■予告
■あらすじ
瑞沢高校競技かるた部の1年生・綾瀬千早がクイーン・若宮詩暢と壮絶な戦いを繰り広げた全国大会から2年が経った。3年生になった千早たちは個性派揃いの新入生たちに振り回されながらも、高校生活最後の全国大会に向けて動き出す。一方、藤岡東高校に通う新は全国大会で千早たちと戦うため、かるた部創設に奔走していた。
■Review
『ちはやふる -結び-』は、
末次由紀の大ヒットコミックを実写映画化した作品。2016年に公開された前作『ちはやふる 上の句』『ちはやふる 下の句』の続編でもあります。
一応この前作2つ共私のブログではレビュー済みです。上の句はまぁまぁで、下の句は微妙な感想だったと思います。だから特に大きな期待はしてませんでしたがかなり評価が高いと聞き気になったので映画館で鑑賞しました。ちなみに原作は未読です。
正直言えば映画館で観て大正解でした。今に始まったことではないですが最近の実写映画のほとんどは残念な作品が多いです。そんな実写映画でも成功した作品だと思いますし、実写のお手本にした方が良いくらい面白い映画だったと思います。
前作よりも結構コミカルで笑えるシーンが多かったです。序盤からそうした笑えるシーンが多いから映画の世界に入りやすいし飽きないし、キャラクターの個性を生かした笑いでもあるのでそれに合わせてキャラクターも好きになりました。結構劇場内で見ていた人みんなで笑ったシーンは多くありましたね。
新キャラについて話すと全員個性的で良くって演じた俳優も演技は良かったです。賀来賢人演じた周防はぼそぼそ喋ってかるたもめっちゃ強いというキャラでどこか触れずらい感じはしましたが映画を見ていくと結構甘いものを多く食べていたり、普通に驚くときは驚くし、なんだかんだ優しい部分もあるので新キャラの中ではとても個性があって良いキャラクターだったなと思いました。
優希美青演じた花野は最初見ているとき何処かの少女漫画みたいなキャラで不安でしたが何だかんだカルタの句は覚える努力家ではあるし素人から始まるから唯一私たちと同じ一般目線で試合を共感して見ているといういい役割もしていました。佐野勇斗も演技も良かったし彼のキャラクターも段々とみんなに馴染んでいく様を見れたのは良かったです。
この映画は2年の月日がたっていていますが、前までの主要キャストの演技が全員素晴らしくなっていたなと思います。個人的に前まで嫌いだった野村周平の演技はこの作品で本当に成長したを分かるし彼がいる時といない時で部活内の安心感は全く違います。彼の顔を出さない演出が多く言葉や雰囲気でその気持ちを表現しないといけないのですがそれもしっかりと表現できていたと思います。
広瀬すずもやはら演技は上手くなっていて彼女じゃない綾瀬千早はありえないと思うほどもうはまり役になっています。個人的に踏切での演技は素晴らしかった!
個人的にはやはりクイーン演じた松岡茉優は素晴らしです。そもそも彼女自体カリスマ性があるからキャラクターのカリスマ性とマッチしているし、今作は結構可愛い部分も見れますがその後の試合を解説しているときの女王としての風貌匂わす演技はギャップもあり最高です。
結構キャラクターや俳優陣について話しましたがそれだけじゃ終わらないです。俳優陣の演技も確かに上手くなって皆キャラにハマっていますが、制作人やスタッフの働きも進化していました。
例えば音楽。音楽はもしかすると前作と同じだと思いますがほとんどの音楽は聴いていて「あ。これ良いな」と思えたし、その音楽の使い方も素晴らしかったです。
あとカメラワークや映像の演出も素晴らしいです。前作の悪い部分の一つって試合の緊張感はあってもあの映像だったら映画じゃなくてドラマでも良くない?と思ったところなんですよ。ただ今作に関しては映画に合わせて映画だからこそ見せられる芸術的な映像とかを見せていたなと思いました。なので映像がきれいで色彩とか光の加減とかも映画だから見せられるものでしたね。
映像の良さで映画の中で例えると、カルタ試合をする時スローモーションが起こるときがあります。逆にそれを使ったことによってカルタ試合がより迫力を魅せて、さらに映像が鮮やかで美しいこの作品を堪能することもできました。カルタが飛び散り髪を揺らす広瀬すずは本当綺麗です。(なんか変態みたいだな)
あと前作よりも漫画ぽく恋愛映画みたいな演出とかもなくかなりリアルな演出や脚本だったし言葉で聞いて感じるというより映像や役者の演技、小さな言葉で何かしらの感情を読み取るという高レベルな作品に進化していました。
実は前作になくって今作にある物がもうひとつ。前作あまり心に残るシーンや好きな場面とかって無いんですよね。今作はさっきのスローモーションの部分も含め個人的に鳥肌が立った場面もあったのでもう一度見返したシーンや名場面を見つけられました。良い作品ってそういうのがあるから、やはりそういうのって大切ですよね。
話自体が恋愛ぽいんですがそこまで全面的に恋愛演出を押さなかったのも良かった。見ていてとても甘酸っぱくってそういう言いたいけど言えないっていう青春ぽさも見れたからなんか恋愛だけではないんだけど彼らの頑張りや悔しさに共感できる部分も多くありました。
だから恋愛映画と言うより青春映画で見たほうが面白さは倍増しそうかも。私も高校で部活やっていた時悔しい思いはしたし、映画でほかの学校が3年生最後の試合で負けて泣いている所を千早が見るシーンがあるんですが、あれって言葉でどういえばいいか分かりませんがなんか不思議な感覚になりますよね。そういう気持ちを昔私も体験したからまた思い出してやっぱ青春っていいなと思えたし。
まとめると演技は全員上手くなってい、映画の映像は美しく繊細だけどしっかりメリハリはついていて、鳥肌が立つような好きなシーンが見つかり、見ていて彼らの青春に共感でき青春って一度きりで大切なものだからよりその良さが分かった作品でした。
少しだけ不満を上げるなら佐野勇斗のキャラクターをもう少し掘り下げても良かったかなと思いました。なにか昔色々あったようなキャラだったのでそれを見せて、矢本悠馬と関わるシーンが多かったから彼と解決するというシーンを5分くらい作っても良かったかもしれません。
けど全体的に面白く綺麗で、2時間越えとは思えないくらいあっという間に過ぎたのでとてもいい作品だったなと思いました。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺⚫
9/10です。
今回ネタバレなしでレビューしました。言ってしまうともっといいところや好きなシーンもあります。その感動を少しでも奪いたくないからぜひ劇場で見てください。
はい、そんな感じで!