■予告
■あらすじ
元殺し屋の天才シェフ、ボンベロが店主をつとめる殺し屋専用の食堂「ダイナー」。日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に身売りされてしまった少女オオバカナコは、ボンベロに買われウェイトレスとして働くことに。ボンベロが「王」として君臨するダイナーには、全身傷だらけの孤高の殺し屋スキンや、子どものような姿をしたサイコキラーのキッド、不気味なスペイン語を操る筋肉自慢の荒くれ者のブロら、ひと癖もふた癖もある殺し屋たちが次々とやって来て……。
■作品紹介
あ"あ"あ"あ"ー"ー"!"キ"ン"キ"ン"に"冷"え"て"や"が"る"(鑑賞時に飲んだメロンソーダが)
どうも、KOUTAです
本日はこちら。
あるときはバトルロワイヤルで生き残り、あるときは新世界の神、あるときは包帯ぐるぐるで国取りをし、あるときは借金を背負いざわざわし、そんな壮絶な人生を送った(送ってはいない)藤原竜也が今回は何を反省し何を落ち着いてるのか壮絶な人生から離れ料理人になる。
それだけでも面白いのに元殺し屋というまた壮絶な肩書きを背負わされ、さらに殺し屋専用ダイナーという結局彼に休息はなく殺し屋たちとひとりの少女と共に小さな戦場を駆け巡る。
そんな『Diner ダイナー』を今回は紹介していきます。
原作は未読。だけど小説があってそこから漫画になって今に至ってるっていうのは知っているよ。特別な期待感はなかったけど藤原竜也が主演してて、また闇の世界で活躍するキャラを演じるって聞いたらそりゃあ見たくなりますよ。
それにあれだけ何回も予告で「ここの王だ」とか「砂糖一粒までもが俺に従う」って聞いたら見たくなりますよ。ある意味宣伝はうまかったのかな?
そんな写真家でも有名な蜷川実花と藤原竜也のタッグの映画はどんなものだったのか?早速レビューしていきましょう!
ま"ず"は"~"~"~"作"品"~"~"~"…"…"紹"介"!"!"
母親にも離されたいつもひとりで料理は得意なオオバカナコは自分の暗い世界を照らしてくれたメキシコの写真を見てメキシコへ旅立つ決意はするけどお金がなかったんだよ。ちなみに最初オオバカナコを「オオバカ ナコ」と区切った人はたぶん自分以外にもいるよね?
そこでカナコは日給30万の明らかに怪しい仕事に手を出し、その前に占いでのアンラッキーカラーの黄色の服を身につけ、さらにUFOキャッチャーで自分に似た人形が捕まり闇の底へ落ちるという粋な演出を見せて、明らかなフラグを立てまくるよ。見事カナコは闇の組織に身売りされるよ。
そんな彼女が目を覚ますと「実写映画に出させたら成功間違いなしナンバーワン俳優」の藤原竜也演じるボンベロが勤める「殺し屋専用ダイナー」にいることが分かるよ。
24時間365日働き、寝るときや食事はボンベロが決めるなどブラック企業以上ブラックな場所でカナコはウエイトレスとして働かされるよ。
そんなダイナーに集結する殺し屋たちは一癖どころか二癖あるくせ者ばかりだよ。例えばもうひとりの夜神月である窪田正孝演じるスキンや、筋肉体操している武田真治演じるブロ、子どもの容姿をしたサイコキラーの本郷奏多演じるキッドなどが現れるよ。
果たしてカナコは無事に生き残りもとの世界へ帰れることができるのか?
というのが映画の大まかなストーリーだよ。
もっと細かくするとストーリーは色々あるけど少しネタバレが含まれそうだから予告でも分かる程度の作品紹介にしたよ。まぁ語れるほどのストーリーがあるかと言われたら正直この作品中身ないんだけどね。
ネタバレなしで一言この作品を話すなら…この映画が「想像力がないやつは死ね」と言うけど、その言葉を少し借りたら「想像力がない頭からっぽな人が楽しめるる作品」かなと思うよ。少し言い方はキツいけどね。
それではここからネタバレありでレビューをしていくよ!
■ネタバレあり感想
正直話すことありすぎて、何から話したら言いか分からないよ!
