■予告
■あらすじ
結婚を約束し幸せの絶頂にいた20代のカップル・尚志と麻衣。しかし結婚式の3カ月前、麻衣が原因不明の病に倒れ昏睡状態に陥ってしまう。尚志はそれから毎朝、出勤前に病院に通って麻衣の回復を祈り続ける。数年後、麻衣は少しずつ意識を取り戻すが、記憶障害により尚志に関する記憶を失っていた。2人の思い出の場所に連れて行っても麻衣は尚志を思い出せず、尚志は自分の存在が麻衣の負担になっているのではと考え別れを決意するが……。
■Review
『8年越しの花嫁 奇跡の実話』は、
YouTube動画で話題となった実在する中原尚志さんと麻衣さんの動画で話題になった2人の実話をもとに製作されたラブロマンス映画。
私は読んでいませんが『8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら』という書籍を元に製作されたのだと思います。一応この二人が話題になった動画のリンクを貼っておきます。
【2017年12月映画公開】8年越しの結婚式~アーヴェリール迎賓館 岡山(T&G) - YouTube
実際この映画が公開されるまでは、こういう出来事があるというのも知りませんでした。この映画でこういう夫婦がいたというのを実際に知りました。公開当時は評判高いとは知ってましたが、あまり興味が湧かなく今回DVDの鑑賞です。
きっと「お涙ちょうだい映画かな」とは予想してましたが、私的には予想通りだったし、実際に起きた事実を映画にした割りにはあまり現実味がないラブロマンス映画かなと思いました。ただストーリーの流れは良かったから特に全て退屈って訳ではないです。
婚約者が病気になり昏睡状態になって目覚めたは良いけど婚約者は付き合ってる男性の記憶はなくなってるなど色々と緊張感ありそうな物語なのに、なんか全体的に美しく描かれすぎなんですよ。
この話は後半あたりに持ってくとしてまず映画の技術面的なところから話すと、土屋太鳳演じる麻衣が病気に陥り、手がボロボロになったり虫が寄ってくるなど病に侵されるところを表したような映像が流れます。ちょっとこれが暗くてファンタジー映画のような演出になっていて映画全体の美しい描写と現実味のある作品に似合わなく、ここで映画に気持ちが離れてしまいます。
終盤あたりで麻衣が携帯を開き尚志が取ったビデオを見るシーン。今まで音楽とかそこまで流れてなかったのに、ここで一気に大ボリュームで「感動して下さい!お願いします!」と強調してきます。
感動しそうなシーンに、感動してくれと言わんばかりの音楽を流すと感動するというよりかは気持ちが冷めます。なんか押し付けられてるみたいで嫌です。そして音楽が大きいから、ビデオ撮影している佐藤健の声は聞き取りずらいです。ぼそぼそ喋るから余計に聞こえません。音楽があまりなかった分ここはかなり勿体なかったです。
あとガラケーでビデオを撮っていたんですが、どう見てもガラケーで撮影されたようなビデオには見えないくらい映像が綺麗過ぎます。もっと音も聞き取りずらいだろうし、麻衣がビデオを見たのも何年後の話だから映像に劣化はあるはずです。
正直この映画はどこまでが本当なのかは本人に聞いてみないと分かりませんが、ただ少し映画オリジナルの展開を入れたのかなと思うシーンはありました。それは麻衣が尚志の家に行くというシーン。あれ麻衣が尚志の記憶がないし聞いてもいないのに、なんでそこまで家に行こうと心に決めたのでしょう。行動力は凄いですが、記憶がなく危険なのにちょっと行く意味が分かりませんでした。
以上が映画の製作部分と技術部分の言いたかったことです。
さきほど映画全体が美しく綺麗に仕上がってると言ったのでそのことについて話していきます。本家を見て分かる通り、主演の佐藤健と土屋太鳳と比べると正直にいうと似てもないし、きれいに仕上がりすぎです。
これは勝手な妄想で言うと怒るかもしれません。ですが結局言いますが、私が思うにみんなが泣ける泣けると喚いてるのは、物語云々より佐藤健と土屋太鳳の優しい世界の頑張る姿をただ見て感動しただけではないでしょうか?もしこれがイケメン美女じゃなかったらどうですか?
だから私的にどうも「あー泣けちゃった~!私も佐藤健のような優しくって一途な彼氏が欲しいなぁ~」とかそう思ってる女性はいるはずです。逆も然りです。
そして仮に俳優を実物と似せたとしても私はそこまで泣きはしないでしょう。なぜならこの映画の物語が上手く行きすぎてるから。記憶を失った彼女を懸命に待つってかなり精神的に追いやられます。ですがそういう部分は全然移さないで、あくまで美しい部分だけをとってつけたような作品でした。砂利から宝石を見つけるように。
強いて言うても親に「娘を忘れてくれ」とは言われますが、そこには親御さんの優しさがあるので特に暗さとかモヤモヤした部分はないんですよ。私はそういう体験はしてこなかったので正直どんなものかは分かりません。ですが、レビューサイトを見ていて実際に記憶を失った相手を持つ人の感想を見つけたので一部引用させてもらいます。
5年前の1月にプロポーズしてOKをもらって結婚まで2か月の彼女が実家に帰っている時に交通事故に遭いました
事故後は「おっさん誰?」と一言言われショックでした。
(一部省略)
2年間、毎日病院へ通った
何も変わらなかった
気持ち悪がられた向こうの両親から
「君が来ると●●(彼女)の精神状態がおかしくなるから、もう来ないでくれ」
と何度もお願いされた。それでも何か思い出してほしくて
もう一度思い出してほしくて
彼女との思い出の歌を口ずさんだそれでもだめだった
彼女から「もう2度と来ないでください。ほんとうに・・・・ほんとうに・・・・・・きもちわるいです。」
それから私も頭がおかしくなってしまった
世の中どうでもよくなった
何度か死のうかと思った
精神状態がおかしくなり会社にも行けなくなり今は精神科外来へ通院中です。
これを見てどう思ったでしょうか?確かに感情や精神状態は人それぞれだと思うけど、ここまでくるとやはりこの映画の尚志も実際はイライラしたり精神的に病んだりすると思うし、言い方は悪いですが現実はもっと苦しく汚いです。そういうのを映さないで綺麗なものだけ見せたとしても、なにをどこを共感して良いのか分かりません。
物語も上手くいき、俳優も綺麗過ぎるから全然リアリティーが無いんですよ。すべて嘘の世界を見せられてる感覚になります。すべてがきれいだからと言って感動できる訳ではないです。そういうのを作る上でどれだけ現実的に辛い部分も見せて共感して感動させるかの方が大事だと思います。
正直タイトルからも、もう結婚するんだろうなとネタバレされている感じはするし、個人的にラストの結婚式のシーンは佐藤健と土屋太鳳じゃなくて本人たちのビデオ映像を見せて欲しかった。そしたら心が汚い私も少しは感動は出来たはずです。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺⚫⚫|⚫⚫⚫⚫⚫
3/10です。
色々言いましたがお察しの通りあまり私はダメでした。うーん…。やっぱり私はこういう泣ける泣ける映画は苦手なんですね。例えば世界の中心で愛を叫ぶ映画とか…。
はい、そんな感じで!
それでは!