■あらすじ
2020年・東京オリンピックの終了を機に、国の景気は急激に失速。金のない弱者は簡単に踏み潰される世の中になっていった。派遣会社からバカにされ、少ない給料で自堕落な生活を送るカイジは、ある日、帝愛グループ企業の社長に出世した大槻と再会。大槻から、金を持て余した老人が主催する「バベルの塔」という、一獲千金のチャンスを含んだイベントの存在を知らされ……。
■作品紹介
あ"あ"あ"~"!"悪"魔"的"だ"あ"~"!"!"
どうも、KOUTAです。
本日はこちら
あのクズ野郎で怒涛に叫ぶ男が帰ってきた!借金を背負い、地下帝国行きにされ、勝利したと思ったらまた地下帝国に行き無事に生還する。そのクズでクズでも這いつくばる姿に愛くるしくなる!
この2020年代に令和時代に藤原竜也の雄叫びがまた映画館に響き渡る!!しかしこれが最後!その叫び声を聞き逃すな!!
そんな『カイジ ファイナルゲーム』を今回は紹介していきます。
原作は恥ずかしながら未読です。ただ実写映画版は二つとも鑑賞はしています。かなり小さい頃の話なのでそのときはまだ純粋に楽しく見れた作品だった記憶はあります。とりあえずこの映画のために今回その2つを鑑賞したので、少し感想を話そうかなと思います。
最初のカイジは今見てもまだ楽しめる作品にはなってました。めちゃくちゃ傑作というわけではありませんし、どうやら原作と比べるとかなりゲームがカットされているらしいですが、未読者からしたらそこまで違和感はなかったです
二つ目のカイジは今見るとかなりツッコミ所は多くありましたね。面白い要素は確かにありましたが、ギャンブル自体は見ていてつまらないし、とりあえずなんでもありな映画なんだなとは感じましたね。あと吉高由里子が当時から演技下手なのは笑いました
そんな2020年の舞台に帰ってきたカイジ。果たして彼に待ち受けているゲームとはなんなのか?!そしてファイナルだからこそ彩るカイジの物語りにしっかり終止符は打たれるのか?!
早速ネタバレありでレビューをしていきましょう!
■ネタバレあり感想
「全2作合計40億稼いだ割にこの出来かよ!こんなクソ映画なんて知る分けねーよ!その40億皆に返しやがれ!!」
少しカイジ風に言うならこんな感じでまとめられる映画でしたね。ハッキリ言うならクソ映画でした。
何がそんなにクソさが増したのかというとまずギャンブルがそんなに面白くないし、そもそもギャンブルと言って良いのか分かりません。
どういう状況なのか例えるなら、カレー屋さんに行ったのにカレーのメニューが1つもなくて仕方なくカレー以外のメニューを頼んだらそれが激マズでさらに無駄に値段が高い。なんかそんな感じ
最初のギャンブルと言って良いのか分からないギャンブル『バベルの塔』は当日までどこか立てられるか分からない塔の天辺にあるカードを取ったやつが勝ちというシンプルなゲーム。ただ駆け引き云々というよりかは体力やパワー勝負だったりするからあまりカイジらしさは無いです。
一応今回の舞台はオリンピック後の日本が不況になり金がない住民たちは寄り添ってホームレスのような生活をしているという設定です。そいした中救済のゲームとしてこうした『バベルの塔』があるらしいのですが、色んな人たちがボロボロな割に参加者の服装や髪が綺麗だったり、金がない割にドローンを持ってる時点でツッコミたいし、ドローンを倒すために何故かパチンコを持ってるなら最初からそのパチンコでカードを落とした方が早いです。
二つ目が『最後の審判』でこれはセットが無駄に大がかりだったから今回の目玉ゲームになりますね。
