■予告
■あらすじ
1989年のクリスマス・イヴ、映画監督を目指すマーク・コウエンとルームメイトのロジャー・デイヴィスは旧友で大家のベニー・コフィン3世からこれまで見逃していた家賃を支払うよう要求される("Rent")。元ルームメイトのトム・コリンズが現れるが強盗に遭う。ベニーはマークとロジャーに、近隣からホームレスを立ち退かせてサイバー・スタジオを建てるつもりだと語る("You'll See")。ベニーはマークの元彼女モーリーンに抗議活動をやめさせれば家賃を無料にすると語るがマークとロジャーはこれを拒否する。
■Review
『RENT/レント』(原題:Rent)は、
ジャコモ・プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を原作とした、ブロードウェイミュージカル『レント』を映画化したミュージカル作品。
勿論アメリカなんて行ったことないから、舞台版の『レント』は観たことありません。なぜこの映画を見ようとしたかの説明は後々話すとして、さっそくレビューしていきましょう。
題名の『レント』は色んな意味があります。この映画ではミクロ経済学の資産つまり家賃という言葉で歌ってるシーンがありますが、キリスト教の四旬節や演奏記号、他にもドイツ軍パイロットヘルムート・レント、鉄筋などの深さや位置を正確に調査してくれる産業機械を取り扱う株式会社レントなど色んな意味がタイトルに含まれてると思います。(ごめんなさい)
今回ミュージカル映画で有名なこの映画を見ようとしたのか。実は私が専門学校に在学中授業でこの映画の楽曲『Seasons Of Love』を歌っていました。それを最近ふと思い出し「そういえばあの映画は見たことないな」と思い出し見ようと思ったのがきっかえです。それだけです。ちなみに歌はどうだったかと言うと・・・察してください。
そんな無駄話は置いといてこの映画どうだったかと言うと悪くはないと思います。しかし今までのミュージカル作品を比べてみると、舞台から映画になったせいなのか個人的には映画を見ている気分にはなりませんでした。
調べるとどうやら舞台版はフィナーレも合わせて42曲歌うらしいです。これが映画だと25曲に絞られて半分以上減っていますが、それでも映画のミュージカル映画となると多すぎます。『グレイテストショーマン』や『マンマ・ミーア』よりも多いです。
だから2時間15分ずっと歌いっぱなし。フェスかよ。勿論所処セリフもはさみますが、歌ったら一息つく間もなく歌っての繰り返しで映画を見ているというよりかは、凄い長いミュージックビデオを見ている気分でした。
そして何よりこれが全部いい歌なら良いんですが、9割くらいが記憶にも残らない曲や耳だけで聞いてもいい曲だなと思えないような曲ばかりでした。急にブレイクした歌手のミリオンヒットした曲ひとつふたつと他は全く知らない曲が入ったオリジナルアルバムを聴いてる気分です。
いい曲が聞けたとしてもその曲の余韻もくれないですぐに次の曲に行くのもダメですよね。特にエンジェルというキャラが死んでその墓地でのシリアスな曲のあと、すぐにノリノリの曲がかかってきたときは残念だなとは思いましたよ。
あとキャラクターもそこまで魅力的な人が少ないかな。唯一魅力的だったなと思ったのはコリンズとエンジェル。彼らがどう知り合ったかは短く教えられますが、それでもあのワンシーンのあとどんな話をしたのかとか気になるし、彼らは見ていてもとても応援したくなる二人でもありました。
他はなんかどうでもいいというか。なんだろう。ほかのキャラたちの紹介や関係性などの表現が歌に頼っていたのかもしれません。これが曲数が多いし、尚更重要な部分でも流れて聞いてしまうというのもあるかもしれません。コリンズとエンジェルが単独で歌うシーンが少なかったというのもありますが。
ブロードウェイだったらこれはもしかすると許せるんですよ。舞台った大掛かりにしない限りはずっと同じ絵だし、我々が動かない限りはすっと同じ画面を見ているから、それを飽きさせない為にも俳優は大げさな演技をしたり、音楽を多くしたりします。たぶん
けどこれは映画だからいろんな画面や映像で訴えることも出来るし、俳優の演技もそこまで大げさにしなくても自然な演技には出来るし、セリフを多くして絶対に訴えたいという部分をセリフにすれば心に響くはずなんですよね。けどこの映画はなんでもかんでも歌に頼りすぎて、訴えたいことも空回りしてるし、俳優の演技も少しオーバーでした。
特にそう思ったのはマークがエンジェルなどが集まるある場所に行くシーン。そこでマークは「ドキュメンタリーを撮るんだ」と言い撮影しますが、皆歌いだします。そこでも色んな若者の訴えもあるはずでセリフにしとけばいいシーンになれたはずだし、歌うからドキュメンタリーにするには少しバカげてるなとちょっと否定的な目で見てしまいます。
別に私は高速道路で踊りだそうが、雨に打たれて可笑しなダンスを踊ろうがそれがミュージカルなら「こんなの現実で起こらないだろ」とは思いません。だってミュージカルですから。問題はその使い分けですよ。どこで歌うか、訴えたいものをどう使うか。セリフにするか歌わせるかなど。この映画ではそれが全くできてませんでした。
あとこの映画は89年の話になりますが、なんかそんな感じには見えないです。この時代に見ても「あ。80年代だな」とは感じないし、どちらかというと2010年代でもあり得そうな世界観ですよね。私はアメリカの80年代は全く知りませんが、それでもそう感じなかったのはたぶん雰囲気の問題か、ちょっとした映像の撮り方でしょう。一工夫すれば変わりそうなんですがね。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺⚫⚫⚫⚫
6/10です。
別につまらない作品ではないですが、何も考えずに楽しめるミュージカル作品が見たいという方にはオススメします。けど社会の勉強にもなりそうだから、そういう意味では学生さんにも見てほしいなとは思います。
はい、そんな感じで!
それでは!