■映画情報
公開日/2019年1月25日
上映時間/101分(1時間41分)
監督/柴田一成
製作国/日本
■予告
■あらすじ
私立巡ヶ丘学院高等学校・学園生活部。シャベルを愛する胡桃、ムードメーカーの由紀、リーダー的存在の悠里、この部活に所属している彼女たちは学校で寝泊まりし、24時間共同生活を送る「がっこうぐらし」を満喫していた。屋上の菜園で野菜をつくり、みんなと一緒にご飯を食べて、おしゃべりをする。そんな楽しい彼女たちの学園生活が、校舎にはびこる「かれら」の存在によって一変する。大量の「かれら」の襲撃に、彼女たちだけで立ち向かうこととなるが……。
■Review
『がっこうぐらし!』は、
2015年にテレビアニメ化もされ、その異色さで話題を集めた海法紀光と千葉サドルによる学園ホラー漫画をまさかの実写映画化した作品。実写化と発表されたときはネットでも悪い意味で大きな話題を呼びましたね。
秋元康プロデュースによるオーディション番組から誕生したアイドル「ラストアイドルファミリー」の阿部菜々実、長月翠、間島和奏、清原梨央の4人が主演。
アニメは鑑賞済み、漫画は未読です。今でもアニメ版のあの衝撃は忘れらません。俗に言う「きらら系」という作品ですが、今までのそうしたユルい作品ではなく、女の子たちのユルさの中にバイオレンス描写や、絶対に扱わなさそうなゾンビを導入したりと色々と衝撃的なアニメでした。
そんな作品がまさか実写化するとは当時はまた衝撃でした。しかも実写化しにくいであろう「きらら系」でファンも沢山いるこの作品が。例えるなら100年何もなく平和だった街に突如大型の巨人がやって来たような。それくらいのインパクトを貰いました。
私は基本アニメの実写化は「あー、発表されたら仕方ないな」と軽く受け止めてますが、今回はかなり否定的な態度を取った自分がいます。「絶対失敗するだろう」「駄作になる」とか映画鑑賞を趣味とする人間として、見てもいないのに評価を断言するというあるまじき行為をしました。
そして訪れた公開日。私はちょっと遅れて鑑賞をしました。日曜なのに人数は少ない。そんな状態でちゃんとエンドクレジットまで見た私の感想ですが……。
とりあえず監督、脚本家、出演された俳優の皆様、その他製作陣の皆々様…
この場を借りて正直に言わせてください……。
公開前に色々否定的に思ってしまい、本当に申し訳ございませんでしたあああぁぁーーーーー!!!!
いやいやいや!!え?はぁ!!?マジで良い作品でビックリしましたよ!!
真面目に話すとかなり良い作品でした。確かにツッコミ部分はあります。ただアニメを知っている身としては、映画のオリジナル部分は入るだろうなとは覚悟はしてましたがそのオリジナル部分も納得いくし、何より実写映画でよく見るアニメや漫画になぞられたり頼ったりする作品ではなく、しっかりとしたひとつの映画作品になってました。
アクションはそんなに多くないですが少なくても見ごたえあるアクションは十分にあったり、盛り上がる所は盛り上がり、緊張感出る部分は緊張感をしっかり出したりとゾンビ映画では必要な要素がしっかり盛り込まれてました。
アニメ版よりも青春模様や日常生活がしっかり描かれていたと思います。勿論数の多さはアニメ版や漫画の方が多いですが、この映画は質としての力が強いです。少しの日常の中で4人の絆が強くなってったり、小さいことだけどちょっとした当たり前の今までの日常が幸せに感じたり、非日常ではあるけどそれが彼女たちの日常なんだとアニメで感じた部分をより強く再確認できました。
それから主演の4人。ラストアイドルというアイドルグループは私は知りませんが、彼女たちの演技は最後まで見ると上手いなとかキャラとマッチしてるなと感じます。というのも序盤は正直演技が微妙だったり、滑舌が悪かったりする部分が見受けられました。
ただ徐々に映画が進むに連れて彼女たちの演技も段々上手くなっていくという、キャラと女優の成長を同時に見れるお得がありました。これが意図して監督がそういう演出にしたのか、彼女たちの演技が上手くなりたまたまなのかは分かりませんが、そうした目でも見れます。
先生演じたおのののかも素晴らしかったです。おのののかの演技は今までのを見るとあまり好きになれませんでしたが、この映画の彼女は演技が上手かったのか、キャラとマッチしてたかそこも分かりませんが、こういう先生がいたらなという憧れを抱けるそんな良いキャラを演じてました。
この映画はどちらかというとB級映画作品として見た方がいいかもしれません。かなり本格的なゾンビ映画を期待するとガッカリはすると思います。(『バイオハザード』とか『ワールド・ウォーZ』みたいな)
またダッシュしたり、壁を上ったり、化け物みたいなゾンビもいません。かなり典型的で基本的なゾンビです。それも踏まえた上で見に行きましょう。
少し不満点を話させていただきます。先程もツッコミ部分はあるという話はしましたが、まぁそういう部分はあるんだろうなとは思ってはいたし思ったより少ないのでそこまでダメージはありません。
まずバリケードですが、大きな音を出すとゾンビがその音に反応し序盤と終盤辺りにバリケードを破り音の方向へ行こうとします。終盤でバリケードをゾンビが破るんですが、結構簡単に壊せていたから序盤でも破られても可笑しくはなかったです。
メインキャラに関わったサブキャラがゾンビになり主人公に襲いかかります。その時知り合いだから思い止まるシーンがあります。それは良いです。
ただそのゾンビになったサブキャラの登場が明らかに殺された場所とは全然違う所から登場したり、殺したはずのサブキャラゾンビが実は生きてたり少しそれがおかしかったです
あとこれは私だけかもしれませんが、キャラたちのシャワーシーンは入れても良かったかもしれません。別にアイドルのシャワーシーンを見たいという訳ではないですが、サバイバルをして常にヤバイ状況の中、次の日には顔や髪が綺麗になってたりしたのが気になりました。制服は洗濯するシーンがありましたから、気になりませんが
別に肌を露出出来なくても、
シャワーキャップアップでシャワーから水が出る→水を止める→別のカットで皆が着替えたりドライヤーしてたりする。
というだけでも彼女たちが「お風呂に入ってるんだな」と分かります。アニメではシャワーシーンがありましたが、映画のあの学校にシャワーがあるか分かりませんが。
あと別に気にするレベルではありませんが、折角なのでいうと一部のCGがCG丸出しだったのは残念でしたね。まぁ低予算ですから仕方ないですが。
ただ全体的には本当に良いゾンビ映画だし、女優の演技も段々素晴らしくなります。特にゾンビが現れて学校が襲われるシーンは絵的にも演技も怖さがあり良かったですね。
脚本も上手く纏められて、オリジナルの展開ですが納得いくし正直アニメよりも好きな展開かもしれません。原作やアニメが好きな人でも納得のいくシナリオになっていました。
この実写化で敬遠する人が沢山いますが、逆にその敬遠が勿体ないように感じます。実写化が嫌だという気持ちは分かりますが、一回見て判断してみても良いのではないでしょうか?
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺⚫⚫
8/10です。
7点にしようか悩みましたが、個人的に鳥肌立ったり少し感動したりする部分もあって個人的には好きな作品ですからこの点数にしました。あと今後のラストアイドルの活躍に期待を込めた部分もあります。
是非実写だからと遠ざけないで、一度見ることをオススメします。ちなみにキャベツはちゃんとキャベツでした。
はい、そんな感じで!
それでは!