■予告
■あらすじ
西暦2740年。銀河をパトロールする連邦捜査官のバレリアンとローレリーヌは、あらゆる種族が共存する「千の惑星の都市」として銀河にその名を知られるアルファ宇宙ステーションを訪れる。しかしその深部には宇宙を揺るがす邪悪な陰謀や、歴史から抹殺されようとしていたある秘密が隠されていた。
■Review
『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(原題:Valerian and the City of a Thousand Planets)は、
『スター・ウォーズ』にも影響を与えたとされるフランスのSFコミックシリーズ『ヴァレリアンとローレリーヌ』を原作として製作されたSF映画。
監督はリュック・ベッソンで青年期からコミックの愛読者だったらしく、映画化を考えていたと言うことです。
リュック・ベッソン監督作品は全部見てきた訳じゃありませんし、ベタではありますが『レオン』は大好きな作品ですね。そんな彼のSF映画ですが、正直予告からそこまで興味はそそられなかったし、少し予算が高めのB級映画としか考えてませんでした。
けどやはり映画は見てみないと分かりませんね。確かにB級感はありまくりでしたが、思ってたより面白かったです。大人が見るSF映画というより、子供が楽しめるSF映画初心者の為の作品かなとは感じました。
特にこの映画の武器にもなってる映像ですがとても素晴らしかったです。CG感出まくってたのはちょっと残念ですが、けど他のSF映画と比べても負けていない美しさとオリジナリティはありましたね。
主人公とヒロインの繋がりも良かったですよね。なんだろうね、あの友達以上恋人未満みたいな関係性は、最高でしょう。ヒロインのローレリーヌなんて一種のツンデレとかクーデレみたいなキャラですし、彼女ヴァレリアンの事を好きではないみたいな発言してますが、なんだかんだ言って助けたり心配していたりする部分が見えて最高です。もし嫌いならずっと隣で仕事してないでしょ。しかも吹替が沢城みゆきさんなんだから余計良さが増し増しですよ。
あと私は映画のキャラや女優に対して「可愛い」とか「綺麗」とか思う事はありますが「惚れる」ってことはあまりないんですよ。けどこの映画のヒロインのローレリーヌのキャラとそれを演じた カーラ・デルヴィーニュには惚れましたね。彼女はぜひ伸びてほしいです。
一方で主人公のヴァレリアンも結構興味深いキャラしてましたが、しっかり仕事はしてるのに女遊びをしているという設定になってます。別にそれは良いんだけど、それを演じたデイン・デハーンがそういう風に見えるかと言われたら全然見えないんですよね。
なんか顔つきがしっかりし過ぎていて本当に女遊びをしているのか疑ってしまいます。クリス・プラットみたいな俳優の方があっていたんじゃないのかなとは思います。あと個人的には彼があまり主人公に見えないというのも難点です。どちらかと言うと悪役ぽいですよね。
他にも色んなキャラが出てきますが、正直いらないキャラが多かったなという印象でした。イーサン・ホーク演じた客引きや、海賊のボブとか、あとある惑星で戦った敵キャラとかいろんなやつが出ますが、どれもその場限りなんですよ。
その場限りの人だから物語にあまり必要性は感じられなかったし、もっとなんか戦闘シーンとかにボブとか加勢してくれたり、別の惑星で戦ってた敵が後をつけてきて面倒ごとになったりとか、そういう展開に出来なかったのかと思います。だから物語が順番通りな感じがするし、キャラも物語も薄っぺらく感じます。
だから序盤のパール人の話序盤より後半に持ってくべきでした。だってなにも知らないキャラたちの生活と悲しい結末を見せられたところで、そもそもパール人を知らないから特に感情も沸き上がってこないし、正直どうでもいいんですよ。映画の中でパール人の事を知っていって改めてこの悲しい過去を映像で見せるならまだパール人に共感持てたかなと思います。
あとサブタイトルが「千の惑星の救世主」と書かれてますが、別に千個も惑星は出てきてません。せいぜい3~4個くらいです。別に私はそこまで期待はしてません出たが、大規模なSF映画と思った人からするとショックだろうし、千も数えてる割に冒険してるところがひとつの宇宙ステーションだからどんなに冒険しても壮大には感じません。せめて点々と星を跨げよ。
最後は戦闘シーン。これは終盤はまだ良いですが、途中のローレリーヌを救い出すシーンでの戦闘シーンがかなりチープで可笑しかったです。なんか見た目はカッコ悪し、キレも無いからひと昔前のモンハンの双剣の動きを見てる感じでした。