■予告
■あらすじ
第2次世界大戦初期、ナチスドイツによってフランスが陥落寸前にまで追い込まれ、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍が北フランスの港町ダンケルクの浜辺で窮地に陥る中、就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手にヨーロッパ中の運命が委ねられることに。ヒトラーとの和平交渉か徹底抗戦か、究極の選択を迫られるチャーチルだったが……。
■Review
『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)は、
イギリスの政治家、イギリスの元首相であったウィンストン・チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの4週間を映した伝記歴史映画です。
この映画で第90回アカデミー賞では主演男優賞を受賞し、メイクアップ&ヘアスタイリング賞でも日本人の辻一弘さんが受賞したことでも話題になった作品です。
この映画の主演を務めウィンストン・チャーチルを演じたのがゲイリー・オールドマン。カメレオン俳優としても有名な彼ですが知らない人のために彼が出演した作品を言うと『バットマン』ジェームズ・ゴードン、『レオン』のサイコパス警察のノーマン、『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラックなどが有名ですね。
私も好きな俳優ですがまたしても彼のカメレオン俳優としての手腕が見られた作品だったなと思います。勿論メイクを担当した辻一弘さんのリアルなメイクもあったからこそ映画を輝かせたとも思っています。本当にリアルですよね。一度もメイクぽいとか偽物ぽさは感じられませんでした。
ただやはりゲイリー・オールドマンの演技力と言うのは本当に素晴らしいなと新た目て思わせた作品でした。実際にウィンストン・チャーチルという人物をこの目で確認したことないので似てるか似てないかは分かりませんが、ただ国民が称えるほどのカリスマ性と言うものは滲み出ていたんじゃないかと思います。
全体的な映画の中での音楽も重量感あって良かったし、たまに芸術的で少し考えさせられるような映像も素晴らしかったです。周りが真っ暗で小さな部屋の中にいるウィンストン・チャーチルの映像を見ると当時もどこか一人で戦ってきたのかなと孤独感を感じます。
全体的な映画の流れは狭い空間の中でダンケルクにいる自分たちの国の兵をどうやって脱出させるかと、そのためにヒトラーと和平条約を結ぶかどうかで話し合うのが主なメインです。
『シン・ゴジラ』でいうゴジラが現れたら日本はどう動いて、どんな話し合いをするのかというような感じです。『シン・ゴジラ』はもっと深い映画だとは思いますが、前面に見せてるのはそういう所でしょう。今回の映画もそんな感じだと思って良いかもしれません。
もし『シン・ゴジラ』が好きならこの映画は好きになると思うし、嫌いな人は嫌いになる作品です。仮に好きになったとしても戦争の状況とかは見せてくれないし、基本的に話し合いや悩んでいるウィンストン・チャーチルの姿を映してるのでダンケルクの戦いを知らないとついていけない内容になってるのかなと思います。
もしこれを見るのであればその前にクリストファー・ノーラン監督の去年公開された『ダンケルク』を先に見たほうが良いと思います。
それでもラスト30分くらいの話は本当に素晴らしかったです。国民が戦争で平和を求めてるのは勿論だけど、もっと恐ろしいのは和平条約をしてヒトラーに自分たちの国が乗っ取られる恐怖があり、その為なら和平条約は大反対だし箒を持ってでも戦う覚悟があるというエピソードは素晴らしかったです。
これウィストン・チャーチルが地下鉄に乗って国民たちの声を聴いたらそういう答えが出たというエピソードです。これが真実なのかは分かりませんが、それでもきっと当時のイギリスの人々はそう思っただろうし、それを聞いてヒトラーから国を守った彼の判断は素晴らしいなと理解しました。
ただこの映画は序盤で好き嫌いが分かれそうですよね。私は彼をコミカルで少し可笑しな人だなとは思いましたが、人によってはただただ怒鳴り散らかしてうるさいだけどおっさんとして見る人もいるかもしれません。
なんにせよ、彼の幼少期の姿や成長過程、なんでそういう人物になってしまったのかなど彼の人生をしっかり見ることも出来ず、正直キャラの掘り下げが少し弱いと思う部分もありその点でも好き嫌いが分かれそうではありました。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺⚫⚫⚫
7/10です。
結構映像も暗く話し合いばかりの映画ですが、反対に芸術的な映像と音楽があり俳優の演技も素晴らしいものなので見ないともったいないと言ってしまう作品だったのは確かです。ぜひまだ見てない人は見てみてはいかがでしょう?
はい、そんな感じで!
それでは!