■映画情報
公開日/2014年7月19日
上映時間/90分(1時間30分)
監督/ランディ・ムーア
製作国/アメリカ
■予告
■あらすじ
何をやってもダメな中年アメリカ人のジムは、口うるさい妻と言うことを聞かない子どもたちを連れ、魔法の城や妖精やプリンセスたちの待つ、ある有名なテーマパークに遊びにくる。夢と魔法の国で現実逃避をしようと思ったジムだったが、そこに現れた黒いプリンセスによって幻想の世界に入り込んでしまい、楽しいはずの家族旅行は、妄想と奇妙な出来事にあふれたシュールな悪夢へと変貌していく。
■Review
『エスケイプ・フロム・トゥモロー』(原題:Escape from Tomorrow)は、
日本でも大人気で世界的有名なテーマパーク「ディズニーランド」、映画内ではカルフォルニアとフロリダの「ディズニーワールド」を舞台に描いたダークファンタジー。
一応注意してほしいのはこの作品はディズニー映画てはありません。そして映画冒頭でも表示されますがフィクションです。映画内に登場する人物や会社とか一切関係はありません
物語は仕事をクビになり、家族ともあまり上手くいかない男性が家族とフロリダのディズニーワールドに遊びに来ますが、美女と遊んだりおぞましい悪夢のような妄想を繰り広げていくという物語。
物語を差し置いて驚くべき点は無許可でディズニーランドで撮影をしたということ。たまに作ったセットや合成は見られますが、大半はディズニーで撮影を行っています。
これをどうやって撮影したのか、よく映画公開まで持ち込めたのかが気になるところです。他社の商品にモザイクをかけるのにミッキーやミニーはがっつり映るし、あるアトラクション(イッツアスモールワールドみたいな所)で主人公の男性が嘔吐するシーンもあります。怒られても仕方ないのによく公開できたなと思いました。
嘔吐シーンもそうですがディズニー映画では現れない血の描写、エロいシーン、グロテスクなシーン、ディズニーアトラクションに怖い顔が現れたり、今までのディズニーをぶっ壊すかのようなブッ飛んだ描写が多いです。
それはこの映画が白黒なのもそうでしょう。ディズニーは色とりどりのカラフルな世界なのにこの映画は白黒なのもディズニーの常識を壊し、怖さを引き立てる反ディズニー的思考が見られる描写でした。
物語的には男の妄想が現れてその苦悩を見せられているという感じでした。結構夢の国を皮肉る描写やさっきも言った反ディズニー的な部分も含まれています。
個人的に感じとれたメッセージは「幸せな夢も悪夢に変われる」「所詮夢は夢」という感じでしょうか。なんか日本人がよく言う「夢の国を金で買う」という言葉を思い出しました。この映画のメッセージの読み取りに正解はないと思います。なにを伝えたいのか分かるけどそれを言葉にするのが難しいタイプだし、色んなメッセージが隠されています。
なので色んな人たちの解釈や考察を見て納得し会うという楽しみもできるかもしれません。映画全体の雰囲気や様々な考察を作れるという部分では『シャイニング』に似ているかもしれません。それが好きならこの映画も好きになるかもしれません。
ちなみに驚いたのがこの映画90分くらいの作品なのに途中インターミッション(休憩)が挟まれます。普通なら上映時間が長い作品に使われます。けどこの作品に使うとなると相当精神的に疲れが来てしまうからこのように休憩を挟んだのかも。
私は大丈夫でしたがディズニーが大好きという人はこれを見ると精神的に来るものがあると思います。なのでディズニーが大好きという方にはオススメしづらいですが、映画好きは一度見てみてはいかがでしょうか?
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺⚫⚫⚫
7/10です。
私がこれを見たからディズニーランド行かないとかディズニー作品を見ないという訳ではないです。今まで通りディズニー好きは突き通します。
余談ですが最近マイナー作品を見まくっていると私のブログの絵面がかなり奇妙になってくるんですよねw
まぁたくさんの良い作品を見られてそれを紹介できるから私は良いんですが
はい、そんな感じで!