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映画『フォルトゥナの瞳』秘密にするほど衝撃でもないからネタバレありで話すよ。評価&感想【No.545】

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■映画情報


公開日/2019年2月15日

上映時間/110分(1時間50分)

監督/三木孝浩

製作国/日本

■予告


■あらすじ

友人も恋人もなく仕事にのみ生きてきた木山慎一郎。しかし、慎一郎が「死を目前にした人間が透けて見える能力」=「フォルトゥナの瞳」を持っていることに気づいてしまったことから、生活が一変。なぜこのような力を持ってしまったのかを自問自答する苦悩の日々が続く。そんな日々の中で慎一郎は桐生葵という女性に出会い、互いに惹かれあった2人は幸せな日々を過ごす。慎一郎の孤独な人生に彩りを与えてくれた葵という存在。しかし、葵の身体が突然透け始めてしまう。

引用元:フォルトゥナの瞳 : 作品情報 - 映画.com

■Review

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『フォルトゥナの瞳』は、
他人の死が見えてしまう能力を持った青年の姿を描いた百田尚樹の同名小説を神木隆之介有村架純主演で実写映画化したラブロマンス作品。






死を連想させる映画は今年で何本目でしょうか?とりあえず私の記憶だとこの映画で5本か6本目になります。2ヶ月でこの本数だし、まだまだこれから死がテーマの映画が公開されると思うと嫌になります。よく飽きませんよね。だから邦画は世界から見たら時代遅れと言われるんですよ。


そんなこんなで今回はどうやら人の運命が分かる能力を持った人物、詳しく言うなら「死を目前にした人が薄くなってそれが分かっちゃう」能力を持った青年のお話らしいです。


まず言っちゃうと緊張感なくなりますよね。アイデア事態良いんですよ。ただ死が分かるというとなると「いつ死ぬか分からない」緊張感と恐怖ってのが見ているこちらとしては味わえないんですよね。見えないからこそ緊張感あるだろうに。まぁ難病って設定にしても邦画はその緊張感を上手く作り出してはいませんがね。


まぁそれ事態は何歩か譲るとして、脚本があまりにも薄いし設定の生かされ方とか見ると一人の人間じゃなくて、多数の人間が脚本書いてるんじゃないかってくらい曖昧だったりバラつきがあったりするような映画でした。


死の運命を変えてしまったら代償が出てしまうという設定もありです。ただそれがなんともこじんまりしてるというか。死の運命を変えたら自分の寿命が短くなるというデスノートのような代償が出てきます。別にそれに大きな期待をした訳ではありませんでしたが、もう少し『バタフライ・エフェクト』のような大胆さを描いてもよかったかもしれません。


バタフライ・エフェクト』と『フォルトゥナの瞳』は結構な違いはありますが、運命を変える点としては同じです。『バタフライ・エフェクト』の場合は運命を変えると周りの人に影響が及びますが、この映画は自分だけにしか影響が出ません。自分でもどうにもならないような問題をどう解決するかでワクワク感が出るのに対し、この映画は自分自信でなんとかなる問題なのでそうした気分は見てて味わえないです。


神木隆之介演じたキャラの場合よく分かりませんが、自分なんてどうでもいいというような考えで人の運命を助けようとするから余計そこでも緊張感失われますよね。


結構見ていくとツッコミ部分も満載です。序盤で死から助けた人物が知人ではありましたが、終盤有村架純演じる葵の乗る電車で事故が起きるかも知れないからこれを止めます。電車の事故だから大勢の人が死ぬのは分かりますが、葵は助けたのになぜ他の人たちも助けようとしたのか分かりませんでした。別に彼が正義感溢れる人物でもなかったから、ただ彼が勝手に死んで英雄になろうとしたんじゃないかくらいにしか見えません。


慎一郎が小さい頃に能力に目覚めた話はしてますが、大人になった慎一郎が序盤で人が薄く見える場面があります。ここでなんで「初めて体験した」かのような反応するんでしょうか。小さい頃体験してるし、そのあとは特に見えなかったって話もなかったし、ここで初めて能力の存在に知った風な反応するのも可笑しいです。


