■あらすじ
前作から27年後を舞台に、ビル、ベバリーら大人になった「ルーザーズ・クラブ」の面々が、再び「それ」と対峙するさまを描く。小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME(帰っておいで……)」という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが……。
■作品紹介
ケリつけようぜ。2時間49分で。
どうも、KOUTAです。
今回はこちら。
前作『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』から約2年。様々なパロディB級映画や、ニコニコ動画にネタにされながらもついに彼が帰ってきた!本作は劇中でも語られてた26年周期に現れる「それ」をしっかりと生かし、26年後の主人公たちを撮す。
ピエロの怪物は果たして大人になったルーザーズクラブの仲間たちを全員倒すことができるのか?!大人の彼らは俳優人的に強い奴らばかりだし、日本語吹替え版ももっと強い奴らばかりだぞ!大丈夫か?!お前の秘密をひとつ知るなら、その排水溝のこだわり方を知りたいよ!
そんな『IT イット THE END "それ"が見えたら終わり。』(原題:It: Chapter Two)を紹介していきます。
ドラマ版を集めたオリジナルの作品は未鑑賞です。この映画の前作は鑑賞しました。あまり前作は好きな部分もあるんだけど、ホラー映画として観たらあまり怖くない作品の印象でした。常にデカイ音やわざとらしい子供の叫び声で恐怖に見せかけた体験をさせてたっていう印象でしたね。
そんな排水溝ピエロことペニー・ワイズと26年歳をとった子供たちがまたもや対戦するお話。しかもルーザーズクラブの中にはダークフェニックスな女優や、ビーストを宿す多重人格者な俳優だったりとかなり強いメンツも揃えたりしてますね。
また日本語吹替えも超豪華かつかなり強そうなやつらばかり。DCEU版フラッシュの細谷佳正、『ジョジョの奇妙な冒険』空条承太郎役の小野大輔、MCU『マイティ・ソー』シリーズなどのソー役三宅健太とロキ役の平川大輔と神様兄弟揃いぶみ。さらにはイケボの天才諏訪部順一や知らない人はいない声優の神谷浩史など声だけでピエロを倒せそうなやつらが揃ってますね
そんな最強の布陣出揃ったルーザーズクラブと公開までの2年間さんざんネタにされてきたペニー・ワイズ。ついに決着を迎える!そしてペニー・ワイズの秘密とはなんかのか?!早速レビューしていきましょう!
■ネタバレあり感想
ペニー・ワイズ、お前……26年間なにしてた?
正直点数的に言っちゃえば前作とあんまり変わらないんですよね。ただ点数としては変わらないんですが、面白さや恐さとかを含めて全体的に言っちゃえば前作の方が面白かったです。
確かにエンタメ性に溢れた作品だし、前作も恐かったかと言われたら恐くはないんですよ。ただ前作で良かった部分がこの続編で受け継がれていなくて、なにを考えたのか「もっとパワフルな作品にしよう」「もっと前作よりもスケールのデカイものにしよう」とか思ったのでしょうね。続編だしとりあえずこれが最後だから爆発的なやつをやりたいのは十分分かりますが、全て空回りしてるんですよ。
例えばギャグシーンが沢山あってそういう意味では2000年代のパニック映画やホラー映画を思わせるシーンがあり懐かしさはあったんですが、なんかこの映画には合わないんですよね。というのも怖がらせ方もあそこまで来ると笑わせに来てるんじゃないかと思っちゃうし、そしたらそれに負けてるし、シリアスな部分はシリアスな部分で変に真面目になるんですよね。
前作はそのコメディとホラーの区切りが上手くて笑えた箇所は笑えたんですが、この映画はなんかホラーとコメディがごちゃごちゃになってたし、そもそもの話映画事態が製作陣のやりたいことを詰め合わせたような作品だからもう最初からごちゃごちゃはしてましたよね。
コメディで唯一笑えたのはある二人が三つの扉を選ぶ際にひとつの部屋で子犬と戯れるシーンですかね。あれはいい意味でバカらしくて面白かったです。
