■予告
■あらすじ
卒業を控えた軽音部3年生の唯、澪、律、紬はいつも通りのゆるやかな日々を送っていたが、同級生たちが卒業旅行を企画していることを知り、自分たちも卒業旅行へ行くことに。2年生の梓も加わり、各々が候補地の希望を出す中、くじ引きでロンドン行きが決まるのだが……。
■Review
『映画 けいおん!』は、
漫画家かきふらいによる同名四コマ漫画をアニメシリーズにし、それを映画化した作品。当時はアニメ、音楽共に話題を呼びアニメの新境地を作った作品でもあります。
今回は軽音部の放課後ティータイムの3年生4人の地上波では描かれなかった卒業前のエピソードのオリジナルストーリーを描いています。
少しだけ『けいおん!』について話させてください。
『けいおん!』は私の大好きなアニメ作品のひとつで、出会ったのは本当アニメ第一期が始まってたころの中学2年生かな?それくらいに出会ってからドハマリしてましたね。
これといってけいおんに対して私の面白エピソードはあまりありませんが、漫画は買ったし、CDはレンタルだけどプレイヤーには入れて聞いてたし、『けいおん!』の影響でギターも買いましたね。(当時ギターかドラムどちらかに迷ってましたね。)
ひとつだけ面白いか分かりませんがエピソードはあります。けいおんの影響で当時ギターやりたかったことを、吹奏楽部で音楽好きな友人と話してたんですね。彼ティンパニー担当で、ティンパニーだからドラムできてギターもピアノもできてたんですよ。
で、彼のエレキギターを貸してもらえることになったんですが道行く人々に「なんで中学生があんなデカイギター持ってるんだ?!」という目で見られてて、しかも友人宅から私の家までかなり距離があって運ぶのも大変だったから、疲れるわ恥ずかしいの思いででしたねwww
さて前置きが長くなりましたがレビューしていきたいと思います。話しやすいようにアニメキャラのあだ名で話していくのでお見苦しい部分があるとは思いますがご了承ください。
映画の内容は地上波のアニメの卒業式前の話で、放課後ティータイムのみんなで卒業旅行でイギリスに行く話と、3年生であずにゃんにプレゼントしようという「天使にふれたよ!」の制作秘話のエピソードを撮っています。
大まかに全体的な感想を言うなら、いつも通りのメンバーの話でありその中でも最高のエピソードを綴っていたなと思いました。賛否両論する人の中には淡々としていたり、いつもと変わらないという意見もあるのは知ってます。
たしかにその意見も分からなくはないです。もうこのレビューのまとめ的なことを先に言うなら「いつもの日常こそが特別であり、大切な宝物」というのが分かります。深夜アニメの映画化って何か特別なことをしないといけない感じはしますが逆にそれが一部の作品では失敗してるように私は感じます。その点、「けいおん!」ではそういう部分が感じられず、ロンドンも音楽という共通点、卒業旅行という納得の理由もあります。最近の深夜アニメの劇場版は特に理由もなく海外に行ったりとかが多いような気がする。
イギリスに行くという女子高生からしたら非現実的非日常的な経験であり、そういう意味では特別感はあります。しかし例えばホテルの一室でみんながお菓子を食べながら雑談をしていたり、ゆいとあずにゃんが部屋をぐるぐるするシーンとかも結構笑えて微笑みが出ます。残念ながら私は当時この映画を劇場では見れませんでしたが、きっとここのシーンだけでも共感してくれる人はいるでしょう。
またみんなが何かしらに緊張してり、楽しい部分も一緒に共感出来たり、親のように彼女たちを見守るというアニメでも感じられたことが映画にも出てきます。驚いたのは飛行機のシーンをあそこまで長く撮っているアニメって中々ないと思います。空港からイギリスの空港まで普通ならカットするのを、それを長く撮って視聴者も一緒に旅してる気分になるし、空からの景色も一緒に感動もできます。
色々凄いなと思う部分は何か所かあるんですが、特に凄いなと思ったのは音楽。音楽は今回もそこまでメインってわけでもないんですが素人の私も聞くとこの映画の為に再収録したんだなと分かります。特に「カレーのちライス」はイギリスのすし屋でライブした曲ですが、時間がなくってあずにゃんがチューニングもできないから、唯と同じ音にするっていうんです。聞いてみたら本当に唯とあずにゃんの音が一緒なんですよ。普通なら大して気にはしない部分をそこまで細かいところまで拘るのかとびっくりしますよね。
音楽繋がりで言うなら『ごはんはおかず』の演奏も良かった。「もう一回」って急に言った唯の反応に戸惑うながらも自然と繋げられたムギちゃん達もすごかったし、あのアレンジも良かった。
唯が見てくれてた赤ちゃんが可愛かったからやってしまったと言ってたが、時計や回る物が何回もカットで出ていたから、きっと彼女はこのまま少しでも長く演奏を続けたかったのだと思う。
そう思うとこの映画は時間の話や、未来や過去の話、回転寿司や観覧車などの回るもので時を連想させたりするものが多かったですね。それらを映像で見せてたり、キャラの表情だけで見せたり、台詞では伝えず唯を初めとした彼女たちが今どんな思いなのかよく伝わりました。
過去は楽しかったし、最後のお茶会でみんなのカップが真っ白のように未来は白紙で分からないけど、それでも今を今で楽しむのが彼女達らしいし、それが大切なんだなと分かります。教室でのライブでムギちゃんは今まで一番楽しそうだったし、唯も楽しそうだけどどこか悲しそうでしたよね。
この映画涙を流すキャラがひとりもいないんですよね。確かにあずにゃんも涙ぐんだり、澪も泣いてる声はしますがその顔を映画内では見ていません。お涙頂戴の演出もしそうなのに、あえてそれをしなかったのは好感だったし、逆にそれが「本当は悲しいんだろうな、泣きたいんだろうな」と思うとこっちが泣いてしまいます。
けいおんを知らない人でもかなり楽しめると思いますが、正直にいうならアニメシリーズを全て見てからの方がこの映画はより楽しめるんじゃないかなと思います。キャラは映画でも魅力的ですが、やはりアニメを知った方がキャラの性格や関係性がより明確になるのはもちろん、様々な小ネタが散りばめているからです。
そしてこの時期だとあと数週間で卒業という学生もいるでしょう。過去が楽しかった、未来が不安という人もいるかもしれませんが、この映画を見て「今が大切」というのを知ってほしいし、これからもそうしてほしいです。そして今いる友達ともずっと卒業しても仲良くしてください。その友達との思い出も大切にしてください。なぜなら「卒業は終わりじゃない」からです。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺☺☺☺
10/10です。
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
アニメ好き、けいおん好き、そしてそういう人たちじゃなくてもかなり楽しめると思います。卒業する学生には見てほしい作品のひとつです。
また昔けいおん好きだった人も是非見てください。懐かしい気分になれること間違いなしです!
はい、そんな感じで!