■あらすじ
タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。
■作品紹介
この三人が兄弟なら暑苦しい恋愛聞かされて、剣術やら競技かるた教えてもらえそう
どうも、KOUTAです。
今回はこちら。
佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優の三人が兄弟役の家族なら羨ましがられること間違いなしの家庭なんだけど、なんか問題があるなら「じゃあ別に遠慮しとくわ」となんか嫌悪感漂う家庭にも見えてしまう。そんな映画。
本作は2011年に初公演した舞台を『孤狼の血』などの白石監督が映画化した作品。実は地味に白石監督の作品は初鑑賞と言う俺は果たして無事に生きてかえれるのか(?)
そんな『ひとよ』を今回は紹介していきます。
原作は劇作家、演出家の女優である桑原裕子が主宰する劇団『劇団KAKUTA』の2011年から始まった舞台を映画化した作品。ちなみにタイトルの『ひとよ』は一夜って書くんですね。なんで『いちや』じゃないんでしょうか。そこは観れば分かるか
そんな映画には様々な個性をお持ちの俳優陣が勢揃い。そんな個性的なメンバーを軽く紹介するよ。
まずは今やアクション俳優と言えばこの人の名前が浮かび上がる俳優佐藤健!仮面ライダーから様々なアクションを披露する彼は今回は久々に静かな作品に出演。芸能関係の人はもう少し彼を大切に扱った方がいいよ。
次に映画出演が決まればすぐに体型を変えたがるストイック俳優のひとり鈴木亮平!最近流行りのアプリ『SNOW』の「芸能人で誰に似てるか」って機能で福山雅治で試したら彼の顔が出てきたよ。ちなみに俺がやったら吉田沙保里だったよ
最後は演技が上手すぎて綺麗すぎて世の女性の嫉妬の的、松岡茉優!この間彼女に「女優で誰が好き?」と聞かれたから「今だと松岡茉優かな」と答えたらなんか微妙に冷たい空気が流れたよね。最近寒くなったからね。だけどその話したのまだ暖かい9月の話なんだけどね。
そんな個性溢れる俳優たちがひとつの兄弟を演じ、家族や母を見つめ直すというもう好きな人なら何かしら突き刺さるヒューマンドラマ。どんな作品だったか早速レビューしていきましょう!
■ネタバレあり感想
邦画ってさ、なんか今回もそうなんだけどこういう系大好きだよね。「正義とはなんなのか」「なにが悪なのか」「何かしらダメな部分があれば家族が崩壊するのか」「そもそも家族の定義とはなにか」とかさ。よく飽きないよね。だけど俺はそういうテーマで制作する邦画は大好きだぜ
まぁそれがテーマかって言われたら「うーん」って答えるけどさ、とりあえずザックリしてザックザクに言うなら是枝裕和監督がよくやる家族をテーマにした映画よりかはマイルドなんじゃないかな?たぶん是枝裕和監督の作品が好きな人はちょっと物足りなさはあるけど、たぶんそれでも好きになれるはずだよ。
とりあえずもう演技が今年観た邦画の中ではレベルが高すぎる。特に佐藤健はああいうキャラクターを演じたようにも感じてはいたんだけど、なんか今までのそうしたキャラクターが陸上競技でいうアップ程度で実はこれが本腰入れた暗くて少しダメな男の演技なんじゃないかなって思うわけですよ。もちろん佐藤健の演技は9割素晴らしいんだけどね。
だけどそう言えちゃうくらい思ってたよりもハマり役ではあったし、もう佐藤健には見えなかったから彼はどうどうと「これは代表作です!」って言った方がいいと思うよ。
勿論の他の役者も素晴らしいです。松岡茉優は相変わらず自然で可愛らしかったし、鈴木亮平の演技も俺が観た鈴木亮平の演技の中では一番素晴らしかったと思います。田中裕子が三人の母親かと言われたら見た目ではあまりそう感じなかったんですが、彼女の演技でそれが途中からあまり感じられなかったですね。
どちらにせよ佐藤健を中心に来年の日本アカデミー賞は主演男優賞とかノミネートされても良い気がします。少なくとも佐藤健は主演男優賞受賞しても良いレベルで素晴らしい演技でした。
そうした演技のおかげでこの映画の訴えたいことがより突き刺さった作品だと思います。たぶんどの家庭でも必ずかどうかは分かりませんが、降りかかりそうな場面が多い作品なんですよね。
映画みたいに暴力な父親を殺して子供に影響を与えるとまではいかなくとも、自分が良かれと思ってやったことが実は子供にとってはそれが重荷になったり人生に影響を与えることもあったり。分かりやすいのは「良かれ」ではありませんし、路線はずれますが、劇中で認知症の母の介護疲れた娘がいたりとか。
実際果たして親は親で子供の為と行動したことが本当に子供の為だったのか。けれどそこにはしっかりと子供に対する愛情があり、親も親で子供から親のせいだと言われて苦しんだり、それが空回りしてしまう。家族だからといって全て分かるわけではないから、お互いに気持ちを話し合う時間はあっても良いのかなとは思うし、やはりそんなことで家族の絆は崩れないんだなとも思いましたね。なんかちょっと人間の繊細な部分を見せてきた作品でしたね。
だからこそこうしたリアリティある雰囲気や自然的な演技の中では、ある部分が少しナンセンスに感じることはありましたから結構勿体なかったですね。例えば途中鈴木亮平が妻にタクシー無線で会話するシーンはなんか現実味はなかったし、あそこだけテレビドラマを見てる気分にはなりました。
あとは微妙にひとりの子役の演技が下手だったり、やはり子供がタクシーに乗って運転して母親が乗った車を追いかける というのもそれこそ可笑しな話だったし、しかも切羽詰まったような状態のわりに車内で自分の夢を語りだしたりとかもリアリティがあまりなかったですね。
母親が元ヤクザのタクシー運転手連れ去られてしかも飲酒運転して酔った状態で逃げてるのに、佐藤健が警察を呼ばないという判断もなんかモヤモヤしてしまいましたね。警察沙汰にしたくない気持ちも分からなくはないんだけど、その状態で母親が連れ去られてるんだから嫌でも警察に連絡はするべきでしたね。あとこの映画でカーレースはあまり合わなかったです。
これが例えば大袈裟な演技したり、コメディ映画とかならまだ許せる部分もありましたが、あまりにも良い意味で自然体で映像やらストーリーが繊細で9割の演技も自然的でリアリティあったから、こうした部分が変に目立ってリアリティがないなと思ってしまいました。
ただ全体的には素晴らしい作品で、要所要所にクスッと笑える部分もあったりしたり、脚本も良かったから少し淡々とした雰囲気のある映画に見えて実は2時間があっという間に感じられる面白い作品でした。正直これの前に観た『ターミネーター ニュー・フェイト』の方が長く感じましたね。
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀😀|😀😀😀●●
8/10です。
主演俳優の演技を観たいという目的だけでも全然見に行く価値はある作品でした。とりあえず誰かひとりくらいは日本アカデミー賞にノミネートされてください。作品賞でも良いです。
はい、そんな感じで!
それでは!