たぶん私が映画好きの方から今後ないであろう「映画のなかでキャラクターをしっかり描かれてないくて、中身がない映画ってありますか?」という質問が来た場合たぶん数ヵ月はこの作品を推すと思います。
単刀直入に結果から話すとかなり中身がないです。たぶん映像で勝負した映画なんでしょうが映像も映像だし、確かに映画は映像が綺麗だったり美術的なものなら尚更良いですが、私個人としては映像より話の内容が大切だし意味のある芸術的な映像が好みなのでそんなことはどうでもいいのです。
たぶんここら辺は好き嫌い別れるのかな?蜷川実花さんは正月にディズニーとコラボした商品を発売したことがありました。それが好きならたぶんこの映画の映像は好きになるかもしれません。
じゃあ映像の話に入ってるから先に映像面から話しますか。さっきから言ってますが映像は確かに綺麗で美術的だと思います。ダイナーのセットや衣装もこだわりがあるなと思いました。ただひとつ言いたいのは、例えばある綺麗な景色を見たあと私の感覚的に二つの道があると考えてるんです。
ひとつは「綺麗な景色を見て感動をし、数字間後にまた見たいと思えたり、次の日になっても余韻が残る」ような景色。二つ目は「綺麗な景色を見て感動はしたものの、数字間後には特に思い返してもその時の感動は呼び起きなく、次の日にはその感動どころかどんな景色だったのか曖昧になる」ような景色。この映画の映像は私的に明らかに後者でした。
突発的な綺麗な映像が多く余韻は残さないし、そこから映像で何かを読み取る面白さはないし、簡単に言ってしまえば取り合えず自分の芸術的な写真を「いいね」欲しさに撮りたがる何の気持ちが込められてない中身のない若い女性が撮った欲が滲み出たインスタの写真と同じです。
劇中で「誰のために料理するかが大切」と語っておきながらこの作品の映像や演出は何かと監督の自己満足に近いものです。「ねぇ!私が監督した映像素晴らしいと思わない?いいでしょ?素晴らしいでしょ?」と言ってる気がしてなんか腹立ちます。
花瓶が落ちて花が散るのは分かるけど、それから十何分も花を上から散らせる意味ある?無いと思うよ。スプリンクラーが作動してもまだずっと花が上から散るとか新手のギャグと思ったからね。誰だよ、スプリンクラーに花植え込んだのは。
意味が無いと言えばアクションも意味のないアクション多かったなぁ。元々のアクションがワイヤーでやりました感あったり、見にくいし良いアクションじゃないわりにラストバトルのアクションに繋がりがしっかりなされてないんですよ。
それもそのはずで中学生が考えるカッコいいアクションをダイジェストに送った感じでしたから、そりゃあ繋がりが悪い訳ですよ。全ての邦画がそうとは限らないけど「やる意味ある?」って言いたくなるアクション多いよね。壁を無駄に走ったりさ。
これは壁は走りはしなかったけど、横に倒れながら銃を撃つシーンとかダサかったなぁ。しかも敵も同じようにやるから尚更ダサい。
この中学生が考えたアクションも「カッコいいでしょ?」と前面に押し出してくるからたまったものじゃありません。
あとこれは考えすぎなんだけどさ、なんかオマージュというよりパクリのようなアクションもちらほら見られたかな。「マトリックス」とか「ダイハード」を思わすようなシーンが。あ、「マトリックス」20周年おめでとうございます。
キャラクターについて話すと、このキャラクターも8割りは存在する理由ないです。一番キャラクターとしてしっかり描かれてたのは窪田正孝演じるスキンかな。彼のキャラクターとしてのバックストーリーがより見たかったなぁと思うくらい印象は深かったです。
それ以外のキャラクターに関しては大抵見た目のインパクト重視で中身がしっかり描かれてません。全員を描けとは言いませんが多少のキャラ付けはできるはずのキャラがまったくされないorしてるように見せかけたようなやつらばかりです。
例えば料理の好みやこだわりでそのキャラを描くことはできたはずです。なんですが、それを出来てたのはスキンだけで他にもしてるキャラもいましたが、結局そこから始まるキャラクターの色づけばなされてないし、普通の殺し屋として終わります。ミカンのスジがあるのが嫌いな人や、綺麗な虫を食べる奴とかいたのに勿体ないです。
てか私思うのはあんな奇抜なファッションしていて殺しなんて出来るのかなと。殺し屋って出来るだけ目立たないで動きやすく瞬時に仕事しなきゃいけないイメージあるから、あそこまで奇抜な奴等いると逆に怪しまれるでしょ。この映画がジョジョの世界なら分かりますが。
あとこれも邦画の典型的なアレですが、殺し屋叫んだりヒャッハーしたりする奴多すぎ。実際サイコキラーとか殺人鬼とかそんなにヒャッハーしませんよ。結構普通の人を装って突然殺人とかしたくなりますから。吉良吉影とか良い例ですよ。
ヒャッハーな殺人鬼のイメージを未だに貫いてるのたぶん日本だけかもしれませんよ。『北斗の拳』読みすぎ。
この映画の殺し屋ってなんでそんなに爆弾や爆発するような武器を使いたがるの?結構なキャラが結構な数で爆発するけど、もう殺し屋って言うか戦場で数々の人を殺した戦争経験者の感じですよ。ファブルでもしなかったぞ。
てかそこを吉良吉影の良い部分に使うなよ!!
