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映画『ドクター・スリープ』酒は飲んでも飲まれるな!評価&感想【No.627】

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■映画情報


公開日/2019年11月29日

上映時間/152分(2時間32分)

監督/マイク・フラナガン

制作国/アメリ

■あらすじ

雪山のホテルでの惨劇を生き残り大人へと成長したダニーを主人公に、新たな恐怖を描く。40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、あわせて不思議な力をもった謎の少女アブラが現れる。その力で事件を目撃してしまったというアブラとともに、ダニーは事件を追うが、その中で40年前の惨劇が起きたホテルへとたどり着く。

引用元:ドクター・スリープ : 作品情報 - 映画.com

■作品紹介

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仕事ばかりで遊ばない。俺たちは今に気が狂う。

どうも、KOUTAです。


今回はこちら。
スタンリー・キューブリック監督の傑作のひとつにして、ホラー映画としてはかなり有名な作品である原作者スティーブン・キングが「あれ?これ俺の書いたやつと違くね?」と言わしめた『シャイニング』の正当な続編映画。

本作は『シャイニング』から40年後の世界を映し出しており、雪山ホテルの惨劇の恐怖から無事に逃げ切れたダニーが大人になりまた新たな恐怖体験をすることになります。なんか最近小さい子達が恐怖体験をして大人になったらまた体験をする映画流行ってるよね。
そんな『ドクター・スリープ』(原題:Doctor Sleep)を今回は紹介していきます。



スタンリー・キューブリック版の『シャイニング』は鑑賞済みです。ホラー映画としては好きかと言われたら難しいですが、それでも鑑賞した人と語り合えたりできるし、オリジナリティがあるので映画としては結構好きです。
一応スティーブン・キングが映画版を気にくわなくって自らドラマ版を作りましたがそれは観たことはないです。


そんな『シャイニング』で小指の友達とお話をしたりしたダニーは40年ぶりに帰ってきました。40年後のダニー役は『プーと大人になった僕』でクリストファー・ロビンを演じたユアン・マクレガーになります。


ちなみに小さい頃ダニー役がユアン・マクレガーだったのかと言われたらそうではありません。当時のダニー役を勤めたのはダニー・ロイド。役名と同じ名前なのは運命的ですね。今は俳優業を辞めて家庭教師からの大学で生物学の教授になってたりしてます。ちなみにこれが現在のダニー・ロイドです

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そんな『シャイニング』を知らないよと言う人のために簡単に『シャイニング』とは何か教えます。あくまで前作の『シャイニング』と映画版だけの知識のみです。用は前作でいえば超能力をシャイニングという名前で呼び、劇中では大体テレパシーのような言葉を発さなくても会話ができたり、人が見えない情景が見えたり感じたりすることができるのが大体の能力です。


実際シャイニングがあれば最近流行りの『映画の中でのスマホ問題』も解決するのにね。話さなくても友達に頭の中でメッセージ送れば画面の光も出ないし、「俺たちの楽園のルールを守れ!」とかいう映画ファンもいなくなりますからね。そっちの方がよっぽどスマートですよ


そんな軽く愚痴った所で、実際映画はどんな作品だったのか?最近の名作を続編作る流れに乗った作品は吉と出るか凶と出るか?!早速レビューをしていきましょう!


■ネタバレあり感想

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俺は正直今度なかなか根性ある作品だと観る前から思ってたよ。あの巨匠であるキューブリックの作品をあまり知られてない監督が続編を作るんだからね。ホラー映画の名作として知られる作品の続編はスティーブン・キングが先に続編は小説で制作してますが、それでもやはりなかなかの根性だとは思いました。


個人的な感想を言うとかなり楽しめました。何かしら映画のトリビアとかも知りたいからパンフレットは買いましたが、普段パンフレットは買わないので買うと言うことはそうとう俺も好きな作品なんでしょうね


問題はどう観るかですよね。40年も経ってはいますからスタンリー・キューブリック版の『シャイニング』として観るか、はたまた映画は無視して小説の実写版として観るかなんですよ。かなり賛否が分かれてはいましたが、俺個人としてはそんなにハードルをあげないであくまで「ダニーが大人になった姿を描いた作品」として観てましたからね。