自分の全財産を金塊に変え、さらに「Family」「Friend」「Fixer」の自分の仲間達から財産を提供して貰い、最後の「Fan」で観客が支持したい人の天秤にコインを投げて最終的に重かった人物が勝利というゲーム。
これは今回の映画が映画であって選挙を思わすゲームになってました。それが今回どんなテーマだったのかは後程説明するとして、とりあえずもうこれに関してはギャンブルと言って良いのかわかりません。
そもそもこのゲームはカイジが参加するという訳ではなく、カイジのギャンブルとしての見込みを買った金持ちのオッサンが参加するという特に見ている側からしたらどうでも良いです。途中カイジが天秤に乗ることになりますが、特に緊張感はないです。
さらにゲームに参加したオッサンの新田真剣佑演じる秘書がある理由で裏切るんですが、正直この理由に関しては「お涙頂戴」にしか感じなかったし、茶番劇を見ている感じでした。新田真剣佑も演技は特に代わり映えのしないもので、あのキャラクターは特に誰が演じても良かった気がします。
そして負けそうになった時あらかじめカイジはオッサンからお金を借りてて、そこからじゃあどうするのという展開になりますが、なんとカイジはあとゲーム終了の30分くらいまでにカジノで稼ぐという荒業を見せます。これにはどんでん返し云々じゃないですね。
そんなことは読んでいたと吉田鋼太郎はカジノをひとつのゲーム以外全部閉鎖するというどや顔演出も呆れますよね。
そのカイジが挑戦した3回目のゲームが『ドリームジャンプ』
10本のロープから好きなロープを選びバンジージャンプをし、1本は当たり残り9本はそのまま地面に落ち死ぬというゲームです。……………はい。言い方は悪いですがかなり下らないです。正直『ブレーメンロード』の方が普通に怖いです
なぜ下らないのかというのは簡単で中学生が考えたゲームにしか思えないし、セキュリティはガバガバ過ぎたし、下から今回の映画のヒロインがヒントを教えているのですがあの高さからだと口の動きや手の形なんて見えないし、カイジが「あの口の形は9か10しかありえない」といいましたが9と10って口では「うの形」だから下手したらそれに似た5と6も間違える可能性はありますよ。(「お」と「う」の口の形は近いんですよ)
最終的に『最後の審判』はカイジ側が勝ちますがこのラストの怒涛の自称どんでん返しという名の後だしジャンケンが繰り広げられます。大時計をいじった女性は派遣会社からも見捨てられるほどなのに何故『最後の審判』のメンテナンスの派遣として行けたのか。時計の針が降りてコインが落ちカイジの天秤に入るシーンがありますが、あの高さであの場所まで投げる人がいるのか。
他にも色々とありますが、本当にありとあらゆる後だしジャンケンの連発でカイジ側の勝利をあまり喜べませんでした。
そして第四のゲームが『黄金ジャンケン』は3回ジャンケンを行いますが、必ず一回は手のひらサイズの金塊を握らなければならない。つまり必ず一回はグーを出すことになるが、金塊を握った場合に勝ったときはその金をボーナスで貰える
なんかこれに関してはマリオパーティのミニゲームにもならないほどショボいゲームです。これが映画を締めくくるゲームとか笑えますよね。
そんなカイジの攻略法は金塊を握らないジャンケンではグーを出さないだろうと相手は思うだろうから、金塊を握らずグーで勝負すると言うものでした。……あくまでジャンケンだから普通にグーも出すよね?え?俺間違えてる?
