■予告
■あらすじ
映画監督を目指す青年・健司はモノクロ映画のヒロインである美雪に心を奪われ、スクリーンの中の彼女に会うために映画館に通い続けていた。そんなある日、美雪が実体となって健司の前に現われる。モノクロ姿のままの彼女をカラフルな現実世界に案内するうち、健司と美雪は少しずつ惹かれ合っていく。しかし美雪には、人のぬくもりに触れると消えてしまうという秘密があった。
■Review
『今夜、ロマンス劇場で』は、
『のだめカンタービレ』シリーズの武内英樹監督による、モノクロの世界からやって来たヒロインと映画監督を夢見る青年によるオリジナルファンタジーラブロマンス映画になっています。
公開当時はとても好評価で特に興行的に大きく成功をした訳ではありませんが、それでも感動できたという声を良く聞きました。そんな感じで私はDVDでの鑑賞になりますが、私個人としての感想は「感動はできない」というのが率直な感想です。
色々とダメな所は多いのに感動した人も良く感動できたなと思うし、これで感動する人は人生もきっとキラキラカラフルな人生を歩んでいるんでしょう。作った人も作った人でコンセプトは良いのに本当に勿体ないなと思いましたね。
良いところから上げるとセットデザインは素晴らしいです。モノクロの世界の映画のセットもどこで撮ったんだと言うくらい凄いセットだったし、昭和の世界観やセットも素晴らしく目で見ただけでも昭和だと感じられたのに雰囲気もそう思わせてくれましたね。
恋愛要素については特に強く印象に残ったのはありませんが、唯一良かったのは綾瀬はるかが電話ボックスに入って阪口健太郎とガラス越しでキスをするというシーン。あれは恋愛映画であまりキュンキュンしない私も鼻血が出るくらいキュンキュンしましたね。あれだけでご飯3杯はいただけます。ありがとうございます
あと色とりどりの世界観は本当に綺麗だったなという所でしょうか?大画面で見てたらこの良さがより分かると思うんですが、まあスマホで見ていても十分にその良さは伝わりましたよ。
良い所はそれくらいですかね。不満点を上げるとまず予告で見た通りやっぱり綾瀬はるかの演技がちょっとウザいです。一応ファンタジー要素があるというのは分かりますが、実際の日本を舞台にしているからアニメのような喋りをするとかなり違和感を覚えます。
綾瀬はるかってこういうアニメみたいでかなりキャラの濃い役は下手と言うより似合わないですよね。元々がかなりキャラクターの強い事もあってなのか、特にギャップという形でのインパクトは無いし、なんか無理に演じてる感があるんですよね。見ていて苦しくなります。
他の俳優もそうなんですが、全員演技が予定調和。どういう事かというと俳優はセリフを覚えるのは当たり前で、もう次に誰がどんなセリフを吐くかとか次のセリフは何を言うか彼らは分かるんです。しかしそれがあからさまに出ると自然的ではないし、ただ動いてセリフを吐くというだけの仕事になってしまい演じてるとは言い切れません。
彼らはそういう演じてないで予定された動き、時間、セリフを淡々とこなしていくというだけで全体的に演技が嘘っぽいし、すべてが偽物に見えさらにメリハリがないです。そういうのをいかに自然で本物に見せるかが俳優の腕の見せ所なのに全く見せていません。この予定調和って演劇界からしたらヤバい・・・とまではいきませんが、まあ楽してるよねってなります。
だから基本次に何が起こって、どんなセリフを吐くかって見ているこちらも分かるんですよ。しかも映画全体も予告以上のことはいてくれなかったし、結末も100人中100人が予想したであろう展開で動きますから、特に驚きはしないし感動はしません。
個人的に気に食わないのは綾瀬はるかが演じたお転婆姫。彼女は映画のキャラクターとして登場します。映画の中から登場していると言っても、そのお転婆姫はひとりの女優が演じてるわけですから、ずっと可笑しな言動をしてるのはなんか変に感じます。だって嫌でしょう、福山雅治がテレビから出てきたと思いきやガリレオの湯川学として出てくるとか。私はウェルカムですが。
それと彼女は白黒の世界から出てきて色を知らないと言いますが、それもあくまで映像が白黒なだけで貴女の目では映画の世界にも普通に色があるんじゃないのかとツッコんでしまう自分がいました。なんですか、かなり昔の写真を見て「昔の世界は白黒だったの?」と親に疑問投げかける子供ですか?
つまり捻くれた私からしてみれば、彼女が彼女自身ではなく映画のキャラで出てくるのは可笑しいし、なんでバカみたいに色黒の世界を引き継いでんだと言いたいんですよ。もしこれが白黒のアニメから出てきたら分かりますが、今回は実写ですからね。やっぱりそっちにも色はついてるでしょと言いたくはなりますよ。
あと細かい点を言えば、綾瀬はるかが白黒だとバレないように化粧をして色を付けてますが、なんで雨でびしょ濡れになっても化粧落ちないんですかね。昭和の化粧って雨でも落ちないくらい強いんですか?
現代で年老いた健司が担当の看護師に自分の話をしてこの映画の物語が始まりますが、この年老いた健司を看護師のやり取りが何回も出てくるせいで物語から気持ちが離れてしまうことが何回もあります。看護師の演技も下手なので尚更それが強くなります。
映画で何回もセリフで説明し過ぎ。映画の事を立派に話してる割には、映画をダメにする演出を何回も入れてきますよね。その一つがこれで、映像で衝撃を与えらそうなことを簡単にセリフにするから特に緊張感も出ません。特に姫が人に触れると消えてしまうという部分は、姫を探しに来た映画のキャラが人に触れて消えるという映像で魅せる演出でも良かったと思います。
あと個人的になんだけど、予告で触れると消えてしまうという宣伝は入れない方がこの映画もっといい方向になってたと思います。そういう宣伝無しでも前半の姫が人から何回も避けるシーンも「人嫌い」とか「下市民に近寄りたくない」とか「恥ずかしい」とか観客は色々解釈できます。そこで後半からの「触れると消える」という事で観客は衝撃を受けることはできたはずです。
なんか宣伝のせいもあるけど、アイディアは良いのに全て失敗してるように感じました。ラストまでずっと平坦のままで、特に感動もしなければ面白くもないから、凄い勿体ないなと思いました。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺⚫⚫|⚫⚫⚫⚫⚫
3/10です。
この点数を付けましたが別に見れなくはないです。好きな人は好きだけど、あまり私からは強くおススメはしません。なんかこの映画を好きっていう人も5年後にはこの映画を忘れてるんでしょうね。
はい、そんな感じで!
それでは!