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映画『ブラック・クランズマン』このクソったれな世界に目覚まし時計を!評価&感想【No.558】

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■映画情報


公開日/2019年3月22日

上映時間/135分(2時間15分)

監督/スパイク・リー

製作国/アメリ

■予告


■あらすじ

1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース。署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎ着けてしまう。しかし黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚の白人刑事フリップに協力してもらうことに。電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながら、KKKの潜入捜査を進めていくが……。

引用元:ブラック・クランズマン : 作品情報 - 映画.com

■作品紹介

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あまりにも怒涛過ぎてなぞの感動を覚えたよ!!


どうも、KOUTAです。


今回紹介するのはこちら。
それは多彩な音楽を奏でながら、陽気に秘密結社の内部に潜入するハラハラドキドキの社会派コメディ…と予告の雰囲気だとそうだが全く違う!


それは娯楽性を持ちながらも昔から現代まで抱える問題を全ての社会に衝撃的で弾ける目覚まし時計を監督は作りあげ、我々視聴者の目を覚まさせると同時に込み上げるものを作り上げた傑作品!!
そんな『ブラック・クランズマン』(原題:BlacKkKlansman)を今回は紹介します。 


個人的にはスパイク・リー監督作品はあまり見ていないよ。むしろスパイク・リー監督作品初見と言ってもいいかもしれないかな。一応彼が監督した『25時』(原題:25th Hour)っていう麻薬密売で有罪判決になった主人公が刑務所に入る自由な25時間の姿を追った作品は昔見たから記憶は曖昧だけど良い作品だなとは思います。


25時 [DVD]

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でそんな初見の気分で見た今回の感想なんだけど、私は確かに『グリーン・ブック』も好きな作品なんだけどさ、もし私がアカデミー賞のお偉いさんならこの『ブラック・クランズマン』を作品賞に受賞させてたかもしれない。それくらいかなり素晴らしい作品なんですよね。


どれくらい素晴らしいかしっかり語るのは難しい作品だし、伝えられるか分からないけど今回も頑張ってレビューしていくよ。



まずは作品紹介!

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物語は1970年代のアメリカ。初の黒人警察官であるロン・ストールワースが警察署へ赴き、面接をして、資料係りを嫌々やりながら、ある潜入捜査をして自分がお目当ての潜入捜査官になるところから物語は動き出すよ。ちなみにこれの前に結構映画的にも社会的にも大切な冒頭映像が流れるんだけど、これは是非映画館で見てほしいな。


そんな1979年のある日、ロンはクー・クラックス・クラン通称KKKの新人を募集する広告を見て、ロンは黒人ながらも電話で白人のふりをしてKKK接触を試みるよ。


ちなみにKKKを簡単に説明すると「白人万歳!だけどそれ以外はダメだから!無理だから!」を宣言する秘密結社だよ。かなり簡単すぎた説明だし、もっと歴史は深いんだけど当ブログではこの解釈で行くよ。気になる人はググりなさい。


そんなKKKでの電話での接触は成功するが面と向かう接触はなにが起きるか分からない。そこで彼は同じ潜入捜査官である白人の警察官のフリップにロンのふりをしてもらい、内部の潜入をする考えを思い付きます。


そんな接触も成功し、さらにKKKの最高幹部であるデービッド・デュークをも騙すことに成功。そんな潜入調査した約9ヶ月間のロン達の姿を追った映画になってます。果たしてこの潜入調査は無事に終えることができるのか?!そしてこの映画が迎える結末とはなにか?!



というのが大まかなストーリーです。


ネタバレなしで少し話すなら、私がこの映画を高く評価点のひとつとして伝記映画は伝記映画としてもそれを伝記映画として終わらせないで映画としての表現の工夫や面白さがしっかりあると言うところなんだよね。


やっぱり殆どの伝記映画はリアル志向にするからなのかどれもが淡々としていて、勿論それはそれで良いんだけどそうした映画は薄い味のスープを飲んでる気分なんだよ。この映画は何が起きるか分からない面白さや映画としての独特の工夫点、さらにはただの過去の話として終わらせないという強いメッセージ力もあるんだよ。


だから見終わった人なら分かるけど、大体の人が「まさかの実話」とかっていうキャッチコピーに納得いくと思うよ。様々なうま味を持ったスープを飲んだら実はそれを調理したのが素人だったかのような衝撃に似てると思う。あ、この例えはあくまで私の中での例えね?たぶんこの例えうまく伝わらないと思う。


それではここからはネタバレありでレビューしていくよ!