そもそも最終的に金塊を多く手に入れた方が勝ちというわけでもないから、ただのちょっとルールが加わったジャンケンを見てる気分だし、金塊は別に自分の金からじゃなくてあっちから提供するなら被害は少ないからこれも緊張感はないです。あとあの金塊なら下手したら握ったままチョキも出そうと思えば出せますよ
かなりゲームの話ばかりになりましたから映画の内容について触れると今回のカイジは全体的に緊張感はないです。なぜ緊張感が現れないんだろうと考えた結果、今回カイジはなにも背負うものがないんですよ。
一作目は借金を返済して普通の人生に戻る。二作目は世話になった地下の仲間たちを地上に返すためにゲームに奮闘する。そして2つ共通するのはどんなゲームも自分から金を出し仲間から金を借り負ければ多額の借金を背負い地下行きの生活を強いられる。さらには下手したら『ブレーメンロード』みたいに負ければ死に繋がるような危機的状況がありました。
しかし今回のカイジにはそれはないです。カイジ自信が危機というより日本の経済が危機という規模のデカイ話になり、別に守るものもなければ失って何か変わるものもなく、知らないオッサンから「金はあげるから協力してくれ」と何故か協力しますが別にカイジ自信にメリットはそんなに多くはないから協力する意味もあまりないんですよね。
さらにカイジの命が危ういなっていう展開もあまりなかったです。『最後の審判』はオッサンがやりカイジは協力者だし、『黄金ジャンケン』はジャンケンです。『バベルの塔』『ドリームジャンプ』は高いところから鉄骨を渡らせたり、死ぬかもしれないゲームになったりはしてましたが、結局「ここで死んだら話進まないから、どうせ生きて成功するんだろ」という目でしか見れません。
さらに今回はオリンピック後の不況の日本という世界観だったり、相手が政治家だったり、政治家の悪巧みを止めるためにカイジが動いたりするというのは今までのカイジの映画だけから見ても急に世界観の規模がデカすぎて今までのファンは果たして着いてこれるのか疑問だし、あまり近未来SFのような映画はカイジの世界観とあまり似合わないなとは思いました。
そうした規模なデカイわりにカイジのやることは背負うものや守るものがないから、ただの茶番劇にしか見えませんよね。
あと今までの過去のキャラクターも出てきましたが別に出てこなくても良かった気がします。『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』のランドくらい出てくる理由はあまりなかったです。(ランドファンの皆様すいません)
例えば松尾スズキ演じる班長はカイジに『バベルの塔』を紹介し、塔がたつ場所を教える変わりに賞金の半分を寄越せと言います。そこは別に良いんですが、ただただゲームを教えるだけのキャラになってましたね。いっそ二作目のチンチロの恨みもあるだろうから嘘の場所を教えて自分が賞金を横取りするという展開でも良かったでしょ
さらに生瀬勝久演じる坂崎も出てきます。彼は『最後の審判』でカイジの天秤にコインを投げるぞと観客に言い聞かせカイジの天秤にコインを投げるという救済者です。ただあれだけカイジの天秤に見向きもしないで動かなかった観客が坂崎の一声で「よーし!投げるぞ!」と言うのもなんか不気味だし、コイン投げ終了後さっきまでいた場所に生瀬勝久が忽然と消えたのもかなり不気味です。制作者が「昔のキャラクターを見せればファンは喜ぶだろ」と思ったのが目に見えますよ。
天海祐希演じる遠藤に関してはほとんど言いたいこと同じだから特になし。
ただバカでも分かるヒントらしいヒントを言うのは遠藤らしくないなとは思いましたが。まぁアレから少し性格が丸くなったと思えば解釈はつきますが
キャラクターについてこのまま話すと関水渚演じる桐野は関西出身らしいんですが関西らしい部分はなかったし、関水渚自信がまだあまり明るいキャラに慣れてないように感じました。ただうるさいだけのキャラでしたね。
俺の偏見ではありますがこういう明るく特に頭が良いというわけではないキャラが何かしらの社長や何かしらの政治家の顔を見て「この人知ってる!○○だよね?」って言うのは違和感ありました。桐野事態がただキャラクター紹介するために産み出されたキャラにしか思えませんよ。
そして桐野は最終的に遠藤の命令という理由もありますが、カイジを裏切り金を横取りしてカイジの金を遠藤にあげます。最終的にクソでした。
けどよくよく考えれば桐野がカイジを裏切るメリットはないし、遠藤に脅されたという訳ではないから半分くらい渡せば良い話だったから、ただただカイジが可哀想としか思えません。
確かにカイジは大金を手に入れてめでたしめでたしというのは似合わなくて、最終的に一文無しの方が似合うというのはわかります。ただ今回は無理やりな終わらせ方というか、もう少し序盤で派遣会社にいた奴らや情報を提供してくれた爺さんに金を渡したりするという終わり方でも良かったんじゃない?
