■予告
■あらすじ
愛する母を亡くし心を閉ざした少女クララは、クリスマスイブの夜にくるみ割り人形に導かれ、誰も知らない秘密の王国に迷い込む。「花の国」「雪の国」「お菓子の国」「第4の国」という4つの王国からなるその世界でプリンセスと呼ばれ戸惑うクララだったが、やがて「第4の国」の反乱によって起きた戦いに巻き込まれていく。
■Review
『くるみ割り人形と秘密の王国』(原題:The Nutcracker and the Four Realms)は、
チェイコフスキーのバレエで広く知られている『くるみ割り人形』をディズニーが実写映画化したファンタジー映画。
『くるみ割り人形』という曲自体は良く聞くんですが、バレエとしての演技は見たことないですし、そもそもバレエ自体にあまり興味がない状態でこの映画を鑑賞しました。
先に言うとたぶんですが『くるみ割り人形』のバレエを見なくても十分に楽しめます。もちろん知ってれば何かしら楽しめるとは思いますが、バレエを知らない私が見れたんですから多分見れます
予告見た感じだと映像が綺麗だったし色彩も色とりどりなのでそれに期待して見に行きましたが、本当にカラフルで2018年の中だとトップクラスの映像美だったのかなと思います。
特にバレエのシーンは素晴らしかったです。カラフルで映像も綺麗だったというのもありますが、バレエのシーンはバレエを見たことない私からも素晴らしいと声が出てしまうほどです。華麗で上品なイメージのバレエですが、以外と様々な表現方法があるんだなと分かっただけでも良かったです
第四の国に入る際には大人の私でも不気味で恐ろしかったです。最近ディズニー映画でトラウマになりような映画ってあまりなかったのですが、この第四の国に入る際は子供が見たらトラウマになると思います。結構嫌いになる人は嫌いになるかもしれません。
ただこの第四の国。どんな国なのか、元々どんな名前の国なのか、それも明かされるのが楽しみで見に来る人がいるとは思いますが(そんなにいないかも)、結構早い段階でネタバレされます。歯科もあるキャラが口を滑らせて。その名前を聞いたら元々がどんな国だったのかというのが予想できてしまうから楽しみのひとつが失われます。
そもそも第四の国の王女のキャラクター性というんでしょうか?そこもあまり明確にされてませんでした。真犯人をどのように突き止めたのか。主人公の母親とどんな接点があったのか。そこが明確じゃないからキャラとしての深堀はされてないし、主人公が彼女を守る意味もわかりません。
主人公の母親が彼らに命を宿したといいますが、その出会いや話題とか人それぞれ違うし皆が主人公の母親を恩人のように感じてますがその受け取り方も違うでしょう。
どれだけ母親が偉大かをもっと話して、そこに主人公の葛藤を描き、母と他のキャラクターとの出会いを描きながら母親と何が同じで何が違うのかしっかり描くべきでした。それがないからキャラクターが薄いし、主人公の良さも引き出せてません。
最初に映像が良いと言いましたが褒められるのは最初に話した部分くらいです。確かに全体的に見ても映像は素晴らしいし、綺麗なんですが今までのディズニー映画実写版のなかでは明らかに偽物っぽいです。
序盤のクリスマスの町並みを撮すシーンも町並みは愚か人々もCGだと分かります。そのあとの主人公が出てくるシーンなんかと比べると明らかに映像のギャップが明確なので素人でも分かります。もし分からなかったらもっと素晴らしいCG技術を使った映画を見た方が良いです。
4つの国の世界のCGも所々明らかにグリーンルームで撮影したような映像がありまして、俳優と映像が浮いてることがありました。ディズニー映画ではあまりそういうの全然なかったからある意味驚きましたよ。天下のディズニー様もやはり予算が少ないとCGのクオリティがガクッと下がるんですね。そんなクオリティのせいか水門を止める際かなりの量の水をビッシャビシャに浴びるはずなのに、出てくるカットだと全然主人公濡れてないんですよね。
結構映画全体が子供向けに作られてましたね。それこそ第四の国のトラウマも昔のディズニー映画でいう『白雪姫』や『くまのプーさん』のズオーレベルを植え付けようとしたんでしょう。
だからなのかストーリーがあまりにも薄くって、今回の敵キャラも頭が悪くなければあからさま過ぎてすぐ誰だかわかるんですよね。別に見れなくはないんですが大人は退屈だろうし、子供も正直これを喜んで見てくれるかと言われたら難しい話です。
バレエ曲を実写化するというガッツある挑戦には敬意を評しますが、それでもディズニー映画としては久々に残念だなと思った作品でした。CGはこの際どうでもいいから、もっとストーリーやキャラを深堀するか、それでもダメなら主人公をもっと葛藤させれば良かったですね。
情緒不安定なんじゃないかと思うくらい主人公の心理状態だったり、感情な変わりようが激しかったです。そんな大袈裟ではないんですが、なんでそういう気持ちになったのかという観客が考える時間がなかったのは勿体なかったです。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺⚫|⚫⚫⚫⚫⚫
4/10です。
この映画が良かったのはこれだけ言っても悪意を持つほどつまらない訳ではなかったということです。そこはディズニーパワーでしょう。ただ個人的にはそこまで伸びないし、すぐに忘れてしまいそうな映画だなと思いました。
はい、そんな感じで!
それでは!