公開された同じ95年という設定ならおかしい)だったり、2017年が舞台でもレトロゲームや好きな人が観月ありさとか。別に好きなタレントは好みだからいいけどさ、せめて視聴者に同情させるなら橋本環奈とかにしないと。俺は浜辺美波派。漫画も鬼滅の刃にするとか、ゲームもスマブラにするとかさ
アニメーションも時折CGを使っていたけど違和感あってそれで世界観は崩れてました。
なずなと典道の身長差にばらつきがあったり、ループする玉の大きさもバラバラだったり作画の統一がありません。
ここから語るの多すぎるので箇条書きで簡単に説明するなら…
- 電車を追いかける車と走る中学生が同じ速度。つまり電車も車も中学生も同じ速さ
- 再婚相手の男が主人公と「はじめまして」なのに殴る
- 友人が典道を高い所から押してしまい殺しかける
- 母親がなずなをつれもどすとき、散乱したバックをそのままにする
- 足ぶつけて怪我をしても階段を余裕で歩け、普通に走れたりする。治癒能力がデッド・プール並み
- そもそもぶつけた所と怪我している場所違う。これはデッド・プールも困惑
という、最後まで謎だったり可笑しかったりツッコミたい部分が多すぎる脚本です。
タイムループの玉の話も結局正体が最終的に不明なままです。まだ、それはいいとしてもタイムループ映画としては使い方があまりにも下手でした。
「時をかける少女」のように回数が決められてたり、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」みたいに死ぬとタイムループするとかそういう緊張感とかがなかったです。
投げて行きたい時間軸に飛ばしてくれるというチート能力であり、そこにデメリットもないので、まったくドキドキすることや面白さがありません。ようは最近流行りの「僕また何かしました?」とか言いそうなチート級の能力を持つ主人公を玉にした感じ。
そもそも全体的に誰に向けて作りたかったのかさえ分かりませんでした。
この映画を見に来るカップルは見たら喧嘩になりそうだし、家族連れでもポカーンってなるし、アニメ好きもあまりこの映画は好きになれないと思う。……いやアニメ好きはどうかな?わからない
ジャンルもアニメ映画を抜けばヒューマンドラマだったり恋愛だったり、
途中からファンタジーになったり、ミュージカル映画になったりと映画のジャンルすらもひとつの軸をしっかりしないで、色んなものを詰め込んではいました。
シャフト(この映画のアニメ製作会社)事態、こういう青春映画とか作るの難しいと思う。
まだ、ファンタジー映画なら分かるし、深夜放送のアニメならまだ着いていけたと思います。
ただ全国で色んな人が見る中、深夜テンションな不快なエロ要素を含んだり、シャフトならではの演出も映画になるとしつこいと思っちゃいました。
だからそういう意味でもどうしてこのジャンルを選んで、どうして今更になってこの作品をアニメ映画にしたかったのか分かりません。
女性キャラクター全体がなんか中年男性の理想のキャラを描いていて、女性は萌えキャラなのに男性の殆どが雑な描き方をしていました。
しかもその女性の撮り方が舐めるような撮り方が多かったりしました
そういう意味では製作陣の変な部分が出てて気持ち悪いと思ってしまったのかもしれません。
けど本当に見ていて不快で、気持ち悪くて、映画事態もただただつまらない作品でした。
久々に劇場から途中退室しようか悩んだ映画でした。(結局最後まで見ました。)
ただそれでもひとつ評価できるのは昨今アニメから実写にする流れが多い中、逆に実写からアニメにして制作しようとしたその逆転の発想は素晴らしいと思います。別にそこら辺は大賛成だし、アニメだからこそ観やすくて分かりやすくなることもありますよ。
ただそこからどうするかですよね。アニメだからこそ出来ること、アニメだからこそ伝えられる演出がないと「ただアニメにしたかったから」という製作陣の欲の塊の作品になりますから使い方が難しいですね。
ただこれに関してはわざわざリメイクすることなんてなかったし、個人的にオールタイムワースト映画になっていることには変わりはないですがね。
■評価
最終評価は・・・
⚫⚫⚫⚫⚫|⚫⚫⚫⚫⚫
0/10です。
演技も声優も、脚本、演出、音楽、アニメーションとかも色々ダメだった映画でした。
これを見るくらいなら実写版ジョジョを見た方がマシです。(ジョジョも見ないけど)
けど、一応好きな人は好きになれる映画なんで怖いもの見たさで一度見に行ってもいいと思います。
私から強くオススメしませんが
はい、そんな感じで!