■あらすじ
96年、五輪開催中のアトランタで、警備員のリチャード・ジュエルが、公園で不審なバッグを発見する。その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾だった。多くの人々の命を救い一時は英雄視されるジュエルだったが、その裏でFBIはジュエルを第一容疑者として捜査を開始。それを現地の新聞社とテレビ局が実名報道したことで、ジュエルを取り巻く状況は一転。FBIは徹底的な捜査を行い、メディアによる連日の加熱報道で、ジュエルの人格は全国民の前で貶められていく。そんな状況に異を唱えるべく、ジュエルと旧知の弁護士ブライアントが立ち上がる。ジュエルの母ボビも息子の無実を訴え続けるが……。
■ネタバレあり感想
1996年アトランタオリンピック真っ最中の中、オリンピック会場の近くの平和公園で爆破事件があった。その爆破物の第一発見者でより迅速かつ冷静に皆を避難させ被害を最小限に食い止めた警備員のリチャード・ジュエルは最初は英雄扱いされたものの、第一発見者だとか見た目や今までの経歴から彼を犯人扱いしていく。そこからどうやって乗り切ったかのお話。
クリント・イーストウッドは大好きな監督ではあるけど去年の『運び屋』で引退するとか聞いたはずなのに、なんか数ヵ月後この映画の予告を見て彼の名前を聞いたときは「なんなんだい!」とツッコミをいれた。今や俺の中ではクリント・イーストウッドは第二の宮崎駿になりかけてるけど、とりあえず歳も歳なんだから無理はしないでほしい
俺は正直前半はかなり見ていて楽しかった。楽しかったという表現がここでは正しいのかは分からないけど、あくまで映画としてはかなり見入っていたのかもしれない。リチャードがどれだけ正義感があるのか、公園での爆発物を見つけてからの対策の細かい過程などかなり興味深々で見ていましたね。
そこからはメディアの決めつけで人の人生を変えてしまうのか、FBIや警察がとりあえず犯人ぽい人の生活を覗いたり犯人だと認めさせたいが為の行動をとったりとなかなか人としてクソな部分を見てしまいますから、余計この映画を見た人はメディアとか嫌いになるんじゃないかな。
特にリチャードの友人で弁護士のブライアントが彼の自宅に来た際に報道陣は「誰だか分からないけどとりあえず話してみよう」とか「あなたは誰ですか?」とかもう人としてその質問や行動力はどうなのよって話ですよね。これ仮になんだけどリチャードとは知り合いじゃくてただのお隣さんとかだったら恥ずかしいですよね。そこまでして何かを得たいのかと
とりあえずこの映画はムカつくキャラクターが沢山出てきます。自分の地位のためにリチャードを実名で報道した女性記者やリチャードを根拠や証拠もないけどとりあえず犯人にしようとするFBIなどかなり沢山のムカつくキャラが出てきます。
ただリチャードに対して何かしら「かわいそう」とかの同情はあまり出来ないんですよね。なぜならリチャードもリチャードでムカつくキャラに思えるからです。特にブライアントが「なにも話すな。黙っていろ。」と言った矢先に色々とペチャクチャ喋ったりするし、なんか分からないけど過去の栄光を引きずりすぎるし、「いじめはいじめられる側にも問題があるんじゃない?」という言葉はあまり使いたくはないんだけど例える言葉がないからこれを使います。例えるならそんな感じです。
リチャードがラスト色々と不満やら「証拠もないのになぜ犯人扱いする」など言いますが、個人的にはなぜそれを最初に言わなかったんだろうなとは思いましたね。人としての成長のドラマを描いたように思えて、あまりリチャードが成長したようには思えなかったし、そこまでの熱くなる過程が映画として見るとあまりなかったようには感じました。
ただ不満のような話ばかりになりましたが俳優の演技は素晴らしかったです。ポール・ウォルター・ハウザーの演技は最高だったし、特にリチャードの母親役のキャシー・ベイツは流石としか言いようがない演技をしていました。
どっちにしても俺的にはクリント・イーストウッドの作品の中では微妙だし、賛否はキャラのせいで分かれるかもしれません。ただこの映画も一度は見ておくべき映画かなとは思います。
2020年は日本でオリンピックが開かれるし爆破テロの確率はゼロではないです。テロも含めて他の犯罪も自分がやっていないのに、被害者側なのに犯人扱いされるかもしれません。特にメディアリンチを含みネットリンチもある日本ですから、この映画を見て「他人事ではないな」と思ってくれたら良いなと思います。
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀😀|😀●●●●
6/10です。
はい、そんな感じで!
それでは!