■予告
■あらすじ
思春期の息子ジェイミーの教育に悩むシングルマザーのドロシアは、ルームシェアで暮らす写真家アビーと、近所に暮らすジェイミーの幼なじみのジュリーに、ジェイミーを助けてやってほしいと頼む。
■Review
『20センチュリー・ウーマン』(原題:20th Century Women)は、
『人生はビキナーズ』を製作した監督のマイク・ミルズが母親について製作したコメディドラマ映画。
本作は第89回アカデミー賞で受賞は逃すも、脚本賞にノミネートされた作品のひとつ。
1979年カリフォルニア州を舞台にした思春期の息子と上手くいかない母親の悩みを解決するために息子と仲がいい個性的な女性二人のジュリーとアビーに助けを求めるというのが簡単な映画の話。
コメディーと言っても期待してゲラゲラ笑うような物として見るとガッカリはするし、基本この映画のほとんどが会話劇なので退屈な人は退屈になってしまうかもしれない映画かもしれません。
ただ映画に出てくる服や部屋のデザインはとてもセンスはあったし、映像の見せ方もセンスがあるなと思いました。車が走ってるときには虹色の映像が流れたり、たびたび映像が早送りになってそれが少し面白かったり、それからナレーションが入るとその79年当時と思われる写真が出てきたりとそういう演出は面白かったです。
その演出無しでも昼間の光などをうまく利用して暖かい感じの映像として作りあげた技術も良かったと思います。ストーリー云々より先にこうした映像が先に興味は持ちましたね。
ストーリーもストーリーで最初辺りのスタートダッシュは遅いものの、後半からの話にはとても興味が出てきたし、親と子供の考え方のすれ違いって今でもそういうのはあるし、日本でも普通にあることだから少し共感は出来ましたね。
女性二人が色々と息子に女について教えてはいくんですが、だんだんと女性に関してや性に関して興味を持っていき勉強し始めるんですよね。もちろんそれは良いことだと思うし、しかも女性から教えてもらうって中々ないからとても素晴らしい勉強をしているんです。
ただ母親は刺激が強いと思ったり、母親の考えと女性二人の考えもまたずれていたりと少し難しい感じもしますが、母親も自分の息子だから「道を外した大人にはならないで」という気持ちもありますし、息子の考えを理解しようと今どきの音楽を聴いたりライブに行ったりとちゃんと息子が大好きなんだという事は分かります。
息子も息子で母親のことを心配する部分もありますよ。タバコばかり吸うから病気になるんじゃないかとか、父親と離婚して再婚とかしないのかなと母親の将来を心配する場面や、母親がなんで女性二人に面倒を見させたのか理解できないちょっとした苛立ち。だけどそういうのは何故か話さないという思春期あるある・・・。分かります。
結局どの時代でも親と子供の考えのズレは生じるし、ちゃんと子供も子供でしっかりと成長したりしてるというのは変わらないんですね。
この映画は今年公開した『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』や『マンチェスター・バイ・ザ・シー』みたいにどんな日でも見れるような映画ではなくって、その時の気分でみれるような映画化もしれませんね。この映画に関しては暖かくてしんみりしたいときには良いと思います。
登場人物も少なくて、会話ばかりの淡々とした映画ではありますが、共感できる部分もあったり少しいい気持になれるような映画かなと思います。家族以外の話でも女性の性についての話もあるんで、女性はもちろん今の若い男性も勉強という形で見るには良いと思います。
☺☺☺☺☺|☺☺⚫⚫⚫
7/10です。
皆が皆好きになれるような映画ではないという事だけは言っておきます。さっきも言いましたが気分によって見方や見終わった時の気持ちが変わる映画なのでしんみりとしたい時の鑑賞をおススメします。
はい、そんな感じで!