■予告
■あらすじ
1970年代、ワシントン州。建築家を夢見るハンサムな独身の技師ジャックは、ある出来事をきっかけに、アートを創作するかのように殺人を繰り返すように。そんな彼が「ジャックの家」を建てるまでの12年間の軌跡を、5つのエピソードを通して描き出す。殺人鬼ジャックを「クラッシュ」のマット・ディロン、第1の被害者を「キル・ビル」のユマ・サーマン、謎の男バージを「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツがそれぞれ演じる。
■作品紹介
家を建てるならマインクラフトで豆腐ハウス作るのが早いでっせ旦那。
どうも、KOUTAです。
今回はこちら。
それは第71回カンヌ国際映画祭にて日本の『万引き家族』で世界が感動に包まれた裏では、この作品が100人以上の退席者を出すも上映後スタンディングオーベーションが起こるというまさに観客内の地獄絵図を映画祭で作り出すという怪作。
本作は殺人鬼ジャックの5つのパートに分け、彼なりの殺人哲学、芸術、愛、世論を語りながら彼がいかにして地の底へ落ちるかの以外とクスッと笑えるスリラー映画。
そんな『ハウス・ジャック・ビルト』(原題:The House That Jack Built)を紹介していきます。
カンヌでの出来事はこの映画が日本で公開されるよって話を聞いた辺りで知りましたが、かなり気になってた作品ですよ。なんてったって途中退場者が続出するのに喝采を浴びた作品なんてなかなか聞いたことないですから。
けどまさか今月公開とは思いませんでしたよ。私の情報収集不足ではありますが8月あたりかなと勝手におもったら今月と言うね。今回はそんな気持ちの整理がしきれてない私がどんな映画だったのかそのレビューをしていきます。
ちなみにこの映画ネタバレというネタバレらしき部分はラストくらいで、今から話す作品紹介でたぶん物語の中盤くらいまでネタバレあると思うから気を付けてね。
まずは作品紹介!
真っ暗な画面のなか、本作の主人公であるジャックとある姿が見えない年老いた男性との会話から物語はスタート。私はここのシーンで会話の内容からジャックは教会に行き懺悔室にいるんじゃないかと思ったよ。そんなジャックの殺人鬼になるまでの過程を5つのエピソードに分けて映画は進行するよ。
①道中で助けた女性がかなりウザかった件
ジャックが最初に殺人をする物語だよ。林の中ジャックが車を走らせていると道中タイヤがパンクしてしまい助けを求める女性を発見するよ。彼女がジャックの車に乗り込むと「この車に乗ったのは失敗だった。あなた殺人鬼みたいだから」と新手の煽られ方をされてから、彼女の天国までのドライブがスタート。
その後もジャックは忙しいのにも関わらず道具を修理してくれる鍛冶屋へ行き、また戻って車を直すも道具が壊れ諦めたとき彼女は「家まで送ってほしい」とワガママを言うよ。堪忍袋の緒が切れたのかジャックは衝動的に彼女を撲殺してしまうよ。ここからジャックの殺人に首ったけな物語がスタートするよ。
この殺人に関してはまだ感情的でたまたま殺したような感じだったから、まだ殺人の快楽とか美学には目覚めてない状態なのかなと私は思うよ。
②:突撃!隣の殺人犯
次に彼は見知らぬ女性の家に侵入し殺人をするためジャックは警察官に装ったり、色々な話術で家に侵入しようとするよ。ジャックはある手口で家の侵入に成功。女性の首を何度か締めて殺すよ。
ここら辺でジャックは殺人の衝動が抑えられないようになっていくのが分かるし、途中から自分の殺人をする意味を知るよ。同時にジャックという人物がどんな性格でどんな人間かというのをここのエピソードで出していくよ。同時にかなり計算高く、運がかなり良く、さらに子供の頃からもかなり人とずれた思考を持っていることも分かるね。
③そして父にならない
その次にターゲットになるのは子持ちの母親だよ。彼女と子供たちでピクニックデートをしながらやっとまともな人生を送っているなと思わせてくれる安心感と何をしでかすか分からない緊張感を与えるよ。
子供たちと親交を深めるため猟銃でのライフル銃などの扱い方や動物の狩り方、実際に撃たせたりすると同時に謎の男に羊と虎の関係性や狩猟の歴史やらを話すよ。
まぁそんな彼がまともな安心感をくれるわけもなく、母子たちに安心と信頼と愛を奪い恐怖を叩き込むというまさに違う意味での「万引き家族」になるよ。
ちなみにここでのエピソードの殺し方や、残酷さ、伏線回収具合なんかは私の中で一番好きな部分でしたね。
論理的にどうなのっていう感覚からしてたぶんここのエピソードでカンヌでは退室した人多かったんじゃないかなって予想してるんだけどどうなのかな?
④:恋人はサンタクロース……じゃない
そんなジャックは愛がなければ恋したことないのか。いやいやあるんですよ。
そんな恋をした彼女はジャクリーンと言いますが、ジャックからは「シンプル」というあだ名を付けられてるよ。ちなみに意味はバカと言う意味らしいね。
そんな映画の殺された女性の中で唯一名前がある彼女はジャックのおかしな言動に疑問を持ち始め、ついに警察に助けを求めるも酒の飲み過ぎだとスルーされるよ。
最終的にはもちろん殺されるけどこの殺され方は嫌いな人は嫌いだから目を瞑っても良いかもね。ここでジャックなりの世間の見方、男女間の疑問を提示したり、なぜ女性ばかりが出てくるのかという謎も分かってくるよ。彼なりの世論の考え方には結構共感する部分もあったかな。
そんな4つのエピソードを送りラストの5つめのエピソードである話が大きく揺れ動く出来事が現れるよ。果たして彼の物語はどこへ向かうのか。そして誰しも忘れていた彼の家を建てる夢は叶うのか?