■ネタバレあり感想

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うまく説明できるか分からないけど、とりあえず私がこの映画を見て感じたのは「現代社会の生きる人々に虚構と現実をハッキリ分からせる目覚まし映画」と言っておくよ。これから私が話すことが全部正しい訳ではないし、解説なんか上手い人は私より沢山いるけど、一人の人間の一部の意見として聞いてください。


キャッチコピーに書かれてる「まさかの実話」とかまるで「嘘だと思うだろ?けど本当なんだ」発言をしてるこれは、まさしくその通りではあるし、さらに事前の知識を入れないで見れば全ての話はフィクションだと思っちゃうんだよね。現に私も事前の知識はあまり入れず見たからかなり衝撃的なんだよ。


一応調べるとやはり一部は監督が好き勝ってやったりしてるところはあったり、ある部分は実は本当ではなかったりするんだけど、個人的にはそこまで別に気にはならないんですよ。先も言った通り私はこの映画を伝記映画でありながら映画としての工夫などうまく取り入れてると言いました。


やはり見るとバラエティ番組のようなコマ割り演出だったりミュージカル映画を思わすシーン、さらには笑えるシーンなんかなど色々取り入れています。これ全て普通に面白いし、ダレる部分はちょいちょいあるんですけど、逆にこれら全てのお陰で怖かったり不安になるシーンのインパクトは絶大なのかなと思います。ある意味バランスがしっかりなされてるんですよね。


監督の好き勝手な本来の話とは関係ない部分や伝記映画なのにフィクションに見える演出。これら全てが合わさって私はあのラストシーンや伝えたいメッセージ性が強く観客の心に響き渡るのかなと思います。


ラスト潜入捜査が無事に終わり、KKKの一件もなんとかなったシーン。ロンは沢山の警察仲間に祝福されハイタッチやハグをするんですよね。私はこのシーン監督が夢見る「白人と黒人の平等な世界」に見えて少し泣きそうになりましたよ。


映画としても事件としても「良かった良かった!めでたしめでたし!」で終わると思ったら、ラストにロン宅に誰かしらノックを叩き外へ行くと窓の外にはKKKが十字架を燃やし、そして今現在のKKKに纏わる映像やトランプ大統領の映像が現れます。ここで映画が「この物語はフィクションではない。今現在でも解決なんてされてないんだ」と私たちを現実へ呼び起こしてくれました。ちなみに実際の映像にはガチで大勢の人を車で轢き殺すシーンもあってかなり衝撃的です。


衝撃的である人にはかなり気分が悪くなる映像です。ただロンたちが向けた銃口の先をしっかり見なければ時代は変われないし、当時の問題と今の時代の抱える問題はまったく同じなんですよ。


デュークが口走ってる「アメリカ・ファースト」という単語を使ってる人が大統領になる時代。そんな時代にロンらは銃を我々観客のいる現代に向けてるのかなとも見れます。


こうした映像の中最後に出てきた逆さまのアメリカ国旗。私的にはアレは「果たして今の世の中は変われてるのか?平等なのか?善悪の価値が逆さまになってるのでは?」と訴えてるように思えます。自分達が目を覚まし変わらなければ、時代も変われないと言うメッセージも込められた作品に思えます。


ようは簡単に私なりにまとめると、「昔と今の問題全然解決してないやん!こんなクソな世界を平等にするにはお前らが現実見ないといけないんだぞ!とりあえず目を覚ませよ、朝御飯は作ってあるからよ!」と言う感じになります。


ちなみになぜ私が平等平等としつこく言うと、やはり黒人もユダヤ系もそうなんですが劇中でも話してるように白人も白人で生きにくい時代なのかなと思うんですよ。誰が正義で誰が悪だとかどうでも良くて、今の善悪の逆さまを元に戻すにはやはりさっきから言いますが現実を見て対策を練らないといけないのかなと思うわけですよ。


私から見た映画のメッセージの受け取りは以上になるよ。たぶんもっと調べたり、また見返したら追記するかもしれないです。かなり熱く多く語れる作品ではあるけど、私は特別世界史が得意じゃないからあまり変に語ると自分も困惑するかもw


また日本でも同じような問題を抱えてて人種差別じゃないけど、「女性が社会進出して女性中心のようになってる時代で逆に男性は生きにくくなってるし、女性も女性でまだまだ問題があるから男女平等な時代は遠いよね。」って話もしようとしたけど話が脱線しそうだし変に批判あびそうだから今回は語らないで起きます。……もし良いなら追記はするかもしれませんが。


この映画は賛否はかなり別れるだろうし、あのラストシーンを私のように必要と思う人もいればやり過ぎと思う人もいるかもしれません。ただやはり今の時代だからこそこの映画を見て目を覚まさなきゃいけないし、目を反らしちゃいけないんですよ。


だからこそオススメしたい作品です。メッセージ性は強いけど、映画としての娯楽性も十分にあり面白い部分は面白いし、逆に怖い部分は怖い作品です。今年を代表する傑作だと思います。


■評価

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最終評価は・・・





☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺

10/10です。

( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆


たぶん今年公開された『ミスター・ガラス』より好きかもしれない。下手したら私のオールタイムベスト映画に入るかどうか。いやわかんねーや。また見てみます。

ただまだ見たい新作映画があるのでDVDの鑑賞にはなるかもですが、なんども見返したくなるそんな魔力をもった作品ですね。是非見てみてください。





はい、そんな感じで!


それでは!