■あらすじ
沖縄本島から少し離れた粟国島。奈々子は都会の喧騒に疲れて久しぶりに帰ってきた。島までの小さな船には一人旅の青年・福之助と伊達な白スーツの老紳士が同乗していた。そしてその老紳士こそ、60年前に奈々子の祖母ナビィが最も愛していた人だった……。
■Review
『ナビィの恋』は、
沖縄民謡の大御所を多数起用し音楽と笑いを基調にしたミュージカルラブロマンス作品。
沖縄が舞台なのでもちろん沖縄でも当時公開はされ那覇市内のリウボウホールで上映されましたがかなりの人気を呼んだそうです。
どちらかというと沖縄民謡を歌っているのでそれほどミュージカルらしさはありませんが、それでもミュージカル映画としても沖縄を舞台にした映画の完成度は素晴らしいです。
今ありがちな沖縄を舞台にその美しさや海の綺麗さで客を引き寄せるも映画としての完成度が低い映画よりも、こちらの方はそれらに頼らず沖縄の生活や民謡の素晴らしさを映してるので現実味はありますし、完成度も非常に高いです。
この映画の良い所は沖縄にやってくる人以外、つまり沖縄出身のキャラクターはちゃんと沖縄出身の俳優が演じているという事。しかも沖縄民謡を歌っている人もプロの沖縄民謡の歌手でもあるのです。
変に人気の俳優を使わず沖縄出身の俳優を使うのは良い映画を作ろうという気持ちは伝わるし、沖縄の人たちと一緒に協力して作った感が出ていてそれだけでも結構心が温かくなります。
たしかにカメラが素人ぽかったり、沖縄民謡の歌手も出ているので演技力はそこまでレベルは高くはないのは事実です。しかしそこに素晴らしい結縄民謡と何度見ても癒される脚本とリアリティある沖縄の南国の世界観を生み出したのは間違いないです
ちなみに沖縄弁(って言っていいのか分からないが)で勿論話すので会話を聞いても何言ってるのか分からないんじゃないかと思いますがそこはご安心を。しっかりと沖縄弁で喋ってるさいは通常の言葉で字幕が付きます。
物語の作りとしては好き嫌いが分かれそうですが私は好きでした。オジィはオバァが昔恋した男のところに向かおうと怒りもしないし、行くという事に気づいてるのに何も言わずに行かせたりこのオジィの力量って言うんでしょうか?それが見れたのは素晴らしいです。
なんで止めに行かないんだよと思うかもしれませんが、変に沖縄に似合わないメソメソした感じを出すより、沖縄に似合う暑さと心の大きさを見せて、「騒いだところでしょうがない」と言ってるようなオジィの男らしさを見せたほうがよっぽどいいです。
ミュージカル部分も素晴らしく歌もプロの人だから歌は聞き惚れるし、歌詞の中にキャラクターの心情を映してキャラクターに何があったのかというのも感じ取れます。歌う時もミュージカルあるあるの突然歌いだすという事ではなく、導入部分も自然で良いです。
ちなみにこの映画の主演の西田尚美さんがとても綺麗で可愛いです。
当時21歳くらいで、今では48歳ではあるんですが私の今の年齢でこの映画を当時見てたらすぐにファンになっていたと思います。
■評価
最終評価は・・・