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映画『1917 命をかけた伝令』評価&感想【No.647】

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■映画情報


公開日/2020年2月14日

上映時間/119分(1時間59分)

監督/サム・メンデス

制作国/イギリス・アメリカ合作

■あらすじ

若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクの2人が、兄を含めた最前線にいる仲間1600人の命を救うべく、重要な命令を一刻も早く伝達するため、さまざまな危険が待ち受ける敵陣に身を投じて駆け抜けていく姿を、全編ワンカット撮影で描いた。1917年4月、フランスの西部戦線では防衛線を挟んでドイツ軍と連合国軍のにらみ合いが続き、消耗戦を繰り返していた。そんな中、若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクは、撤退したドイツ軍を追撃中のマッケンジー大佐の部隊に重要なメッセージを届ける任務を与えられる。

引用元:1917 命をかけた伝令 : 作品情報 - 映画.com

■ネタバレあり感想

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『1917 命をかけた伝令』(原題:1917)


1917年4月、第1次世界大戦真っ只中イギリス兵のスコフィールドとブレイクが最前線にいる1600人の仲間たちから敵の罠を食い止めるべく、将軍からの「攻撃中止命令」の伝令を伝えるべく敵陣の中を走っていくというシンプルなもの。


どうやら噂によるとサム・メンデスの祖父から戦争やらの話を聞いてこの映画の案が出てきたらしいね。よくお爺ちゃんお婆ちゃんから戦争の話しは聞いてはいたけど、そういうのを映画として形に残して後世に繋ぐのはなんか良いよね。え?どこ情報か?Twitterという名の伝令兵だよ(ドヤッ)


この映画の最大の見せ場は基本ワンカットでの撮影ということ。まぁワンカットと言っても途中暗転してカットは入るし、所々編集して繋いだ部分はあるからいわゆる「ワンカット風」ではありますよ。この「ワンカット風」に対してなんか「ワンカットじゃねーじゃないか」と無駄にキレる輩がいましたね。
そんなこと知ったこっちゃねー!!


沢山のワンカット映画や長回し映画がこの世に出てはいましたが、まずワンカットの戦争映画事態が珍しいと思うし、ワンカットのメリットである緊張感を生み出す為の演出と、戦争という場所での生きるか死ぬか分からない世界がよくマッチしていました。


長回しの戦争映画は『サウルの息子』という映画もありますがあれはアウシュヴィッツ収容所のゾンダーコマンドの姿を撮しているし、今作は戦場の中を駆け抜けたり戦ったりするなかでの長回しではあるのでそれとはまた少し違いますね。ちなみに『サウルの息子』もかなりオススメなので見てみてください。


ワンカットの必然性は感じられるし、見ていて「ミスせずに演技とか出来て凄いでしょ?」っていう自己満足で終わるような作品とは感じられなかったし、むしろ皆かなり真剣にやっていて最高なものに仕上げようという部分は感じられるものの、それを表に出さずに一人のキャラやひとつの世界を魅せていて素晴らしかったです。


他の人が言うように様々な場面で「いまのどうやって撮影したんだろう」という気持ちにはなっていて逆にメイキング映像の方が面白いんじゃないかという所はありますよね。そういう意味では本編の面白さが負けてしまってるといえばそうだし、じゃあそれをカバーするためにストーリーに集中させる為複雑にさせるかと言われたらそうでもない。あのシンプルなストーリーだったから映画の世界に没入出来たのだからアレはアレで良いんだとここら辺の評価は少し難しいです。


いずれにせよ本編での演出や編集はこだわりは感じられるし、戦争映画というスケールのデカイものをよくワンカット風の映画で仕上げたなと褒めるしかないです。
見ていて映画というよりクオリティの高いゲームをやってる感覚はあるからVRみたいに自分がその世界に入り込んでキャラクターを操作してる気分にはなりますよね。そういう遊び心もあって楽しいです。


塀を越えたり、扉や窓から出たら別世界が広がるあの感覚は忘れられませんね。ゲームで言えば「次はこの場面を潜り抜けるのか」という緊張感はあるし、その先に見える景色だけしか映さない訳ですからなにが起こるか分からない怖さもありますよね




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それにこの映画の舞台がかなり自然豊かな場所で撮影されてたのが分かるし、牛や馬がいたとしたらたぶん牧場とかもあった心落ち着ける場所なんでしょう。そう思うとあの場所で爆発が起きたり、銃弾が飛び交ったりと思うと怖いというより哀しいですよね。


序盤でも自然豊かな場で主人公が昼寝してるシーンから始まり、そこからだんだんと多くの兵士が休み、塀の中を通り、血だらけの兵士や死んだ兵士が転がってたりと戦争のキツさを見せてきます。


綺麗な川に死体が浮かんでたり、予告でも流れてた大草原の中を爆発を避けながら走るシーンなど見たりすると、「本来美しかった自然や町並みが戦争で汚されてしまった」という戦争のメリットの無さや哀しさをよく表現していたと思います。自然豊かな場所での映像がかなり綺麗だったから尚更ですよね。


唯一不満点をあげるなら映画の中で休憩らしきシーンを流したこと。たぶん飽きさせないようにしたり、主人公の気持ちをより分からせるためのシーンかもしれませんが、ある軍隊と合流し車が沼にはまって皆で押すシーンや、途中主人公がある女性と出会い赤ちゃんと戯れるシーンは正直いらないかな


勿論車のシーンは主人公が焦ってる様や、赤ちゃんとのシーンは主人公にも家族や愛する人がいることを知るシーンなのは分かりますが、無くても映画のストーリーは進められるんですよね。


あと本編とは関係ないけど日本の宣伝もどうなんでしょうね。明らかにカットしてるし、暗転もしたりするからやっぱり「全編ワンカット」という宣伝はおかしいよね。そりゃあキレるやつもいるしさ、宣伝した人たちは本当に映画を見てから宣伝してるのかと疑いたくなりますよ。


最終的にはストーリーもシンプルで演出なども凝っていているので誰もが映画の世界に入り込める素晴らしい作品かなと思います。好き嫌いは分かれそうですが、一応万人受けする戦争映画だし、戦争映画を見たことない人にはオススメできる作品でした


■評価

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最終評価は・・・





😀😀😀😀😀|😀😀😀●●

8/10です。



アカデミー賞で撮影賞などを受賞したのも納得の作品です。人によっては体力を奪われる作品ですが、もう一回見たくなる作品でした。





はい、そんな感じで!

それでは!