■予告
■あらすじ
北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美は、ともに3年生となり、最後となるコンクールを控えていた。コンクールの自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロパートがあったが、親友同士の2人の掛け合いはなぜかうまくかみ合わず……。
■Review
『リズと青い鳥』は、
京都アニメーション製作のテレビアニメーション『響け!ユーフォニアム』の完全新作アニメ映画。監督は『映画 聲の形』などで今高い評価を得ている山田尚子監督。
武田綾乃の小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」を原作に鎧塚みぞれと傘木希美にスポットを当てた作品になります。
『響け!ユーフォニアム』は今までテレビや漫画連載などやっていますがどれも見たことないです。アニメの1期1話しか見てないような気がする。ただ予告見たときのアニメーションに惚れて見たかったし、いままでのシリーズを見てなくても問題なしで見れるよと教えてくれたので公開から日は経ってますが見に行きました。
率直な感想を言うと素晴らしかったです!シリーズを見てない私が見ても十分に心打たれたし、アニメ映画では泣かない質なんだけど恥ずかしながら泣いてしまいました。はい、傑作という言葉が似合う作品です。
今回どうレビューしようかなと思ったのですが、いつも通り概要部分に触れて良かったところを出来るだけネタバレなしで話していきます。今さら考察みたいなレビューしても私は下手だし、日が経って考察記事も沢山出てるだろうから、いつもの私のスタイルでいきたいと思いますのでヨロシクお願いしますm(__)m
まず冒頭のみぞれと希美の登校シーンでこの映画すげーなと感じましたね。なにが凄いってこのシリーズを知らない私からしたら勿論この二人なんて知らないんですよ。それで台詞がないまま音楽室に向かうときに流れる音楽や音響、キャラの動きや表情で二人がどんなキャラか、二人がどんな関係か目で見てそれを感じることが出来るんですよね。
希美を待つときのみぞれのピアノかな?その音色が悲しく奏でる音も少ない。でみぞれがやってきたらピアノの音色が楽しくなって音も多くなる。みぞれが希美の事をどれだけ大好きかというのが分かります。あとはみぞれの表情だったりもそれが分かるし、台詞がないまま音楽室へ向かう歩き方や行動もそのキャラの性格も分かります。この5分で二人を理解し、好きになれました。
歩き方も二人それぞれ性格は出てるし、先に進むのは希美でその後をみぞれが追って、みぞれはその後ろ姿を見て「憧れ」や「大好き」とかそういう感情を顔に表していました。
そしてそこからの演奏シーン。また音響とかの話は少し触れるけど、最初聞いた時鳥肌はたったしこの演奏も二人だから成り立つなと思いました。確かにちょっとしたズレはあるけどそういうのも物語に繋がってたし、二人の関係性を耳で感じることができます。
・・・てかヤベーな。この冒頭部分だけで色々語れるな。
少し話を切り替えて今度は「リズと青い鳥」の絵本の世界観について話します。この「リズと青い鳥」の本を読む際、希美は絵本、みぞれは文庫小説とここもいい性格の現れ方ですがまぁそこはいいや。
その「リズと青い鳥」の絵本の世界観は勿論アニメの描き方が違い、このアニメーションの方も芸術的で可愛らしく見やすいです。キャラの台詞が戯曲っぽかったりするのは最初違和感は感じましたが、一応絵本や小説をそのまま描いていて、みぞれなどが読んでいるときその情景が現れているのかな?と思うと違和感も薄れます。
先日紹介した『サマーウォーズ』と表現は少し同じです。これは現実とネット、この映画は現実と絵本と世界が別れています。これが明らかに違うのは『サマーウォーズ』の場合現実とネットの世界を絵柄で違いを出しても壮大さは特に変わらなく、別々の世界という認識はあまり感じられないんですよね。
ただこの映画が世界観が別々だなと認識できたのは絵柄もそうですが、声優をあえて 種崎敦美と東山奈央にせず子役の本田望結を声優として起用したということ。彼女だから絵本の「リズと青い鳥」の世界観が生かされたなと思います。
本田望結に関しては思ったより良かったです。なんかジブリ映画みたいでした。しかもタレント起用では難しいだろう二役演じますしかなりのプレッシャーだと思います。それでも二人のキャラクターと特徴は掴んでいたし、ちゃんと声を分けられていたので素晴らしいです。「なんでタレントを起用するんだ」という意見もあるでしょうが、いままでの京アニの映画を見てもあまりタレント起用する作品は少ないし、彼女の演技を聞いてもしっかりオーディションはしたのでしょう。
さっきもいった通り音楽や音響は素晴らしいです。メイキングを見るとどうやら音を先に撮ってから、その音に絵を合わしてアニメを書いたらしいですよ。これってかなり大変だと思います。その大変な映画作りをしたからあそこまで丁寧で繊細な作品を作りあげたんだなと思います。
足音だったり、ハトの自然な鳴き声、下駄箱を開けるときやそれを触る音など普段聞きなれてる音や細かい部分の音もその自然な音を録るので偽物ぽくなく立体的に聞こえます。あと学校での平日の音も実際の学校で録ったらしいですね。こだわりようが凄いです。
劇中での音楽も勿論素晴らしいのですが、『リズと青い鳥』の第三楽章「愛ゆえの決断」での演奏シーンは感動しました。最初聞いたときと、終盤での違いは明らかだしこのみぞれの演奏シーンは「成長」や「自由」だったりと生き生きした感情が入った演奏で、もちろん劇中の話の流れを理解した上でより感動度合いは違うと思いますが、私はここの終盤の演奏で泣きましたね。
作画ももちろん素晴らしいです。髪の毛や服のシワなどすべて繊細に作られています。
この映画実は90分学校での物語でラストまで学校からは出ません。もしかすると「鳥かご」という言葉が出てきたから「鳥かご」を学校で表現したのかもしれません。
劇中ではみぞれが青い鳥という解釈ではありますが、私からしたらみぞれも希美もどちらもリズで青い鳥なので、この二人が学校という「鳥かご」から出たくない、このまま離れたくないと現したかったのかもしれません。現に時計の作画には針や時間は見えませんし。
はい長々と色々言いましたが、できるだけネタバレなしで話すならこのくらいですかね。もしかするとネタバレしてるかも。
ですが今までアニメ映画で泣いたことなく、しかもシリーズを知らない私が泣いたくらいですので、繊細で美しい愛と青春の物語を見せてくれたなと思いました。正直まだ3回4回は見たいですもん。本当にいい作品に出会えて良かったです。文句はありません
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺
10/10です。
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
2018年で公開された映画では『シェイプ・オブ・ウォーター』に続いて2つ目の満点映画でした!もしかすると『シェイプ・オブ・ウォーター』感動値や芸術点では越えたかもしれない。まだ年末にランキング作るからそれまでは分かりませんが。
ただ文句ひとつもない最高傑作のアニメ映画でした。公開もそろそろ終わりそうなのでまだ見てない方は是非見てください!
はい、そんな感じで!