■予告
■あらすじ
現代アート美術館のキュレーターとして周囲から尊敬を集めるクリスティアンは、離婚歴があるものの2人の娘の良き父親で、電気自動車に乗り、慈善活動を支援している。彼が次に手がける展示「ザ・スクエア」は、通りかかる人々を利他主義へと導くインスタレーションで、他人を思いやる人間としての役割を訴えかけるものだ。そんなある日、携帯電話と財布を盗まれたクリスティアンは、その犯人に対して取った愚かな行動によって予想外の状況に陥ってしまう。
■Review
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(原題:The Square)は、
スウェーデンのリューベン・オストルンド監督による2017年の第70回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンドラマ映画。
単刀直入にこの映画の感想を言うと少し難解です。かなり頭が良かったり、創造力が優れてる人には十分楽しめますが、一般的に映画を月一程度しか見ない人にとってはこの映画が結局何を伝えたかったのかも分からないでしょう。
私も見終わった時全体的にこの映画は何を訴えた方のかは分かりましたが、細かい部分の演出で疑問を持つことがありました。基本個人的にしないんですが映画評論家の考察を見させていただきました。映画好きなら知っているであろう町山智浩さんのトークショーのレポート記事を拝見してこの記事を今回は書いています。もし同じような境遇をお持ちの方はぜひ見てみてください。
この映画をもし嫌いになる人はもしかすると長い時間の映画を見せられるというのものありますし、その長い時間の中で長いシーンを見せられるというのもあるんでしょうが、きっと「ザ・スクエア」を全く使用していないことの方が不満に思う事でしょう。
しかしこの「ザ・スクエア」を使用しなくても伝えたいことや映画のメッセージ性などは十分に伝わるはずだと思います。要は見方の問題ではありますが、それは人それぞれの話ですし話が逸れますのでここまでにしときます。
では何を伝えたかったのかと言うと、「人々が抱く懸念と偏見」というのがこの映画の強いテーマになっているのかなと思います。実際私たちが障害者やホームレスなどに偏見を抱いたことは無いでしょうか?
実際私も恥ずかしながらそういう偏見を持ったことはありますし、「いやいやそんなことないよ」と言う人もそういう偏見を持ったこともあるでしょう。駅とかでちょっと普通の人と違う事をしてると「何やってんだろう」と思ったり、服装がぼろい人が「助けてください」と言っても実際助けようとはしませ
ん。
それが今回映画の主人公が「ザ・スクエア」を作って人々が思いやる場所を作ったとしても実はホームレスに目を背けたり、人に思いやりのない生活を送っていたりしているという今の時代の社会を皮肉った映画なのかなと思います。
そんな誰が助けを求めても見て見ぬふりをしたり、変は人がいても見て見にふりをするか少し可笑しいなと思って笑ったり、自分だけが助かろうとして自ら中々行動をしないで人の助けをしないなど、その部分で監督の疑問が生まれこの作品が出来たんでしょう。
実際日本でもこういう部分が強めに出てる傾向はありますよね。ひと昔前でも電車で可笑しな人がいてビデオに撮ったら話題が出たりした人とか。自分とは違う何かを見るといい意味での「面白い」と言うより悪い意味での「可笑しい」が頭の中によぎったりしますよね。
それこそ日本人だからこそ共感する部分もあって、反省しないといけない部分もあるような映画なのかなと思いました。そういえば『美女と野獣』でワーキャー騒いでたわりに『シェイプ・オブ・ウォーター』だと気色悪いとか言ってた人も、同じような内容の映画なのに結局見た目で判断するんだなと思う事もありましたね。それも偏見ではありますよね。
ちなみにこの映画に出ていたサルのモノマネをする人や、卑猥な言葉でヤジを飛ばす人など実は実在の人物をもとに作られたらしいですし、劇中に登場した作品たちも実際にあるものらしいです。町山さん曰く「監督自身が経験したことなんじゃないか」という部分もあるらしいですが、もしかするとそうかもしれませんね。
芸術的な作品である中で、人間の偏見と現代の人間の考え方と生き方を皮肉った作品でしたね。
■評価
最終評価・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺⚫⚫
8/10です。
好き嫌いは分かれそうではありますが、リアリティありますし何かしらのシーンで心突き刺さる部分もありますので、興味ある方は見て見てみてください。
はい、そんな感じで!
それでは!