■予告
■あらすじ
撮影所を舞台に、スターと大部屋俳優の男、そして落ち目の女優の奇妙な人間関係を軸に、撮影所の舞台裏を織り交ぜて描いたちょっと辛口の大ヒット人情喜劇。時代劇のメッカ、京都撮影所。人情に篤いが激情家なのが玉にキズの大スター銀ちゃんと、その銀ちゃんに憧れる大部屋俳優のヤス。ある日、ヤスのアパートに銀ちゃんが女優の小夏を連れてやって来た。銀ちゃんの子を身ごもった小夏をスキャンダルになるからとヤスに押し付けに来たのだった……。
■Review
『蒲田行進曲』は、
つかこうへい原作演出による戯曲を映画化した作品。この映画の脚本もつかこうへいが担当しています。
また当時の日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞など数々の賞を受賞した日本を代表する名シーンもある名作です。
蒲田行進曲というタイトルではありますが、特にこの映画とタイトルに深い意味もありませんし蒲田が舞台じゃないです。しかも松竹が配給なのに舞台が京都の東映撮影場所を利用しています。
詳しいことはここでは多くは言いませんが、簡単に言うならこの映画が作られる前に本来の舞台である蒲田撮影場所がもうなくなっている為です。ほかにもいろんな話がありますので気になる方は調べてみてください。
前置きが長くなりましたが映画の話に戻ります。見て見ましたがとても良かったです。良かったけど個人的に少し気になるなという部分もありますが、全体的には良い作品だと思います。
私は最初はどうかなと思いましたが見ていくうちにだんだんと引き込まれていく作品でした。結構夢中で見ていましたね。ただ私は良かったんですが、これが今でも通用するかと言われたら少し難しいです。男が女性を見る部分、家族や愛の話などその当時だから通用する部分があり、今の人が見ると少し嫌だなと思う部分もあると思います。
ただ話の流れ方や小夏とヤスの愛の成長物語は面白かったです。子供のために結婚する小夏と、銀ちゃんの突拍子のない頼みで結婚するヤスがそれぞれの良い部分を見つけて愛を育む姿は見ていて面白かったです。
その後の家庭内の喧嘩のシーンも素晴らしいです。まずこのシーンの演技がこの映画で一番好きなところでした。本当に夫婦の家庭内の喧嘩に見えたし、ただなりふり構わず物を壊すヤスがちゃんとそこに自分の気持ちをのっけて壊してるシーンは迫力があるしとても心に突き刺さりました。
この当時の男性・・・今の男性もそうですが、とにかく自分の仕事に一生懸命になりすぎて本来の目的を見失ったり、誰かを傷つけたりするという事はやっぱりありますよね。普通の仕事ならまだしも、俳優とかならもっと上に行きたいと思ったり、変に欲が出たりしてもっと本来の目的を見失っちゃうような職業でもありますね。
要はこの映画は自分の命よりももっと大事なものがあるでしょ?と気づかせてくれる映画だったなと思います。
不満点を上げるなら、さっきも言った通り今の人たちにこの映画が通用するのかなという事。まあ、それは人それぞれの価値観ですし、この映画を見ても全く損はしないと思います。
個人的には少し演技が演技してるなって思っちゃう部分が多かったような感じでした。要は舞台演技みたいで映画にすると少し違和感があります。
確かにとても演技は上手しですし、元々が戯曲や舞台用の脚本だったからそうなるのか。はたまた当時の俳優の演技を皮肉ってるのかは分かりませんが、やはり映画なら映画の自然体な演技をもうちょっと見たかったなと思いました。
あとこれも個人的なんですが銀ちゃんが銀ちゃんでかなりのクズ野郎だから、あまり彼の気持ちに共感できなかったり、なんでそこまでクズ野郎の銀ちゃんの為にヤスは頑張ろうとするのか少し分かりませんでした。
断れない人とか今までの恩とかヤス自身がとても優しい人とかあるとは思いますが、ヤス自身も彼に対して嫌気がさしていたらしいので別にそこまで思うなら放っておいてもいいのかなと思いました。
■評価
最終評価は・・・
☺☺☺☺☺|☺☺⚫⚫⚫
7/10です。
とても夢中になれた映画でした。人によっては好き嫌いがある作品だとは思いますが、まだ見てない方は一度見ることをオススメします。
はい、そんな感じで!