■予告
■あらすじ
結婚3年目のサラリーマンのじゅんが仕事から帰宅すると、玄関で妻のちえが血を流して倒れていた。じゅんはあわてて介抱するが、血はケチャップで、ちえは死んだふりをしていただけだった。妻はその理由は言わず、ただ笑うだけ。それ以来、ワニに食われる、銃で撃たれる、頭に矢が刺さっているなど、毎日のように死んだふりをする妻に、じゅんは呆れながらも徐々に不安を覚えるようになる。
■Review
『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』は、
2010年にYahoo知恵袋にて投稿された質問が話題になり、ボーカロイド初音ミクで同名のオリジナルソングが製作されたりするなど、様々なメディアに取り上げられたりした実話を元にしたラブコメディ。
映画の原作は投稿者自ら原案した同名漫画をもとに映画が製作されました。
この映画の為にというと少し可笑しいですが映画のもとになったヤフー知恵袋を見てきました。もうすぐ10年になるというのに以外にも残されているんですね。ちなみにこのヤフー知恵袋とボカロの歌は昔から知っていますが、コミックスの方は未読です。
奇想天外な妻をもち毎日死んだふりをするというかなり非現実的なことで、実際本当の話なのか作り話なのか怪しんでしまう所ではありますが、けど実際こういう奥さんがいたらお金はかかるだろうけど毎日が楽しいんだろうなと思ってしまうのは嘘ではないです。お金はかかるだろうけど。
映画の前半はこうした奥さんのさまざまな死に方で驚く夫を映していき、その死に方のレパートリーの多さに笑い、挙句の果てにはその死に方にあったシチュエーションで夫がオーバーに演じてしまうなどいい意味でバカバカしい笑える作品でした。
榮倉奈々が奥さんに見えるかと言われたらあまりそう見えないんですが、死ぬふりをする格好だったり、死ぬふりした後のくしゃっと笑う笑顔が可愛いと思っていしまい、なんだか許してしまうんですよね。実際榮倉奈々も楽しんでいたんじゃないんでしょうか?
その夫も奥さんが急に死んだふりをするもんだから、いったいどうしようかと色々試行錯誤しながらその原因を確かめたり、他のことに興味を持たせよううとパートをやらせたり、会社仲間の人に相談したりとそのバカバカしいことに真剣に行動している姿も笑えて来ます。
その前半までは本当に良かったです。ただ後半から映画が失速してしまいましたね。そもそもこういう題材の映画って一時間半くらいが良いのに何を思ったのか上映時間が二時間あるんですよ。この時点で大丈夫なのかなと心配になりました。
案の定その心配が当たってしまい、後半から失速しさっきまでの映画としてのオリジナリティあった面白さは完全になくなりましたね。後半からどこにでもあるような結婚で悩んでしまう二人組が再度お互いを確かめ合うっていう作品になってました。
ラストのお父さんが倒れるシーンはまだ良いとして、上司の結婚話や会社の友人の離婚話も特にどうでもいいんですよね。別に話に大きく影響をもたらすって訳でもないし、「こういう結婚生活もあるんだよ」って言うのは分かるんですが、それらのエピソードはもうテレビで何度も見てきたありきたりなエピソードだから死んだふりする奥さんよりも衝撃的ではないんですよ。
この映画では奥さんが「月がきれいですね」と夏目漱石の有名な告白を言うんですが、少し子供ぽい奥さんが言うと逆にそっちのほうが「急にどうした?」と怖くなるし、夫も特に頭が悪いって訳ではないのになんで有名な言葉を知らないんだろうと少し可笑しな部分がありました。
悪く言ってしまえば後半から普通の話になってしまって、最初のオリジナリティある作品はどこへ行ったんだろうともったいない気はします。コミックスを読んでいないので分かりませんが、この後半少しでも感動させようと後付けされた感があるんですよね。
あと全体的に音楽の使い方も下手でした。面白くさせようと面白い音楽を流してたり、壮大な事件があると壮大な音楽が流れたりそこらへんが安直ですよね。あとある部分では音楽のせいでセリフが聞こえなかったり、ブツっと気持ち良くない音楽の切れ方もしました。
ただラストの「なんで死んだふりをしたのか」という答えを伏せて視聴者に答えを委ねたのは良かったです。もうヤフー知恵袋で何十個も答えが出てるので答えがあるみたいなもんですが、ヤフー知恵袋でもそれぞれの答えがあったし、逆に原案者から答えを出すのも違う気がするので、こうした視聴者に委ねる演出は正解だったかもしれません。
あとオープニングもボカロの曲が使われたのは嬉しかった。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|⚫⚫⚫⚫⚫
5/10です。
後半から失速した作品ですが、普通に見れる作品です。特に何も考えなくても楽しめる作品だと思うので休日に見てみたりするには良いかもしれません。
はい、そんな感じで!
それでは!