■予告
■あらすじ
数学が得意だが気弱な高校2年生の健二は、憧れの先輩・夏希に頼まれ、夏休みの間、彼女の実家で夏希のフィアンセとして過ごすことに。そんな時、健二はネット上の仮想空間OZで起きた事件に巻き込まれ、その影響が現実世界にも波及。夏希の一家ともども、世界の危機に立ち向かう。
■Review
『サマーウォーズ』は、
『時をかける少女』『バケモノの子』などを手掛けた細田守の初のオリジナルアニメーション作品。第33回日本アカデミー賞では最優秀アニメーションを受賞しています。
今年細田守の最新作が公開されるので彼の作品を今のうちに見直してました。『おおかみ子供の雨と雪』『バケモノの子』はレビュー済みです。『時をかける少女』は少したったらレビューすると思います。
もうテレビではあるんですが何回か見て最初見たときの感覚としてはいい作品だなと思いました。結構月日が立って今見直すと何回でも見ることは出来る作品ですが、皆が過大評価するほどでもない作品かなと思いました。いい部分もあり、悪い部分もあり、今見たから気づける部分もありました。
まず結構なキャラ数はいるんですが、大事なキャラや主要なキャラに関してはしっかりとキャラクターを深堀していたし、その人たちを応援したくなります。特に説明口調でもなく自然な会話の中で知るのですんなりそのキャラの性格を知ることもできます
あとは二時間の映画なのに結構短く感じたという事でしょうか。アニメ映画だからという理由もありますが全体的に楽しめるし、大切なことも教えてくれる映画なので飽きずに見ることができます。
全体としては面白くて楽しめる映画で教えられる映画なんですがそれで終わってしまった作品かなと思いました。楽しいのは良いんですが、ただこういうメッセージ性がありそうな作品で「あぁ、楽しいな」と終わってしまうのは勿体ないように感じました。教えられはしますが私みたいに特に心を打たれることはないという人もいるかもしれません。
まず好きなキャラがいるのと裏腹に嫌いなキャラもいました。見ていて「こいつウザいな」とか「こいつ必要あるのかな」と思う人もいました。例えば警察の人はただただうるさいだけだったし、そのキャラを担当した声優の演技もかなり微妙です。
あとこの映画に登場する子供もあまり好きになれませんでした。子供が嫌いという訳ではないんですがなんかこの作品の子供は好きになれません。なんでだ?笑いをとろうとしているシーンも見ていてムカつくだけです。
他にもいるんですが今回は特にこれらが好きになれませんでした。好きになれないキャラがいるとやっぱりそのキャラに対して応援はしにくいです。大家族という設定にすると私のように嫌いなキャラが見つかって応援できないという人もいると思います。これらの数のキャラを全員好きになるというのは少し難しいでしょう。
この映画は現実とインターネット上の仮想世界で別れています。その二つの世界観を分けるために作風とか絵のタッチを変えていたり、インターネットの世界だから出来るようなアニメーションには見ごたえありました。
最初これを見たときは凄いなとは思いました。今でも思う部分もありますが、ただ二つの世界の作画を変えたことは良くても、一方の現実世界の作画が結構ひどい時がありました。その酷さと劣化した感じはこの年で見ればすぐに分かるくらいです。
例えばきっとこれは描けるであろうアニメの人の顔が適当だったり風景が雑に感じます。これは細田守監督の弱点で他のアニメスタジオ例えばジブリとかは確かに作画が微妙だったりすることはありますがそれでもそれを含めて芸術的だなと思えます。細田監督はそれが無いんですよ。雑は雑なままというか。
あとカズマが泣くシーンあってそこで顔を上げて泣きながら怒鳴るシーンがあるんですが、その時の顔がなぜかギャグっぽい顔なんですよね。それを見ると見ているこちらとしてはさっきまで同じ気持ちだったのにそのせいで急に気持ちが離れてしまいます。
現実と仮想世界という世界観は良いんですが、アニメーションという偽物の中にまた仮想世界という偽物を入れると、その二つの世界観のスケールや大きさが一緒なんですよね。仮想世界で凄いことをやっても見ているこちらからしたら普通にアニメを見ている感覚に変わりはないんですよ。仮想世界の戦い事態はこの映画のなかではスゴいだろうけど、こちらとしてはスケールの大きさは差ほど変わりはありませんでした。
色々不満点は言いましたが、嫌いになるような作品でもないし、夏になったらまた見たいなと思える作品でした。なんで何回も見たくなるかは分かりませんが・・・不思議ですね。
■評価
最終評価は・・・