■予告
■あらすじ
札幌に暮らす12歳の内気な少女・杏奈は、悪化するぜん息の療養のため、夏の間、田舎の海辺の村に暮らす親戚の家で生活することになる。しかし、過去のある出来事から心を閉ざしている杏奈は、村の同世代の子どもたちともうまくなじむことができない。そんなある日、村の人々が「湿っ地屋敷」と呼び、長らく誰も住んでいないという湿原の古い洋風のお屋敷で、杏奈は金髪の不思議な少女マーニーと出会い、秘密の友だちになるが……。
■Review
『思い出のマーニー』は、
イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンの児童文学『思い出のマーニー』を日本が誇るスタジオジブリがアニメーション映画化した作品。米林宏昌の2作目の長編アニメーション作品。
このブログだと2回目のジブリ映画紹介ですね。え?1回目あったのって?『レッドタートル』という映画を昔紹介しました。
ジブリ映画は大好きです。けど恥ずかしいことに実はこの映画は鑑賞してなかったです。あとは『ココリコ坂から』も見てないです。その二つの作品はどちらも賛否が分かれる作品で有名ですよね
けどそうなる気持ちも分かりますし、なんか釈然としないなと思う部分もあったという気持ちもなんとなく分かります。すべてのキャラの心情を言葉で表さなかったからそうなったのかもしれません。
しかしそれはこの映画の良い所でもあって、変に言葉で気持ちを表すよりも小さなキャラの動きや行動、映像の表現なんかでキャラクターの気持ちを表しているのはこの映画にピッタリだったし、美しかったように思えます。
本当の友人は言葉じゃなくて心と心で通じ合うものという事を映像で見せてくれたように感じました。結構この映画は手を取り合ったり、手を差し伸べるシーンが多く使われていて、そこで彼女たちの相手に対する見方とか気持ちが表れていたように感じました。本当その映像だけでも美しいなと思えたし、映画のように夢のような表現をしていたようにも感じましたね。
最終的な展開としては実はマーニーは杏奈の祖母という展開が待っています。そのことがハッキリわかる終盤の終盤辺りよりも、絵を描いてる女性の話でなんとなくそうなのかなとは察していました。
けど友情物語として見てきて、世間でいう百合の話で見てきた人からすると無難そうに見えて実は結構驚きの展開であってけど納得のいくものになっていたように感じます。杏奈がマーニーと遊んでいたのもおばあちゃんの過去を辿りながら自分を知るという話にもなりますし、マーニーもずっと杏奈を見守ってきたというようなラストの話で今までの話が180度ガラッと見方が変わったのは素晴らしいなと思います。
決して好きな人が多い映画ではないですが、ながらで見ないでしっかりと映像を見ていき、ひとつひとつのセリフに気をかけながら見ていくとこの映画の良さがまた変わっていくと思います。
不満点を上げるなら、序盤の杏奈のセリフで「他の人のにおいがする」とか「大きな家」とか目で見れば分かるものを言葉にすることが多かったなと思いました。ほかのジブリ作品もそうじゃんと思う方もいると思いますが、そういうのって言葉を発してから映像で見せていることが多くって、この映画は映像で見せて言葉で発しているので見れば分かるんですよ。
あとそういう事を言葉で直接的にいうキャラって大体が低学年とか幼児の子供です。もしかすると他でも言ってる人がいるかもしれない。こういう観客に共感を与える演出は『となりのトトロ』が分かりやすいと思います。
あと序盤だけにしか出てこなかった無口なおじいさんも終盤で急に実はマーニーを知ってたことを話します。折角ならもっとこのおじいさんも見せても良かったし、過去の映像でもおじいさんぽいなと察することが出来るキャラをちょっと見せても良かったかもしれません。
ただこれに関しては花売りの子が男の子だったし、杏奈の行動をを見てもあのパーティーの場で喋ってなかったからもしかすると花売りの子はそのおじいさんなのかなと勝手に妄想しています。