■予告
■あらすじ
「誰もが望む、歴史的偉業」を発見したというライフ財団が、ひそかに人体実験を行い、死者を出しているという噂をかぎつけたジャーナリストのエディ・ブロック。正義感に突き動かされ取材を進めるエディだったが、その過程で人体実験の被験者と接触し、そこで意思をもった地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。エディはシンビオートが語りかける声が聞こえるようになり、次第に体にも恐るべき変化が現れはじめる。
■Review
『ヴェノム』(原題:Venom)は、
スパイダーマンの有名なヴィランとして知られるマーベルコミックスの人気キャラクターであるヴェノムを単体実写映画化した作品。
今年11月の中で一番の注目作品。今回は吹替で鑑賞しました。先に言っておくと吹替はめっちゃくちゃ良かったです。今年一番いい吹替を見れたって言えるくらい中村獅童のヴェノム最高でした!
ヴェノムを知ったのは『スパイダーマン3』の敵キャラで出てきた時で、あの時はどちらかと言うとヴェノムよりブラックスパイダーマンのカッコよさに目を光らせてましたが、今この年になると「ヴェノムも全然カッコいいな」と思う年頃になりました。
大きな期待をしてこの作品を鑑賞しましたが、思ったよりありきたりと言うか割かしストーリーの流れはごく普通のヒーロー映画と感じました。予告のカッコよさで大きな期待をしてしまった自分も自分ですが。
意外だったのがヴェノムが意外にも恐ろしい野郎だと思ったら結構いい奴だったてことです。中盤あたりでトム・ハーディ演じるエディと仲良くなったり、ある時は人生の相談に乗ったり、ある時はエディの容体を気にかけたり、ある時はヘタレなエディの背中を押してくれたり、ある時は恋のキューピットになったりします。
いい奴過ぎない?!!
別にこういう設定でもいいし、エディとのバディ感もしっかり出ていて和んだりする部分もありました。ただもっとエディがヴェノムに寄生され蝕まれていって苦しみ悩む姿を想像していたので、なんかいい意味でも悪い意味でも裏切ってくれた映画でした。
悪い部分はなんじゃらほいと。この映画は大体予想できますが画面は暗いです。めちゃくちゃ暗いって訳ではないですが、セットや服の色が黒をメインにしていたり、基本的に外での撮影が夜だったり、映画の雰囲気に合わせようと暗くしています。
ただたまにヴェノムとエディがコミカルで和んでしまう会話をすると、その映画の雰囲気に合わなくなってしまいます。『デッド・プール』はコミカルでバイオレンスだし、『ローガン』は西部劇のような雰囲気を醸し出したカッコいい男を映した作品で、その二つはどれもその映画の雰囲気にマッチしてますが、この映画はダークなのにたまに和み要素が出てしまってます。
この映画の一番の悪い所は描かないといけない所は描いてなくって、特に必要のない部分はしっかり描いてるところです。敵の会社であるライフ財団の恐ろしさを口で語ってるだけで、どれだけ非道なことをしてるのかっていうのが目で分からないんですよ。
人間の実験模様もひとりしか映らなかったし、きっとそういう実験体にされてる人たちはもっといるはずだからその人たち大勢の模様も見せてほしかったです。実験の時も体が偉い方向に曲がって死んでいくのに、周りの科学者たちがノーリアクションなのもどうかと思います。もし科学者が洗脳されてるって言うなら話は分かるけど、そういうのは流石に無いか。
エディに関しても言えることであんだけ前向きだったエディが半年でなぜ弱弱しくなったのか、その人生が落ちていく様を見せてくれないと観客は彼に応援できなくなります。
ヴェノムも「自分もあっちでは落ちこぼれ」と言いますが、結局どれだけ落ちこぼれだったのか分かりませんよ。そこは口だけでもいいから、何かしらのエピソードを放しておくべきでした。もしくはヴェノムがのび太の立ち位置なら、敵がジャイアンみたいな立ち位置を作り上げても良かった気がします。
ヴェノムが急に地球やエディを気に入って地球を守ろうとする理由もしっかり明かされませんでしたね。特にエディを気にったならもっとそういう絆を深めていく描写をもっと増やすべきですよ。
ラストのバトルも盛り上がらなかったな。いや映像は凄いけど、ラストバトルなのに10分くらいで終ってましたからね。途中のバイクチェイスしながらのアクションの方が結構盛り上がりましたよ。ほかにも都合が良すぎたり、脚本の後付け感が出てるような描写もありましたが、それらはネタバレになるんでここで言うのはやめておきます。
あとこれはか・な・り・・・か・な・り個人的な感想ですが、
エンドクレジットの二つ目のオマケ映像、確かにファンとしては嬉しかったんだけど、急に雰囲気の違う映像流されたら『ヴェノム』の雰囲気をぶち壊してて、今までの気持ちが冷めてしまいました。しかも長いです。
人によってはこういう意見もあるだろうし、逆に喜ぶ人もいるし、もっと言うと分からない人にとっては「え?今何が起こってるの?」となるかもしれません。けどファンにとっては素晴らしいサービス映像なのかなと思います。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|⚫⚫⚫⚫⚫
5/10です。
バイオレンス描写は思ったよりも少ないですが、ヴェノムとエディのダックは面白いし、なんだかんだ楽しめる作品だと思います。ちなみにこの映画を見ながら昼食にホットドックを食べながら見ました。ヴェノムと同じ気分で鑑賞できるので、是非試してみてください。
はい、そんな感じで!
それでは!