■予告
■あらすじ
フロリダで暮らす高校生タイラーは、成績優秀でレスリング部のスター選手、さらに美しい恋人もいる。厳格な父との間に距離を感じながらも、何不自由のない毎日を送っていた。しかし肩の負傷により大切な試合への出場を禁じられ、そこへ追い打ちをかけるように恋人の妊娠が判明。人生の歯車が狂い始めた彼は自分を見失い、やがて決定的な悲劇が起こる。1年後、心を閉ざした妹エミリーの前に、すべての事情を知りながらも彼女に好意を寄せるルークが現れる。
■ネタバレあり感想
人生というのは山あり谷ありとはよく言われますが、この作品のように波のような感覚もあります。山や谷のように波くからというのもありますが、静かに人を癒すときもあれば荒れ狂って人を襲うときもある。そうした人生と言う名の波をいかに乗りこなせるか
物語はレスリングに命を懸けている黒人青年タイラーの前半と、タイラーの犯した行動で家族の再起を妹エミリー目線で描く後半に分けられています。
正直に言うならタイラーが警察に捕まる辺りで大体一時間半くらいかなと思ったら、思ったよりも妹の後半シーンが長くて驚きましたよ。つまり言うと感覚的には長く感じたし、正直タイラーのシーンとちょっとした話で映画が完結しても良いくらいだったんですよね。
前半のタイラーのシーンに関してはカメラワークや音楽、映像など凝っているのが分かります。カメラワークに燗してはなかなか撮り方がカッコいいですね。ただ多少しつこさはあるし酔う人は酔うから嫌いな人もいるかもしれません。
音楽に関しても映画の雰囲気を醸し出していましたが、これも正直音楽の使い方が雑になってたり音楽が映画を邪魔するときはあったし、ミュージックビデオかってくらいしつこさはあります。だから大事な場面で音楽を使ったりとメリハリをつけていたらもう少し好きにはなれたかなとは思います。あと特に聞いててもそんなに好きなれる曲は多くはなかったです。
言っちゃえば音楽のお陰で映画の柱を支えてた感はありますし、悪く言うなら音楽で色々な感動を押し付けてる感もありましたね。新海誠監督作品や感動狙いの邦画のレベルとまでは行きませんが、なんか観ててそんな感じはしました。
裕福な家庭に育ったタイラーはスポーツも出来て筋肉ムキムキで、美人な彼女もいて、デカイ車を運転し、さらにはピアノも弾けるという「ザ・お坊っちゃま」と名をつけても恥じない育ちをしています。
けれどもどんなに裕福な家庭に育てられてもひとつの事故や事件がきっかけで人生が転落してしまうというのはなかなか見ごたえがありましたね。
夢も途絶えて、彼女が妊娠したことにより高校生で中絶するか生むかで悩んだり、それによって彼女と別れる寸前までいきます。それでも中絶させるために説得したり、別れる雰囲気になるやいなや手のひらをひっくり返して必死で生もう生もうと言ったりと、やはり人は落ちるところまで落ちると我を忘れてしまうんだなと感じます。
そうした人生のてっぺんにいたはずの人間でもやはり落ちてはしまうのは分かるし、前半はかなりハラハラする場面が多くて見ごたえはありました。けれども転落すればまた上れるのと同様で、そうしたことによりバラバラになった家族が再起するのが後半パート
しかしこの後半パートは前半パートに比べると、興奮することもハラハラするところもないし、特に見ごたえがある部分もあるかと言われたら難しくて、なんか普通のよくある青春家族ドラマになっていましたね。
エミリーとルークの恋や彼女たちの絆は確かに見ていて癒されるし可愛らしいんだけど、特に彼らが二人の話の幅が広がるわけでもなかったですし、なんかエミリーの話というよりかは後半はルークの話の印象が強かったですね。個人的には
ちょっと無理矢理ハッピーエンドにした感もあるし、幸せな終わり方のように見えてかなりバッドになるシーンが多かったから見終わった後幸せになれるかと言われたら難しいです。
とにかく音楽はガッツリ使うし、映像や美術的な箇所は美しいからなんかインスタやTikTokに命をかけてる人は観たら好きになれるタイプなんじゃないかなとは思います。また演技のレベルも高いので演技を中心に見てる人はかなり興味深いとは思います。
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀😀|😀●●●●
6/10です。
A24が制作する映画は監督にもよりますが個人的には青春映画やファミリードラマはあまり合わないなと感じましたね。けれど嫌いって訳じゃないし様々な挑戦をしていると見て分かるので、また改めて応援はしていきたいなと感じました
はい、そんな感じで!
それでは!