■予告
■あらすじ
離島から家出し、東京にやって来た高校生の帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく手に入れたのは、怪しげなオカルト雑誌のライターの仕事だった。そんな彼の今後を示唆するかのように、連日雨が振り続ける。ある日、帆高は都会の片隅で陽菜という少女に出会う。ある事情から小学生の弟と2人きりで暮らす彼女には、「祈る」ことで空を晴れにできる不思議な能力があり……。
■作品紹介
観賞後のワイ「完全にスタンド『ウェザーリポート』やん」
どうも、KOUTAです。
今回はこちら
3年前それは突如現れた。『君の名は』という映画を公開してロングランヒットを記録し、2016年のアニメ映画いや邦画作品として世間を賑わせた大作を作り上げた新海誠が帰ってきた!
今作はお得意の水の表現を交えて東京を舞台に天気を操る(?)少女と少年の青春を描いていくよ。ただし入れ替わりはしないけどな。
そんな『天気の子』を紹介していきます。
そういえば私がブログを始めた序盤辺りの記事は『君の名は』だったなぁ。今見られると文章能力は無さすぎるし(今もないけど)、ごちゃごちゃしてるから恥ずかしいんだけど。まぁそんな『君の名は』は世間が大絶賛するほどではないけどわりかし好きな作品でしたよ。
ちなみに新海誠作品で他の作品について言うと『秒速5センチメートル』と『言の葉の庭』は見ました。この二つに関してはあまり好きではないです。詳しいことはレビューにしてますので、良ければどぞ。
そんな新海誠作品の待望の新作。かなりギリギリまで作られたその時点で監督の作品にたいする愛が伝わる本作は果たしてどうだったのか?早速レビューをしていきます。
まずは作品紹介!
主人公の森嶋帆高は高校一年生。彼はある思いで自分の住んでいる場所から家出をしてしまい東京の新宿へ赴くよ。フェリー向かう途中あることがきっかけで、オカルト雑誌の記事を書く須賀圭介と知人になるよ。
そんな帆高は漫画喫茶で寝泊まりもできないくらい金銭に困り果て、バイトを探すも見つからず路上で寝たり、東京の人々の冷たい態度に多少の不安を感じるよ。そんなたまたま立ち寄ったマックでもうひとりの主人公である天野陽菜がアルバイトをしており、彼に店には内緒でビックマックを食べさせてもらうよ。ちなみに私はダブルチーズバーガー派。
そんな帆高はなんやかんやオカルトライターの圭介の下で仕事をさせてもらうことになるよ。同時にそこで同じく働いてる大学生の夏美とも知り合うことになるよ。
そんなある日陽菜がアブナイ仕事に連れていかれる所を目にし、帆高は助けることになるよ。だけど陽菜にとっては余計なお世話で、実は母親がいなくマックのアルバイトもクビにされてしまいお金を稼がないといけなかったらしいよ。
そんな帆高と陽菜は知り合うことになり、陽菜は雨が続く空模様を一転して晴れた空にする能力を持っていたことを帆高は知ることになるよ。そこで帆高はその力で稼げばいいのではと考え付き、雨空が続くなか晴れにしてほしい人の依頼をこなす仕事をすることになるよ。
そんな二人が仕事をこなしていく中あることがきっかけで警察沙汰になり、さらには世界を大きく動かす事態にまで発展するよ。果たしてその大きく動かす出来事とはなにか?そして陽菜の力の秘密とはなんなのか?!
というのが映画の大まかなストーリーですね。
この映画をネタバレなしで簡潔にまとめるなら「ティーン向け恋愛映画をアニメだから出来る良い意味で大袈裟に表現した作品」と言えるのかな?一応これでも褒め言葉にしてるんだぜ?
2時間くらいある作品なんだけどそこまで長くは感じない作品でかなり没入して見れた作品だったかな。ちなみに監督自信が「賛否別れる」とは言ってて、なにを指してるのか分からないけど確かに賛否は別れる作品かな。それを踏まえた上で見た方がいいかもね。
それではここからはネタバレありでレビューしていきます。
■ネタバレあり感想
個人的には今までの新海誠作品の中で一番好きかな。たぶんどの層でも分かりやすいストーリーになってるし、誰もが共感しやすい作品になっているかもしれないね。
あとは一番予告から思ってたのは今までの新海誠の作風とかの独特さが抜ききれていて、より一般層でも見やすい作品になっていたんじゃないかな。結構良い意味で新海誠らしくないなっていう部分は見られたし、それが邪魔にはならなくて寧ろスマートになった気がする。
だからと言って新海誠が得意とする美しいアニメーションや音楽の使い方、うまいキャラクターの使い方は相変わらず健在だったよ。勿論たまに出てくる頭がお花畑の中学生が考えるライトノベルのような台詞も健在だよ。
ストーリーに関してはさっきも言ったね。改めて言うと沢山の人が言うようにボーイミーツガールの爽やかな恋愛映画って感じかな。けど劇中では「EZ DO DANCE」は踊らないよ。あ、けど「恋ダンス」は踊ってたね。このネタ分かるかな
そんな爽やかな青春映画をアニメ映画だから出来る大袈裟な表現や演出でより盛り上げていた印象があったかな。ただそれでも盛り上げるだけという訳ではなくて、アニメーションの中に何かしらちゃんとした理由があってこうした演出をしているっていうのは目に見えて分かるんだよね。例えばラスト帆高が線路の上をダッシュしたりね。
ラストまでの流れは人それぞれの価値観によって賛否は別れそうだけど、そこまで嫌いという人は多くなさそうかな。映画の中身的に私から見たらふたりの子供が大切なものはなにかを自覚したり、その上での覚悟の話であったかのように思えたんだよね。
「覚悟」が道を切り開く!!