人が薄くなるのに気づいて死ぬまでの時間が人によって違うのも違和感ありました。最初は薄くなってからすぐに死ぬって感じでかなり短い間隔だったのに、終盤にはその時間差が3日くらいまで伸びてることもありました。これも説明されてないから可笑しいです。


バットで殴ってきた奴が警察に捕まらなかったのに、慎一郎が幼稚園児の手を触って幼稚園に電話しただけで警察沙汰になるのも逆に笑えてきます。仕事仲間が殴ってきたか知りませんが、怪我させたのが明らかに悪いですよね。しかもバット野郎殺す気満々だったのに。




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ここからネタバレを含みます。予告で衝撃のラストは秘密にしてくださいと言ってましたが特に秘密にするような物でもなかったので話させて頂きます。実は有村架純演じる葵もフォルトゥナの瞳の能力を持っていたらしいです。わーびっくり(棒)


最後ら辺で葵目線の話もやるんですが、それでも全然驚かなかったし、むしろ「あ、そうでしたよね」くらいのレベルです。というのも演技下手な有村架純が何かを衝撃的な展開を隠しながら演技することなんて出来るはずないわけで、彼女のやる演技がすべて予定調和だし業とらしいんですよね。「私ある秘密を持ってるんですよ~」みたいな雰囲気出しながらの演技。


衝撃的な展開とか曇天返しはそれまでそうしたものを匂わせちゃダメだと思うんですよ。もうこの映画はそれを匂わせた時点でアウトでした。私だったら葵もフォルトゥナの瞳の所有者という設定をギリギリまで隠して有村架純に葵を演じて貰ってたと思います。


しかも小さい頃慎一郎が飛行機事故で助けた女の子が葵だったという展開もあります。女の子を助けたというのは最後の方で分かるし、それを慎一郎は忘れていたとか、かなり後付け感があります。上手く行きすぎてて、泣いていいのか笑っていいのか…。


一番の謎は葵の行動ですよ。慎一郎の体が薄くなったのは分かりますが、なんで彼女は慎一郎との旅行断って事故が起こる電車に乗ろうとしたんでしょうか。


慎一郎が電車を阻止しようとする計画を知ってたわけでもないし、幼稚園児とか電車に乗ってた人を助けたいって気持ちが現れた描写もないから、彼女に至ってはマジであの時なにしたかったのか。それが最大の謎です。
仕事だったからといっても、慎一郎が薄くなって死が近づいてるのは分かってたはずだから無理にでも放棄して二人で旅行いけば助かってたのにね。バカだねぇー…。


細かい部分を言うと、慎一郎の周りの人たちがかなりの頻度で死が迫ってくるのも逆に可笑しいし、第一フォルトゥナの瞳の所有者何人いるんだよ。ひとりだからいいのに、この映画三人いたぞ。ヒーロー映画でも作りたいのかな?


演技に関しても有村架純は毎度のごとく演技下手だし、神木隆之介は演技上手い方だと思ってるんですが今回微妙でしたね。なんか彼の演技も予定調和で走り方可笑しかったりで、いったい何があったのか。
どうでもいいけど、有村架純劇中顔の大きさが度々変わってましたね。どうでもいいね。


どうやら原作をかなり省いてるらしい情報は聞きましたが、ひとつの映画だとかなりツッコミ部分が満載で、自害賛美映画になっていたので嫌な人は嫌だろうし、ツッコミ部分が多いからコメディ映画として見る人はいるでしょう。


内容も薄いので別にトイレに行こうが、余計なことを考えていようがなにも問題ないレベルの作品でした。


■評価

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最終評価は・・・





☺☺☺⚫⚫|⚫⚫⚫⚫⚫

3/10です。



一時の話題ですぐに記憶の中で薄れていく作品だと思うので、そんな重要視して見なくてもいい作品です。

ちなみにこれからの死をテーマにした邦画で未来から死を助ける邦画と、余命ゼロのもう手遅れな邦画とテーマをそのままにとりあえず斬新なものを産み出すなにも成長しない邦画が公開されます。

もちろん全部が全部そういう邦画ではないですが、とりあえずいい加減誰か死ねば観客が泣く映画をどうにかしてくれませんかね。





はい、そんな感じで!

それでは!