■予告
■あらすじ
テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、対照的にいつも自分らしさを失わないクリフだったが、2人は固い友情で結ばれていた。そんなある日、リックの暮らす家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してくる。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。
■作品紹介
♪ どこの誰でもなれるさ 大スター 顔がよければ (ワンマンズ・ドリームII-ザ・マジック・リブズ・オン より)
どうもKOUTAです。
本日はこちら。
巨匠クエンティン・タランティーノ監督作品待望の第9作目の長編映画。今度の舞台は69年のハリウッド!地味に初共演のレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットがコンビを組む!
69年のハリウッドの黄金期を舞台に当時の車をブンブン走らせ、当時の音楽をガンガン流しながら今作で題材になってる、アメリカならタイタニック並みに認知度がある「シャロン・テート事件」を追っていく!
そんな『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(原題:Once Upon a Time in Hollywood)を今回は紹介していきます
タランティーノ作品は大好きです。全部は見たことありませんが、大好きなタランティーノ作品は『パルプ・フィクション』『イングロリアス・バスターズ』ですかね。たぶん『ジャンゴ 繋がれざる者』も好きかも。
そんなタランティーノ作品9作目の主役は2人。ありそうでなかった共演にして実は初共演という『タイタニック』などで有名なレオナルド・ディカプリオと『セブン』『ファイト・クラブ』のブラッド・ピット!
特にブラッド・ピットは私も大好きな俳優ですからタランティーノ作品という理由の次に見る理由がこれでもありました。勿論レオナルド・ディカプリオも大好きな俳優です。
そんなタランティーノとディカプリオ&ブラピが挑むのは1969年8月9日に起きた悲劇的事件でアメリカでは知らない人はいないという「シャロン・テート事件」。
日本ではあまり認知が低いこの事件ですが果たしてこれを題材にどう映画を描くのか?!早速レビューをしていきます!
なお今回はネタバレありのレビューになります。新鮮な気持ちで見ることをオススメしたいので、未鑑賞の方はここでプラウザバックすることをおすすめします。
では行きましょう!
■ネタバレあり感想
この映画を見た理由としてハリウッドの世界観が好きだとか、60年代のアメリカが好きとかそういう訳ではないんですよね。ただただクエンティン・タランティーノ作品が映画館で観れる。それだけでも行く理由にはなるし、行く価値はあります。
それだけクエンティン・タランティーノは魅力的な監督だし、独特な世界観を産み出す素晴らしい監督だと思います。
タランティーノ作品って言っちゃえば結構話に関係ない会話が多くて無駄に感じるんですけど、なんかその会話がつまらないとは感じたことはないんですよね。
そんなこの映画もお得意の会話劇を披露しましたし、映画のたぶん2時間くらいは話が展開しないであろう無駄な会話が多かったです。ただそうした会話も今回もやはり興味深くて、こういう会話だけの映画って俺は作品によって眠くなるんですが全然それはなかったです。
会話一つ一つが興味が湧くし、ギャグのバランスも素晴らしくて、何より会話劇をつまらなくさせなかった俳優の演技も素晴らしいです。俺的に会話劇って演技の中でシンプルながら案外自然とやらないといけないから難しいと思うんですよ。
それをレオナルド・ディカプリオ始めとした俳優人の自然な演技には圧巻だし、皆カリスマ性あるのに俳優としてのオーラを完全に消してそのキャラになりきってたのも素晴らしいです。俺は演技をする人に「演技の参考になる映画はなに?」と聞かれたら、クエンティン・タランティーノ作品を推します。勿論この映画も推すでしょう。
ただ今回も好きな人は好き、嫌いな人は嫌いと真っ二つに別れる作品ではありますね。予告を見てかなりハイテンションなコメディ作品かなと期待したり、「シャロン・テート事件」をしっかり映した伝記映画だと期待して見るとたぶん人によっては不満に思うのかな
笑える箇所はあるけど人によってはあまり笑えなかったり、確かに「シャロン・テート事件」に基づいてはいますがラストでそれをぶっ壊します。ある意味ここもクエンティン・タランティーノ映画らしいですが、「伝記映画のような昔の出来事を再現」したような作品を期待したならガッカリはするかもしれませんね。
特に始めてタランティーノ作品に触れるっていう人はまずはなんでもいいから、タランティーノ作品を1、2作品鑑賞してから見に行くかどうか決めた方が良いかもしれませんね
ただやはりここはタランティーノ。撮影の拘りだとか、演出の拘りは今回も健在でしたね。なんか60年代の車を一日中走らせたとは聞きましたが、たぶんそれも走らせる意味はないんですよw
意味はないんだけど嫌いになれないし、確かに一日中走らせただけあってかなりカッコいい映像が見れたから良かったです。ブラッド・ピットが乗ればかなり絵になるしね
映画的に見て感じ取れたことはたぶん人それぞれだと思います。ただの娯楽作品として見るか、なにか監督が伝えたいことがあってそれを拾うか。俺はこの映画そもそもタランティーノ作品はあまり難しくまずは考えないで見る派ではありますが、とりあえず少なからず感じ取れたことを話します。
劇中であるキャラクターが話したことをそのまま引っ張るかたちにはなりますが、当時の60年代黄金期のハリウッドは殺してばかりです。私もあまり詳しくはありませんが、その年代のハリウッド映画はハッピーエンドは少なかった感じはします。
そうしたフィクションであったとしても殺している形は同じではあるし、そうした殺したり死なせるような映画ばかり撮り俳優たちは裕福な暮らしをする。果たしてそれは良いことなのかというのは伝わりました。俺は今までそこに気に止めなかったのですが、これを見てから「確かにな」とは思いました。
じゃあその問題にタランティーノの答えはなんだったか?ラストそれが分かります。俺がラスト観て勝手に感じ取れたのが…
「うるせぇ!!映画は楽しくて興奮して感動するから映画なんだよ!お前らに何が分かるんだー?!映画サイコー!!!」
たぶんタランティーノ監督はこんなことは思ってないでしょうが俺は勝手にそう感じました。
そこからのナイフは刺さるわ、銃は乱発するわ、犬はキン◯マ噛るわ、女だろうと容赦なく顔を血一色にするわとやりたい放題。
最終的にはプールに溺れてる犯人の女性をディカプリオがなぜか持ってる火炎放射器で水の底に沈めました。これにはジェームズ・キャメロンも大爆笑でしょう
ちなみに俺はこの事件に関してはWikipediaで軽く見たくらいだから強いアレはないです。ないんですが、なんかその事件を知ってからこのラストを見るとタランティーノ監督が…
「あの犯人はなんで死刑にならなかったんだ?!なんで終身刑なんだ?!だったらこの映画で俺が死刑執行してやるぜ!」
とか勝手に俺が思ってたりはしましたね。たぶん違います。うん、違うな。これは俺の戯れ言だと思ってくれて良いし、なんかこういう解釈もあれば良いよね的な感覚で思っててください。うん、逆にこれが映画のメッセージなら俺はこれからタランティーノ作品をどう受け止めたら良いんだ?!わからんからとりあえずここまでにしよ。
強いて不満点を上げるならやはりその黄金期のハリウッドや事件について調べてから望まないとなかなか楽しめない映画でしょう。映画ファンならともかく普段見に行かない人からしたらこの映画はあまり良い評価はしないのかな?
あと日本の宣伝はダメでしたね。「ラスト13分映画史が塗り替えられる」という宣伝をバカみたいに期待した俺も悪いですが、俺の中ではそれのせいでラストを期待しすぎたあまり衝撃度はそこまで高くはなかったですね。
とりあえずこれを観てひとつ言えるのは「映画最高!」