今回の映画のラスボスである福士蒼汰はあまりにもキャスティングミスですよね。藤原竜也と並ぶほどの敵としても、香川照之や伊勢谷友介という名だたる俳優と並べてもちっぽけな存在に見えるくらいボスキャラとしてはあまりにもかりすませいはなかったです。
吉田鋼太郎も敵側としてキャスティングされてどちらかというと吉田鋼太郎が今回のラスボスかなとは思いましたが違いましたね。ただ個人的には吉田鋼太郎はラスボスというよりラスボス前の中ボスのような感じはしますが。
福士蒼汰よりももっと良い人いたでしょ。だったら小栗旬とか佐藤健とか、吉川晃司とか福山雅治とか色々いたでしょう。あ、福山雅治と吉川晃司は個人的なアレです。
結局昔のキャラクターを出したり、昔のゲームを思わせたりするシーンもファンサービスというよりただ単に「これを出せばファンが喜ぶ」という浅はかな考えにしか見えなかったし、なんか藤原竜也が叫んだり「キンキンに冷えてやがる!」もなんか個人的に見ててスタッフが無理矢理やらしてる感があるように感じたのは俺だけかな?なんか藤原竜也が演じててあまり楽しそうにやってないように見えたんだが。俺だけかな?
どっちにしろ一作目二作目と成功して「実写化の成功例」と言われたから調子に乗って、観客をバカにし、特に伏線はないけど取り合えず「どんでん返し」をすれば客は喜ぶだろうと安直な考えをしすぎたまさに「自業自得」なクソ映画へと地下行きになった作品だなと思いました。
どうやらカイジの原作ファンは福本先生が脚本すると聞いた時点で嫌な予感はしてたらしいですね。どうやら原作の方もだんだんとつまらなくなってきていて、酷くなっているとは聞きましたがそれもなんか納得はしましたよ。
こういう映画は何も考えずに見た方が良いよと言う意見もあるかもしれませんが、俺個人としてはあまり考えずに見るということ事態に慣れていないし、明確な理由はないけどやっぱり映画は何を伝えてたいのかとか、何を思って製作したのかというのも楽しいとは思います。ただこの映画はそれはあまりなかったし、ギャンブルという考える力を与える要素も無に等しいです。まぁ俺が無知になるということ事態が怖いというのもありますが
あとバカな部分と真面目な部分が釣り合っていませんでしたね。バカな映画なら単純にバカな作品で良いと思います。ただバカな方向性がなんか中学生レベルではあったし、バカなことやってる割には政治や日本の未来だとか堅苦しくて規模のデカイ話になっていました。それがあまりにもハマってませんでした。
まとめると期待してはいない作品でしたがそれ以上に駄作に思えた作品で見ていて退屈でイライラしたのは結構久々な作品でしたね。「どんでん返しが好きなんだろう」「こういう展開が好きなんだろう」と単純な発想とネタで観客をバカにして、そのせいでキャラクターも俳優も好きになれずに、ただただ叫ばせることで皆楽しんでくれるだろうという製作陣の軽い考えが現れた作品だと思いました。
■評価
最終評価は・・・
●●●●●|●●●●●
0/10です。
2020年始まって早くも0点が出てしまいましたが、まぁ仕方ないです。別に見なくてもそんなに損するような作品ではありません。
ただこれから見るよという方に関しては取り合えず覚悟を持って見るべき作品ではあります。
はい、そんな感じで!
それでは!