■映画情報
公開日/2018年11月9日
上映時間/100分(1時間40分)
監督/佐藤祐一
製作国/日本
■予告
■あらすじ
同じマンションで一緒に育った高校生の凛、優羽、暦、蛍太の美男美女4人組。優羽のことが好きすぎて冷たくあたってしまう凛と、凛に思いを寄せながらも彼の態度のせいでネガティブ思考に陥っている優羽。暦と蛍太は、そんな2人のことを心配しながら見守っていた。ずっとこのままだと思っていた4人の関係が、「好きなら好きとハッキリ言う」和真の登場によって大きく動きはじめる。
■Review
『ういらぶ。』は、
累計発行部数180万部を突破した人気少女子ミックス「ういらぶ。 初々しい恋のおはなし」を実写映画化した恋愛映画。
今年のクソ映画がクソ映画でもそんなに目立ったようではなく、クソ映画にしては「はぁ…、この映画クソだったなぁ」とタメ息と一緒に出るレベルでした。ただこの『ういらぶ。』に関してはタメ息じゃなく、海に叫びたくなるようなクソ映画だったことをご報告致します。
原作は1話だけ暇だった時に試し読みしました。どんなクソな実写映画でもそれは製作陣のセンスのなさでクソになってしまい、元々の原作はとても面白い作品が多いことがあります。ただこの作品に対しては1話だけですが映画もクソなら原作もクソでした。
元々がイケメンがヒロインに対して「ゴミ」と言ってきたりするし、話の流れもゴチャゴチャしていました。その悪い部分を引き継いでしまった作品でしたね。原作もそうだし、映画もそうだけど自分に投影してイケメンに「ゴミ」って言われるのが嬉しいんですかね?なんか悲しくなります。
漫画で納得する内容でも実写になるとあまり納得しない部分があります。それはやはり漫画は別世界を描いているからそう納得せざる終えないんですが、実写になると自分達の知っている生身の人間が演じているのでそれなりのリアリティを望みます。ただあくまで現実的な世界観であって、ファンタジーやSFとかはあまりそういうのは強く願いません。例えば髪の色があるキャラが漫画だと青色なら、実写なら黒か茶にするという感じです。
それらを踏まえて言うとこの映画でも現実的に気持ち悪い設定が多いです。例えば凛のYシャツのボタンを閉める優羽のシーンが序盤から出ます。これは優羽の根暗な性格を治そうとするシーンですが、正直普通なこれ以外にも良い方法があるだろうし、朝からそれをやる時間あることもおかしいです。
その優羽の性格を治そうとする説得力もなかったし、正直なんか凛が好きな女の子にYシャツのボタンを閉めさせて興奮してるんじゃないかと思うと気持ち悪くって吐き気がします。
同じマンションに住む幼馴染み4人もそれが言えます。小さい頃から仲が良いのは良いんですが、ただ小さい頃から同じような関係性だとは到底思えないし、凛に関しても小さい頃からその小学生みたいな意地悪な性格が続くとは思えないです。まぁ最後まで本当ガキみたいなムカつく奴でしたが。
で、幼馴染みとはなにかと問われたときの答えが「兄妹だと恋愛はできないが、幼馴染みだとそれが出来る」というのはどうかと思う。確かにそうなんだけど、幼馴染みだからこそ特別感は聞いててなにも感じないし、それを言うなら他の人もたどり着く先は同じじゃね?と思います。そこは「家族ではないけど家族のような絆を持ってる」くらいかっこよく言えよ。
キャラクターに関して言えば凛は本当ガキみたいにムカつきましたね。好きな女性に対して「ゴミ」とか「ビッチ」と言うのはまず最悪です。ここで「好きな人に対して悪口言っちゃうのは仕方ないよ」と思った方は頭が小学生なんだと思います。生身の人間がそういうことをやると見ているこちらはストレス溜まるし、いじめ最高映画にしか見えません。