そもそも殺し屋としての怪しさとか不気味さとかがないですよね。やはりインパクト重視で見た目が怖い奴等はいるけど、殺し屋としてのカリスマ性とか「こいつを怒らせてはいけないな」っていう怖さがまったくないです。そこら辺は逆に俳優のカリスマ性にかき消されてしまったのかな。
ちなみに自分達のボスを殺したのは誰かっていう犯人探し要素もありましたが、正直これも馬鹿馬鹿しいですよね。事故死に見せかけた殺人という根拠が憶測でしかないし、窪田正孝演じるスキンがオオバカナコに渡したキャンディが入ってる缶に犯人の名前が書いた包み紙が入って、その名前の人物に問い詰め犯人扱いするというコナンでも呆れるミステリー要素があります。
あるアイテムでその人物が特定されるなら分かりますが、死んだ人間が書いた犯人の名前の包み紙だけを見てそいつを犯人扱いするとかどんだけ純粋なんだよ。てか待って。映画見てきて思ったのが、こいつら殺し屋の癖に脳筋過ぎない?ジョン・ウィックとか見てきて頭の良いイメージあるんだけど、殺し屋って脳筋はかりなの?
そんな犯人を見つけたら見つけたで一応犯人に犯行の動機を聞きます。どうやらビジネスらしいです。詳しい動機になってませんね。どうやって殺したかもわからないし。
てかこいつらあんだけ部下や敵に対してバンバン躊躇なく殺してたくせに、犯人の動機はいっちょ前に聞くんですね。脳筋でも話は聞きたいんですね。
伏線らしき伏線も引いておいて、別にそんなことはなかったってやつも多いですよね。まぁ変に信用した私がバカなんですが。あのスキンから貰ったキャンディも犬に渡して食べさせて、けどそのまま無事だったり。普通の飴ちゃんでした。
億越えのワインも話の展開に必要かなと思ったらあんだけ引っ張っといて特に大きな話に持っていかなかったり。てかあのワイン明らかに水でしょ。
この映画第二のメインとして料理も映し出されます。数々の料理が登場し、確かに美しいしすごい料理ばかりですが、料理として見ると見ていて「美味しそう」とか「食べてみたい」という気持ちには一切なりません。インスタ映えを狙った見た目重視の料理ばかりでした。なんか量も量だからたぶんそこら辺の女子高生なら写真撮ってゴミ箱いきでしょ。
俳優人に関しても皆演技はよかったと思います。ただ彼じゃなきゃいけないっていう奴がひとりもいなくて、どのキャラも誰でも演じられそうだなっていう奴ばかりでしたね。俳優目的で見に行くならまだ良いかもしれません。小栗旬に至っては可哀想だし反面、虫を食べて水に浮かんだら金が貰えるんだから楽な仕事ですよね。虫は食べたくないですが。
ラストはもう蜷川劇場でしたよね。いや最初からそうなんだけどさ。蜷川幸雄が出た時点でもう色々察して結局は蜷川実花の自慰映画だし、蜷川幸雄って素晴らしい方だよねって世に伝えるムカつく映画でした。
初っぱなの舞台演出もクドイし、蜷川幸雄をボスにして俳優たちが口々に台詞のなかに「ボスは素晴らしい」とか称賛してると思わせる台詞が入ってたり、最終的には藤原竜也の台詞のなかにも「私を育ててくれたのはあの人だった」と感謝を述べさせたり。気持ち悪くってしかたないし、感謝なら映画じゃなくても出来るだろ。
蜷川実花による蜷川実花ための自慰作品で、見た目だけを重視し中身を何も考えてない一体ディズニーで何を学んだんだと言いたくなる作品でしたね。
さらに蜷川幸雄を称える映画でもあり、視聴者はおいてけぼりの製作陣の自己満足作品にもなっていました。てかこれを作るなら勝手に蜷川幸雄と関わった人呼んで同窓会やれよ。
■評価
最終評価は・・・
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0/10です。
はい私的には今年を代表するクソ映画です。あまりにも馬鹿馬鹿しくてこれを映画って呼ぶには酷すぎる作品に仕上がってました。もしMVを見てるなら分かりますが、MVを見てる気分になるかと言われたら別にそうでもないです。たぶん人それぞれではありますが、ムカつくポイントは一回はあるでしょう。
はい、そんな感じで!
それでは!