その覚悟した上での世界を犠牲にして愛してる人と共に暮らす選択をしましたからね。ひとりぼっちだった二人が互いを知り、二人になっていつしか愛を知るとかなかなか良い話ですよね。こういうのなんかの映画で見た気がするな…。なんだっけ。
あとは東京の雰囲気と天候が対面的になっていたようにも感じましたね。勿論雨が降れば東京の嫌な部分、晴れたら東京の良い部分が見れるという演出はありましたが、全体的に見終えた部分で言えば、
「世界や世間は天気のように変わりに変わって荒れるけど、愛してる人がいればそんな世界でも生きていけるし大丈夫だよ」というメッセージ性があるように感じましたね。
ちょっと細かい点で考察しないといけない部分は私の頭では追い付かないので他の方々の記事を読ませてもらうとして、だけど映画全体的なメッセージ性としてはたぶんこういうのが含まれてるんじゃないのかなと私は思います。
細かい部分で気づいたことは、一番映画を見ていて驚いたのはアニメのビジュアルが変わったことかな。かなり変わりましたね。子供だからそういうタッチの画風にしたのかと思いますが、他の脇キャラは新海誠作品ではあまり見ない珍しいビジュアルのキャラが多かったですね。(占い師女性とか)
そういう意味では「大人向けのアニメ映画」というより「誰もが楽しめるアニメ映画」にシフトチェンジをしてました。私はこれでも別に違和感なかったし、逆にこうした路線もできるんだなと新しい部分を見れた気がします。だからストーリーやアニメーションも子供も楽しめる内容かもしれません。
ただ映画が若干荒い部分があって多少自分達で色々解釈をしなければいけないかもしれませんね。例えばキャラクターの深堀がそこまでされているかと言われたらそうではないし「この人に何があったのか」と多少考えたりはするでしょうね。
けど上手いことにキャラクターの過去などで好きにさせるというよりキャラクターの性格や行動、気持ちで好きにさせるのが新海誠なんですよね。これは『君の名は』でもそうですが、別に深堀りしなくてもいつの間にかそのキャラクターを好きになってて応援したくなるんですよ。今回もそうでした。
声優について個人的なベスト声優は本田翼でしたね。彼女だからこそ出来るキャラでかなりハマってたと思いますし、劇中で一番好きなキャラが最終的にこの本田翼演じた夏美でした。
たぶんしっかりオーディションはしたと思います。もし宣伝目的であれば本田翼以外良い人は沢山いるだろうし、主役の二人をあまり名前の知られてない俳優を起用したりはしないでしょう。たぶんしっかりオーディションはしていると思いますよ。
ただ一部下手なやつはいましたね。かなり脇役ですぐに忘れるキャラなんだけどあまりキャラと声が合ってないやつがいました。あと平泉成が平泉成。「母さん」
多少の不満点を話すと今回も音楽はRADWIMPSで彼らの音楽は予告で流れた2曲は最高でした。『君の名は』で感動の押し付けがあった音楽の演出も今回は抑えててしっかり役割にあった曲の出しかたをしてましたね。ただ逆に今回の気に入った2曲以外の曲があまり印象に残らなかったなという感じでした。「大丈夫」という曲は良い曲だったのは覚えてるのでまた聞こうと思います。
ナレーションの台詞がやはり今回もポエムみたいなのが気になりました。けど過去の話として帆高が語り、帆高は圭介に「文章は良いな」と言われたからたぶんそこら辺が得意で多少ポエムみたいになったんでしょう。けど今までの作品たちと比べるとまだ弱いほうです。
そのナレーションも使うのは良いんですが目で見て分かることをいちいち口に出さなくても良いです。例えば「鳥居をくぐった」とか説明しなくても良いような目で分かるどうでも良いことを伝えたりしててそれは少し気になりました。
とりあえずこれくらいかな。
ちなみに今回もサプライズがあり、『君の名は』のキャラクター瀧君と三葉が登場します。他のキャラクターたちも出てた見たいですがどこにいるか忘れました。前回『君の名は』では『言の葉の庭』のあの雪野先生が登場したと話題になりましたが、今回もたぶん話題になるでしょう。
ただ個人的にはこれはただのサプライズゲストとは思わないんだよね。なぜなら、天気を操る女の子が現れても特に周りはそこまで気にはしないんだよね。たぶん変な反応をさせると物語がややこしくなるから、「そうした女の子を受け入れるファンタジーな世界」として見たら分かるけど、それでも何かしらの反応はあるよね。
そしてあの瀧君たちが登場しているとなると、この映画は『君の名は』としっかり繋がっていて『君の名は』でのあの隕石の件があったから対した驚きもなかったかのように思えるんだよね。『君の名は』での隕石、『天気の子』の永遠の雨と東京大洪水。これは新海誠がなにかただの映画の続編でもなく、MCUのようなユニバース化でもなく、なにか大きな一大プロジェクトを始めているんじゃないのかな。これが新海誠作品すべて繋がったら面白いよね。
■最終評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺⚫⚫
8/10です。
個人的には新海誠作品のなかで一番好きな作品でした。アニメーションやキャラも良いし脚本もしっかり大切に作られているんだなと分かります。誰もが楽しめる作品なので夏休みに楽しむにはピッタリな映画だと思います。
はい、そんな感じで!
それでは!