何より一番は上映時間が長いんですよね。いや長いのでもいい作品とかは沢山ありますが、この映画は正直中盤まで長く感じましたね。ひとりひとりが自分の思い出の場所や思い出の品を探すシーンがありますが、これがやけに長くて多少退屈ではありました。
たぶん「ファンが興奮するだろう」ってポイントを抑えるシーンなのかもしれませんが、これが仮にMCUやってたら興奮してました。ただたかが2年の歳月で2作品しかやってないシリーズで思い出の旅をやらされて誰が興奮するんだって思うし、同時にそうした思い出の品探しの中で自分のトラウマを思い出すというのもありますが、前作を見てる自分としてはもう知ってるから速く次に行けと思っちゃいますよ。
しかもご丁寧にひとりひとりしっかり撮すというのもなかなかの度胸です。知らない人のためのキャラクター紹介がてらのシーンと思えばまぁ良いんですが、それでも前作を知る人からしたらやっぱり退屈なのかな。
映画ではペニー・ワイズの秘密が明かされると宣伝はしますが、別に秘密は明かされません。何者なのか、なぜ26年周期すらも明かされません。まぁ個人的にペニー・ワイズは自分達が妄想した「負」を具現化した存在なのかなとは思ったりはしましたが、それでも映画が「君たちはどう思う?」と観客に投げ掛ける作品ではなかったし、結果としてはやはりあそこまで来たら答えは聞きたいですよね。
ちなみにペニー・ワイズにダメ出しをするなら26年間なにをしてたんだろうね。弱くなってるとは聞いてましたが、それでも恐さを見せる創造力が欠けてたというか、前作とほとんど同じだし物によっては前作の恐さを越えられてませんよ。
けど『シャイニング』とか『遊星からの物体X』などオマージュした部分はありましたが、26年間暇だから映画やアニメを観てそれらにインスパイアされて「次こういう怖がらせ方してみよう」と考えるペニー・ワイズを妄想するとなんか笑っちゃいますね
それから精神科から出ていったキャラクターはなんか蛇足感はありましたね。前作に出てきたキャラの26年後の奴なんですが、別に出てこなくても話しは進められたし、彼がなぜルーザーズクラブの泊まってるホテルを知れたり、なぜマイクの場所を知れたのか少しツッコミ要素のあるキャラでしたね。
それで結局ペニー・ワイズの攻略法は原住民の儀式とかではなく、「希望」だとか「友との絆」とか「負に負けない心」とか「勇気」なのかなと。用はおばけなんていないさって思えばいないし、暗い心があればペニー・ワイズは現れる。そんな恐ろしい創造物から逃れられるには光輝く希望の創造物で対抗すれば良いと言うことですね。素晴らしい
ただディズニー映画を観まくった俺からしたら、もうそんなことは子供の頃からディズニー映画やディズニーアニメで習ってきたんですよ。だからそうしたメッセージ性は個人的には安直すぎて逆になにも響かないんですよ。
それから何が可笑しいって26年もたってるルーザーズクラブの性格やら個性とかあまり変わってないんですよ。町に戻ったから子供の性格の記憶が呼び覚ましたのかなとは思うんですが、26年たてば一人くらい子供の頃とは違う性格になってるやつがいたりとか、アル中がいたりとか、人生に失敗したやつがいたりとかいても良いんじゃないかな?そうすると余計キャラクター紹介で長くなるのか
結局のところまとめると、オマージュ部分や多少のギャグシーンは笑えて、ストーリーは分かりやすくエンタメ性のあるホラー映画ではありました。
ただホラー映画かと言われたらどうなんだって疑問は残るし、そもそもホラー映画と言うよりモンスター映画やパニック映画に近いです。いや、もうそうなんだよ。しかもホラー映画としては絵的な怖がらせ方もいまいちで、音で驚かしてばかりで精神的に恐怖は植え付けられません。
要は何が言いたいかと言うと、勇気や希望の身に付け方が知りたいならディズニー映画を観ろってこと。
ディズニー万歳…!!
■評価
最終評価は・・・
😀😀😀😀😀|●●●●●
5/10です。
一種のエンタメ向け作品として観れば楽しめるには楽しめますが、前作のような面白さや衝撃はあまりなかったですね。たぶん興行的にも前作は越えられないかも知れませんから、変に構えないで見ると良いかもしれませんね。
はい、そんな感じで!
それでは!