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映画『モリのいる場所』評価&感想【No.514】

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■映画情報


公開日/2018年5月19日

上映時間/99分(1時間39分)

監督/沖田修一

製作国/日本

■予告


■あらすじ

昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。そして妻の秀子との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。

引用元:モリのいる場所 : 作品情報 - 映画.com

■Review

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モリのいる場所は、
山崎努樹木希林のベテラン俳優が共演
した伝説の画家である熊谷守一夫妻を演じたヒューマンドラマ。

30年ほど家に出ずにいた熊谷守一を主人公にした映画。実はこの記事を書いてるときにやっと熊谷守一という人物が実在していたということに気づきました。





熊谷守一について少し解説するなら、昭和を代表する日本の画家で76歳に軽い脳卒中で倒れてから遠出を控えて、ほとんどの時間を自分の家の庭の自然観察を楽しむ日々を過ごしていました。また文化勲章も「これ以上人が来てくれては困る」という理由で辞退したらしいです。


その97年の歴史の中で映画の中で描かれてるのはその庭の中での自然観察を楽しんでいた時期です。文化勲章の話もあるのできっと87歳の頃を映してるんじゃないかと思います。


しかし今回はどちらかと言うと伝記映画と言うより実在の人物の物語を使ったフィクション作品に近いです。監督自身もそう言ってます。なので結構シュールで、不思議な部分も多い作品でした。


この使い方が良かったのか悪かったのかと聞かれたらどっちもどっちなんですよね。このシュールなところがあったおかげで良い部分も見つけられたし、逆にそれで悪くなってしまったところもありました。


映画のあらすじを見ると家の近くにマンションが建つという話ですが、映画事態そこまで話が大きく動くこともないし、いつの間にかそういう話題になってます。もう言ってしまうとこの映画、序盤の熊谷守一の自然観察のだけで20分か30分使ってた気がします。


この時点でもう好き嫌いが分かれそうですよね。だって人によっては爺さんがただ虫や魚を観察している姿を見てるだけだから退屈だったり、つまらないと思ってしまうかもしれません。


ただこの何も意味がなさそうでシュールなシーンでも後々映画の中で大切な要素であったりするんですよね。


この観察シーンって小さな家の中で起きてることなんですが、色んな虫がいて色んな自然があるからとても広大な山の中での出来事なんじゃないかと思ってしまいます。『未来のミライ』も小さな庭での出来事を話してますがあれってすべてが偽物だし、なんでもありだからそこまで壮大に思えません。


けどこの庭のシーンはいくつもの工夫されたセットや自然や大きな穴の池があったり、様々な虫や鳥がいることで偽物ぽく感じないし、映し方も熊谷守一視点で描かれて虫も近くで見せる撮影をするから壮大に見える感覚になります。


どれだけ自然がいかに広大か、自然が育む命の数々がどれだけ儚いか、家の庭での話なのにそういうメッセージ性が受け止められたようなシーンでもありそれだけ感じられるならこの映画を見る価値は十分にあります。




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樹木希林山崎努の夫婦演技も素晴らしいです。セリフの中で夫婦感を見せるという事もありましたが、絵で見せてその夫婦の関係と彼らの性格を見せてるようにも感じました。特に囲碁のシーンは良くそれぞれのキャラクター像と夫婦の関係性をしっかり見せていたなと思います。


宣伝でこの夫婦のことを取り上げてますが、正直それが少し少ない気がします。それに期待してたり、そういうのを見せていたけど自分が気づいてなかったりという理由もあるでしょうが個人的にはそう感じました。


あとこの監督の笑いの入れ方が個人的に合いませんでした。シュールな笑いっていうのは勿論好きでこの映画でもそれを取り上げてるんですが、正直この映画に全くあってなかったし個人的にも一度もこの映画で笑いませんでした。例えばドリフの話をしてたら最後みんなの頭の上から金ダライが降ってきたり、夜工事現場の人が家にスローモーションでやってきたり。


そのいくつかの笑えないシュールなシーンのせいで、映画も俳優の演技も全て壊していたように感じました。決してつまらない訳ではないし、なにを面白くさせたいのか分かるんだけど、笑わせ方とか普通なんだよなぁ。


この作品は時代設定が昭和らしいんですが、昭和らしさは見えません、見えるとしたらテレビくらいなんですが知らない人からすると「今の時代でもこういうテレビで見てる人もいるんだ」と思ってしまいます。


そこまで昭和を懐かしませるような雰囲気とか物が少なかったというのもありますが、関係ないだろうけどメインを除いたキャラクターの服装が綺麗過ぎるんですよね。別に昭和が汚いってイメージを持ってる訳ではないです。


郵便配達員の人の衣装は綺麗過ぎてコスプレしてるようにしか見えないし、工事現場の代表かな?あの二人が家に来た時も服装が綺麗過ぎて本当に工事現場で働いてるのかと思ったり、カメラマンの二人も今いても可笑しくない昭和を感じさせない服装や髪形してたり、そこらへんがしっかりしてませんでしたね。


良い映画なのに所々勿体ない部分が多かった作品でした。好きな人は好きだろうけど、個人的には良い作品なんだけど大したこともないって感じでした。


■評価


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最終評価は・・・





☺☺☺☺☺|☺⚫⚫⚫⚫

6/10です。




この監督が好きという方には一度見てもらいたい作品かもしれません。あと今年亡くなった樹木希林の演技も見れる作品ですから好きな人は一度目を通してみても良いと思います。





はい、そんな感じで!

それでは!