■映画情報
公開日/1958年10月22日
上映時間/79分(1時間19分)
監督/藪下泰司
製作国/日本
■予告
■あらすじ
許仙は西湖の畔に住む心優しい少年。幼い頃、飼っていた可愛い小さい白蛇を、大人たちに叱られて泣く泣く野原に捨てた。十数年後の嵐の夜、その白蛇が美しい少女の姿に変身する。人間に化けた白娘は、お供の青魚の精・小青と西湖に来て、法術を使い豪華な邸宅を作り出す。成人した許仙が、ある朝、友だちのパンダとミミィと笛を吹いていると、その笛の音に答えるかのように胡弓のきれいな音色が聞こえてきた。許仙は一人の美女を見つける。
■Review
『白蛇伝』は、
中国の四大民間説話のひとつ『白蛇伝』を題材にした日本で最初のカラー長編漫画映画いわゆるアニメーション映画です。
一応日本初の劇場用長編漫画映画としては『桃太郎 海の神兵』がありますがまだ当時としてはアニメ映画製作のシステムが確率されていませんし、そもそも『桃太郎 海の神兵』は白黒です。なので日本でカラー長編アニメ映画として最初に作られたのはこの作品でした
ちょうど60年前に製作された作品ですね。世界初のカラーアニメ映画がディズニーの『白雪姫』が1937年ですので21年後に作られ日本初のアニメ映画が出来上がった訳ですが、昔の技術を考えると遅れてたのか早い方なのかは分かりませんがこれがあったから日本のアニメ事業が成功したと言っても過言ではないでしょう。
この作品では『ライブアクション』という手法が用いられています。ライブアクションとは人物の動きをトレースしてアニメを製作する方法です。今でいう『涼宮ハルヒの憂鬱』の文化祭の「God Knows…」などの演奏シーンや『けいおん!』の演奏シーンなど使われています。
流石に今のようにギターを弾く細かい指の動きみたいなものをトレースは出来ませんが、人の大まかな動きなどはトレース出来ていて自然的だし、柔らかな動きが見れて見ていて飽きませんでした。
アニメーションもとても高級感がありました。60年前の作品だからなのかは知りませんが、どのシーンも美術館に飾れるくらいレベルの高い作画で美しくとても幻想的なアニメを見れました。これが2時間とかだったら飽きが来そうなんだけど、1時間くらいの作品だからそこまで飽きません。
主人公の青年とヒロインが柔らかく自然な動きに対し、他の脇キャラがアニメぽく生き生きしています。だけどナゼか浮いてはいないんですよね。アニメぽいけどしっかりと世界観に統一されているし、最後まで見ると何故そう製作されたのか製作陣の意図が見えてきます。
最終的に主人公とヒロインは結ばれヒロインは妖術を失い普通の人間になります。その際アニメらしく生き生きしてる喋る動物たちや、不思議な力を使える坊さんと別れますが、これが二人が非現実からの別れでもあり、アニメという幻想からの視聴者の別れを絵的に見せてたんじゃないのかなと思いました。……深読みし過ぎかな?
けどそう考えても可笑しくないくらい二人の動きは自然で柔らかく、他はアニメのような動きをしていました。そこまで深読みするような作品ではないんだけど、色々と捉えてみるのも面白いと思います。
不満点という不満はないんだけど、作品が後半に差し掛かると盛り上がりを作るのか色々と面白おかしくなります。バカなアクション映画を見ているようなツッコミ満載なんだけど憎めなく笑えてくるシーンが出てきます。
普通に面白かったのはパンダが他の動物と戦う時パンダが無敵だし、攻撃を受けても何事もなかったかのように真顔で、最終的に全員倒すシーンは面白かったです。
あるキャラが妖術を持つヒロインを助けようと、ヒロインを倒そうとする坊さんを「水攻めしよう」とか。結構エグい提案するなwww
後結構キャラの感想が低レベル過ぎたのは笑った。小学生レベルw 「すごい」「上手です」「きれい」とかたまになんだけどそれを見た時の感想が軽いんですよね。
あと台本はあるとは思うんだけど、たまに台本じゃなくてアドリブのような台詞が聞こえてそのアドリブの仕方も素人がやってる感じなんだよね。昔のアフレコはやり直しはできなくて間違えたらまた一からやり直しだからそうなるのは仕方ないだろけど
ただやっぱり聞いているとこの動画を思い出しました。
けど全体的に見てもそこまで古くささのような物は感じず、今見ても誰が見ても楽しめる作品だったと思いました。なんかお酒飲みながら見たい作品です。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺⚫⚫⚫
7/10です。
今回日本発信の映画を紹介しましたが、この映画を知っていた人は少ないのではないでしょうか?こういう世間ではまり知られてなく、かなりのコアな映画ファンしか知らないような作品をレビューしていきます。まぁ前提としては私が気になって見てレビューをするという形ですが
次回もそんな作品を紹介します。今回と同じアニメ作品です。
はい、そんな感じで!