そんな凛は優羽が自分のせいで病んで暗い性格になってることを序盤から知っています。その病んでいるのを利用してもっと病ませて他の男のところへ行かせないようにしようとサイコパスでも唖然とする考えに出ます。それを知った上で悪口や悪い行動に出るとなると、もう最悪というよりかなり笑えない変態の領域にいます。
凛はなんか最後まで自分のことしか考えてない人間でした。ラストは優羽のことを考え告白しただろうと思いますが、結局凛は妄想の中で優羽と結婚する妄想をしてました。高校生の恋愛なんて結婚まで辿り着くのは一握りだし、優羽も本当に凛と結婚を望むまでの恋愛なのか分からないから、あれって結局自分勝手な妄想なんですよね。
それに今まで悪口言ってきたことを謝らない最低な男です
凛を演じた平野紫耀は声もガラガラだし、滑舌も悪いからなに言ってるのかわかりません。勿論演技も最悪です。逆に彼はコメディ映画とかに出た方が良いんじゃないんですか?ただその前に俳優活動続けるなら少しは演技の基本は抑えろよ。
優羽演じた桜井日奈子は途中から自分の演技を忘れてたように感じました。根暗な性格から成長をしているという演技を見せたかったのかもしれませんが、その成長する場面があまり見られなかったし、最後もボソボソした演技をしてたから、それを踏まえるとただただ演技を忘れてたように思えました。
伊藤健太郎のキャラは「自分が言いたいことはしっかり言うキャラ」で周りが最悪な奴ばかりだから良いキャラだなとは思いましたが、結局一本調子なキャラなんですよ。言いたいことを言うけどそのせいで人を傷つけることもあるだろうからそういうのをなんで見せなかったんでしょ。だから彼の内面的なキャラクターの良さが伝わりませんでした。
幼馴染みの二人は影が薄い。ただそれだけ。いる意味ない。
他の人も言ってる通りいちいち「ういらぶ。」と俳優たちが言ってCMのようなカットを入れるのは意味が分からない。それならドラマ作れと言いたくなります。いやドラマ作っても良い作品になれる可能性は低めでしょうが。
あと章分けする意味もわかりません。季節で分けたり、ひとりひとりのキャラクターの目線でストーリーが進むオムニバス形式なら分かるんですが、章分けしたところでその章ごとの話に面白さはないし、章と章の話の繋がりは雑だったり分けなくても良いような繋がりだったりと、一体なにをしたかったのか分かりませんでした。
第二章で優羽が急に引っ越すんですが、なんか自分の家が修理かなんかで一ヶ月だけ引っ越すとか。まずマンションなのになんで一室だけ修理か何かをするのかその要領の悪さに疑問抱くし、一ヶ月だけの仮住まいが豪華過ぎて金は勿体無いし、荷物の入った段ボールをそのままなにも轢かずに道路の地べたに置くという引っ越し業者の仕事の出来なさにツッコミたくなります。アリの引っ越し屋さんでも良い仕事するぞ
映画の中で一番嫌いだったのはバーベキューシーンでみんなが喧嘩になるシーン。私が元々食事中に喧嘩をするというのが大嫌いな人間だからかもしれませんが、楽しいはずであろうバーベキューをまずムカツク凛が場を壊します。仲裁をする奴がいないまま皆仲良く悪口言いたい放題という視聴者置いてけぼりのストレス溜まるシーンでしたね。
とりあえずどうでも良いキャラが喧嘩してもどうでもいいんですよ。映像の見せ方も工夫出来てないし、仲裁するやつもいないで皆が皆悪口を言いたい放題するものを見せられる気持ちにもなれって話ですよ。ムカツクやつや、子供みたいなやつや、影の薄いやつらが喧嘩してもなにも感情は湧きませんよ。
ところであのウザい妹ちゃんはいつ優羽が凛のこと好きと気づいたんでしょう。女の勘とかつまらない冗談はやめてください?