否定的な意見の人も分かります。なんてってたって当初はやはりテレパシーくらいの能力しか表現しなかったのに、いつの間にかX-MENのような表現がなされていたり、恐怖感も正直前作よりは薄いし、誰かと語り合いながら考察する楽しさというのはやはり薄れてはいましたからね。


だけどやはりあくまで前作はキューブリックの良さが現れていたし、前作は前作の良さはありました。それで続編が作られて前作の雰囲気を壊したかと言われたらそうでもないし、最初はその路線だったのに後半からなんか別の路線に切り替わるというアニメや映画なんて沢山あるから、ある意味これはこれで良いし、さっきも言いましたがあくまで「ダニーの成長記録」として見れば特にモヤモヤ感はなかったです。


なんかこれに少し似てるなって思ったがありまして、それが『ジョジョの奇妙な冒険』の第一部「ファントム・ブラッド」というのがございましてね。俺はこの部が一番好きなのですが、最初はジョジョとディオの因縁の対決を軸に吸血鬼のホラーサスペンス寄りだったんですが、後半からいきなり波紋を使いだしたアクションマンガになったりしましたからね。俺はこの映画を見てこれに似てるなとは思いました。


用は続編ものや物語の続きとしての描かれ方は俺的には十分素晴らしいと思うし、大まかな話の軸はぶれてないし、雰囲気もそんなぶち壊してないから別にそこに関しては否定的なことはあまり俺からは言えないかな。


俳優も皆良かったし、映画として観たらかなり面白い部分はかなりあるし、映像表現もキューブリックに似せてきてる部分はあるけど、映像のオリジナリティは感じられましたね。同じスティーブン・キング原作作品の今年公開された『IT2』よりかは感覚的に時間が長いとは感じなかったし、それよりかは映画としては濃い内容だったと思うよ。


何点か残念だったのは、シャイニングの持ち主のアブラちゃんが強すぎてしまったこと。なんかまたキャプテン・マーベルみたいなチート女性キャラを使ってきたかと思うと少しガッカリだったし、強すぎてしまうから敵キャラにこいつら危険だなって感じはあまりしないんですよ。


さらに敵キャラたちが普通の人間と同じように殺せば死んじゃうのは別に良いんですが、ラストホテルに招き入れた理由がそんなにないなと思いました。ダニーの過去のトラウマを克服するためでもあるのは分かります。敵キャラがかなり強すぎてホテルの化け物たちで対抗しようという考えならまだしも、そんなに強くもないからそんなことする必要ある?と思ったりはしましたね。


だから同時に終盤のホテルシーンはやりすぎだなとも思いましたね。序盤の敵キャラの描き方、ダニーがアルコール中毒になりながらもホスピスで患者の死を看取る仕事についたり、銃撃シーンで大半の主要キャラが死んだりするところはかなり面白くて、そこで普通にラスボス倒せばエンタメ映画や続編ものとしては10点中10点の作品だったんですよ


だからこそラストのホテルの登場シーンからのラスボス戦やら過去のシーンのフラッシュバック、ホテルのお化け総登場はちとやり過ぎでしたね。過去のダニーやお母さんなど似てる人を起用して『シャイニング』の後日談を描いているのに、中途半端に前作の映像を取り入れているとだったらそんなに中途半端なら新しく撮影したところはいらなかったし、余計ごちゃごちゃしていたなと思いました。


それらをふまえると、ごちゃごちゃ過去の名シーンや過去作品を思い出させる部分もあったりしたりすると、勝てるであろう敵キャラをホテルに連れてきた理由が、ただ単に「シャイニングの名シーン入れとけばファンもバカみたいに興奮するでしょ?」って感じがしちゃうんですよね。


あのラストのホテルシーンは蛇足感はあったりはしたけれど、全体を通してみればかなり面白い作品にはなってるし、2時間半の上映時間も長いっちゃあ長いけど嫌になる長さではなかったし、どちらかと言うと濃密な時間は過ごせたなとは感じたそんな作品でしたね。


■評価

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最終評価は・・・





😀😀😀😀😀|😀😀😀●●

8/10です。



『シャイニング』の大ファンがこれを見てどう思うか分かりませんが、とりあえず楽しめる作品にはなってるし、今の子供たちが見れば『IT』よりかなりトラウマは埋め込まれることは間違いないでしょう。





はい、そんな感じで!

それでは!