というのが映画の大まかなストーリーですね。
多少自分の感想も踏まえちゃったからネタバレありの感想は短めになるよ。
そんな映画のジャンルを言うならスリラーではあるんだけど、なんともスリラーでは抑えられない様々なジャンルが加えられた作品でそのわりにはバランスがしっかりしてたし、伝えたいことも抑えられてたのかな?
スリラー映画シリアスキラー映画として見に行ったら裏切られて後ろから別のジャンルの映画に刺されていた感じ。ある意味ジャックの性格のような作品であって、一概にスリラーとは言えないよ。
あとネタバレなしで言うなら別にそこまでグロさはないけど、気分が悪くなる人は悪くなるね。
それではここからはネタバレありでレビューをしていきます。
■ネタバレあり感想
この映画はなんか宗教的な関連性があるメッセージがありそうだし、社会的に訴えてる部分があるのかなと思うんだけど私は毎度のごとく考察は苦手だし下手くそだから今回も考察はしない方向でいくよ。
映画としてはスリラー映画なんだけど大分ジャンルをひとつにまとめずらいそんな作品だっかな。スリラー的要素は勿論あるし、終盤はファンタジーで劇中ではブラックコメディ要素もたくさんあったよ。個人的には最近見た『スノー・ロワイヤル』より全然笑えたかな
勿論ゲラゲラ笑えるようなものじゃないよね。なんてったってグロいのがたくさんあるんだから。だけど何故かニヤニヤしてしまうし、「おー…www」とか「あーあww」っていうなんか湿気たような感覚が似合うのかもしれないね。現に私がそうだから。
映画の流れとしては主人公ジャックがいかに芸術と殺人をリンクさせて話していくか、そして彼が普通とは少し違う人間だったのにいかにして地獄の底へ落ちるのか。その様を見てるような映画だったかな。
結構個人的にはジャックの言いたいことに共感した人間のひとりで、結構彼の意見には納得しちゃうんだよね。例えばエピソード4の時にシンプルに言った発言。台詞はかなり違うんだけど「どんなに叫んでもこの町、この国、この世界は誰も助けてはくれない」「なんで男がいつも悪いんだ?俺たちはただそこにいるだけなのに、女はいつも男を悪者にする」(全然覚えてなくてすいません。)
結構「確かにな」って言う部分は多く見られたし、逆にこの映画で勉強になったような部分もありましたね。勿論殺人の方法とかじゃないよ?!
それと同時になんで日本でノーカットで上映されたんだろうって言う謎の見解にたどり着きまして。
というのもなんか日本の人間性と映画の伝えたい部分がリンクしているように感じました。なんかジャックみたいに全員がそうではないんですが人を見下していて、助けを求めても誰も助けてくれない、あとはやはりいつも男が悪者扱いされてしまったり。たぶん他の理由があるかもしれませんが、ノーカットにしたのはそうした日本人の人間性がジャックのようになりかけてるんじゃないかという警告を出したかったのかも知れませんね。考えすぎですね。ごめんね
そんなジャックの殺人も結構魅力的で特にエピソード3の鹿狩りになぞられた殺し方には謎の鳥肌がたちました。鹿狩りはどうやら鹿の家族がいれば子鹿から狙ってラストに一番大きい鹿を狙うらしいですね。そんで勿論子供から狙うジャック。ここで彼がどれくらい人を人として見てないか分かりますよね。ちなみにこのあと死んだ子供にご飯を食べさせたり、死んだ子供を無理矢理笑顔にさせたりと不気味なシーンが連発しますが。
スリラー的な要素で好きだったのはエピソード4とエピソード2かな。エピソード4は殺し方としては大抵予想はつきましたが、スリラー映画としての映画的な怖さと面白さはあったし演出は上手かったなと。
エピソード2に関してはまた殺人の手口的な話なんだけど結構ジャックは自分に自信があった人物なのかなと分かりましたね。
というのがエピソード2は警察のふりしたり、エピソード4は松葉杖をついたりして女性を騙したりしてましたが女性を多く狙った彼は「狙いやすかった」と言いますが女性が彼に近づきやすいくらいハンサムで彼もそれを利用して殺人を行ったのかなと思います。これは実在の連続殺人犯のテッド・バンディを思わせますよね。
まぁだからと言って彼の美学的な殺人や殺人方法、彼の考えに共感はしますが好きになれるかと言われたら話は全く別で彼が地獄に落ちて光の中の闇に落ちたラストは「やったぜ」と思いましたからね。ある意味魅力的なキャラを嫌いにさせるというのはなかなか映画を作る際難しいことだから良く出来たなと思いますよ。
結構個人的には大好きな作品なんだけど、賛否は別れるし人にはオススメしずらい作品の1つですね。会話劇が多いから「化物語」とか好きな人には好きかもですね。オチはないよ。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺
10/10です。
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
なんかね、大好きだけどたぶん二度と見ないだろうなと思ったらなんかまた数日後に見たくなるそんな中毒性も兼ね備えた作品でしたね。オススメしたいけど、あまり人にはススメずらい難しい作品でした。まぁとりあえず見てくれ!頼む!!
はい、そんな感じで!
それでは!