他にも嫌いな点として子役の顔に桜井日奈子や平野紫耀のお面みたいなやつを被せて子供の頃のシーンを流していました。これ最初は笑わせるシーンに使ってたからまだ良いんですが、シリアスシーンにも使ってくるのでいい加減しつこいし、笑わせたいのか共感させたいのかわかりません。
子役の顔を撮せない事情があるからそうやって俳優の顔を載せたのかなと思ったのですが、一回子供の頃の写真を見るシーンがありそのとき子役の顔はガッツリ映ってました。
だったら最初っから子役の顔撮せよ!シリアスシーンくらい子役の演技を信じて撮してやれよ!笑えねーんだよ!シリアスシーンでお面みたいなのつけるとか笑えねぇーよ!!
私がこれを見て思ったのは、なんかこの作品って私だけが思ってるのかも知れませんが、多様性の恋愛を否定してるんじゃないのかなと思ってしまいます。先程の幼馴染みとは何かというのも「兄妹は恋愛出来ない」と話したり、玉城ティナ演じるキャラが結構同姓を好きになるような部分が見られますがそのことについて「病んでるね」と言われたりします。
兄妹の恋愛があるかは分かりませんが別にあり得なくはないし、同姓恋愛なんてもう今時は普通です。そうした多様性を求められる世の中の多用な恋愛がある中それを否定し、やはり純粋な恋が一番言ってるように感じました。これを感じたのは拗れた性格を持つ私だけかも知れませんが、けど全体的にそう思えたし、もしそう作ったのなら最低です。
全体的に演技は皆下手くそだし、キャラクターも悪いラインはウザくムカツク奴、良いラインでどうでも良い奴だけしかいないのでキャラクターに魅力がないです。「ういらぶ。」と言ってるCMカットのような演出や頬が赤くなったりなど無駄でチープな演出、そして何よりストーリーが何も響かないし正直単純過ぎてつまらないです。学生の映画同好会的が作った作品の方がまだマシですよ。
なによりこの映画を見て平野紫耀が出ただけで喜ぶ盲目的なファンがいるからいつまでたってもつまらない作品が出てくるんですよ。「平野紫耀を大画面で見れた!」とか言うから、製作陣も内容の濃いものが作れずイケメンだけ出しとけば良いそんな簡単な映画ばかりが出来上がるんです。平野紫耀に限った話ではないですが。
病気で死んで感動するーとか、死にそうな人と最後の人生を歩んで感動するーとか、そういう映画が大ヒットしてからというものそうした単純な映画ばかりが量産されるように、イケメン出すだけで大ヒットする映画もだんだん量産されてきてます。この映画もそうだし、そういう量産の架け橋になる映画になってしまいます。
平野紫耀を見たければ頑張ってライブとか行けば良いし、もし映画で見たいならもっと彼らの外見だけじゃく演技をしっかり見てあげてください。彼らも勿論「カッコいい」と言われて嬉しいとは思いますが、どちらかというと求めてるのは映画や演技の正直な感想だと思いますよ?
あとラスト皆で手を組んで踊るシーン。あれ必要?皆で一生懸命楽しく作りましたとでも言いたいんでしょうか?そういう「頑張りました!」とか「楽しくやりました!」とかを映画のなかで見せてくるなよ。余韻はないけど見たあとの余韻は溶けるし、結局「頑張る」ということだけしか売りにできない安易な作品なのかなと思いました。
■評価
最終評価は・・・
⚫⚫⚫⚫⚫|⚫⚫⚫⚫⚫
0/10です。
作り手も俳優も最悪なレベルだし、映画も悪ければ原作も微妙という珍しいパターン。盲目的なファンのせいでまたこうしたイケメンだけを撮すだけの安易な映画が量産されるであろうこの作品。なにからなにまで最悪としか言えない映画の中の台詞を借りるなら正しく「ほんとゴミな」な映画でした。
ちなみにこの映画が今年の映画館納めだったんですが…なんともスッキリしない。
そして今年の映画レビューは一旦これにて終わりにします。まだ何個か旧作ですが作品を見ますが、今年の映画の振り返りやランキング記事を書かないといけないのでレビューは来年になるでしょう。とりあえず今年も私のレビューを見ていただきありがとうございました!
はい、そんな感じで!
それでは!